見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

公務員のプロ意識

2007-02-13 23:37:21 | 仕事・職業
新年度採用職員の面接をした。今回の募集は、高齢者施設の介護や給食センターの調理を担当する現業職員。早期退職者補充のため採用枠もほんの数名と狭き門だ。

一人当り10分ほどで、面接官3人が受験者に質問し採点しなければならない。受験者は緊張した面持ちで入室してくるが、面接官もその責任の重さに緊張する。

一般会社からの転職希望者、すでに嘱託の身分で勤務している職員、3月卒業見込みの学生など応募者の履歴は多様。だが、応募書類の志望動機欄には、「市民のためになる仕事がしたい」という志望動機が並ぶ。

「最近は民間の介護施設が増えていますが、公設施設の介護施設職員と民間の介護施設職員とはどう違うと思いますか」と質問してみる。
応募者には、レストランの調理師や、会社法人経営の介護施設職員という現役もいた。

「公設施設では、市民のために仕事ができますが、民間では、その会社のために仕事をすると思います」と企業に勤めている青年。
突っ込みたいが、一人10分で3人の面接官がそれぞれ質問するため、一人が時間を独占することはできない。

同じ職種に携わる公務員と民間職員の違いについて問いかけることなど愚問なのかもしれない。応募した動機の「市民のため」の本質を語って欲しいと思うのは無理な願いなのかもしれない。

・・・と、何人目か、3月で専門学校を卒業するという女性が穏やかな表情で言った。

「いくつかの施設で実習をしてみて気づいたのは、介護の現場にはそこだけでは解決できない課題があるということでした。介護の政策が重要だと感じました。公設施設の職員であれば、高齢者と行政との間に入ってつなぐ役や変える役ができると思います」

私はまじまじと彼女の顔を見た。気負いのない話し方。必ずしも説明上手とは言えないが言いたいことの筋が見える。応募者の中でも最も若い女性の一人だった。
これから益々多難の時代を迎える自治体を支え、変革していくのは彼女たちのような若い感性なのかもしれない。


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5 コメント

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組織と言うか・・・・ (①&①)
2007-02-15 09:11:58
ワインさん

 私の企業創りは・・・・
20-30代 が会社を経営
40-50代 が20-30代をサポ-ト
60-70代 は会社を楽しむ

こんな夢を抱いて若者と遊んでます。
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日本の組織は・・・ (ワイン)
2007-02-16 00:11:04
①&①さん、年功序列+60歳定年退職の組織で、若者が経営感覚をもつのは難しいということですね(^^!)
返信する
ショックな話 (ken)
2007-02-17 14:26:28
県庁の職員2年目のA君は、
とても熱心な青年で
自主的に勉強会を開催し、
企画書などをまとめ、
関係各所に配布したりと
自分の仕事以外にも行政職員として
これからの県政を考え
活動をしている。

その彼がいった。

「新規採用の職員のうち4分の3は
最初からやる気がないひとたちだった。
4分の1の人たちに声をかけ勉強会をしている」

????

これは一体どういう事なのか?
この彼は、私の目から見て
それなりにバランス感覚がとれている若者だと思う。
学生時代には100人を超える吹奏楽団サークルの指揮者をやっていた。
そんな彼だから、一人鼻息荒く、理想だけを
追っかけているというようには思えない。

その彼の発言だけに、
耳から離れない。

一体どういう事なのでしょう??

公務員試験の採用の方法が
根本的に間違っているのだろうか??

私たちの生活を担う人たちが
最初からやる気がないとは・・・
どういう事なのか?

こんな話を聞かされた私は
何をすれば良いのだろう。
彼をどうサポートしてやれば良いのかと
ずっと悩んでしまっています。

私にできることは一体なんなのか・・・?

愚痴っぽくて
すみません。

返信する
25%に大きな期待 (ワイン)
2007-02-18 21:36:59
高い競争率を勝ち抜いたはずなのに「どうしてこの人が?」という人はいますね。選考試験の内容や質が問われるのでしょう(実は、私も人を見る目には自信がないのです)。あるいは、人は常に変化してしまうということなのかもしれません。が、4人に1人が動くとすれば期待は大です。たとえ10人に1人であっても、期待できる人がいることに目を向けていきたい。そうでなければ、自分のエネルギーも保てません。kenさんが育てている人たちは、小さな芽となって必ず全国で育っているはず。人を育てることは大変ですが、kenさんの元を巣立った人たちが25%の核となっていることに感動します。
返信する
そうでした (ken)
2007-02-19 17:14:07
ワインさん

そうでした。
頑張る彼をほめてやらなければなりませんでした。
そんな中で頑張ろうとしている彼らがいることは
心強いことでした。

前向きに
積極的に
ものごとに光をあてるワインさんのコメントに
気づかされました。

「40-50代 が20-30代をサポ-ト」
しなければいけないのでした。

早速、ほめて、エールを送っておきます。


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