11月14日に幕を閉じた明治神宮大会大学の部のベストナインを選定したい。高校の部が野手中心だったのにくらべ、大学の部は投手に逸材が多かった。候補を挙げよう(松山大は見ることができなかった)。
■ベストナイン候補
捕手 梅野隆太郎(福岡大3年)、君島立将(富士大4年)、木下拓哉(法大3年)、
嶺井博希(亜大3年)
一塁手 大城戸匠理(法大3年)
二塁手 河合完治(法大3年)、高橋孝司(三重中京大4年)
三塁手 大畑建人(大阪体育大3年)、多木裕史(法大4年)、藤岡裕大(亜大1年)
遊撃手 大累 進(道都大4年)、喜納淳弥(桐蔭横浜大2年)、高田知季(亜大4年)、
外野手 建部賢登(法大4年)、久保皓史(富士大1年)、中村篤人(亜大3年)、
山下翼(亜大1年)、天願陽介(富士大3年)、今塩屋雄二(福岡大4年)
投手 則本昂大(三重中京大4年)、佐藤峻一(道都大4年)、三嶋一輝(法大4年)、
石田健大(法大2年)、松葉貴大(大体大4年)、多和田真三郎(富士大1年)、
東浜巨(亜大4年)、九里亜蓮(亜大3年)
投手の候補は以上の8人だが、彼ら以外でもストレートに特徴のある升岡滉太郎(三重中京大4年)、唐仁原志貴(福岡大1年)が今後に楽しみを残した。候補8人の中ではドラフトで指名された則本、佐藤、三嶋、東浜の4人と、国際武道大戦でノーヒットノーランを記録した多和田がとくによかった。
球威で則本、三嶋、バランスのよさで佐藤、多和田、緻密さで東浜と、それぞれ特徴があったが、打者を圧倒するという部分では東浜が抜けていた。福岡大戦では6回1死までノーヒットノーランペースで、前日の多和田に続いて2日連続の快挙かと胸が躍った。
野手では捕手と遊撃手に好選手が揃った。捕手はバッティングもいい梅野に対してディフェンス型が揃い、イニング間の二塁スローイングでは君島と木下の強肩が目立ち、実戦では嶺井が桐蔭横浜大戦で2つの二盗を阻止し、実戦向きを証明した。4人は甲乙つけ難かったが、総合力で梅野が上回っていたので選出した。
一塁手は大城戸以外に競争相手が見当たらず、大城戸自身のバッティングの完成度も抜けていたので文句なく当選。二塁手は高橋の俊足は魅力だが、やはりバッティングの完成度で河合が上回り、これも文句なし。
迷ったのは遊撃手、三塁手、外野手の3ポジションだ。
遊撃手はディフェンスで目立った大累、高田より、評判の好投手、松葉貴大(大阪体育大)、九里亜蓮(亜大)を攻略してチームの優勝に大きく貢献した喜納が勢いで上回り、三塁手は知名度が高い多木、藤岡に触手が動いたが、優勝した桐蔭横浜大のエース、小野和博から二塁打、三塁打を放った大畑建人の強打のほうを取った。
外野手はやや層が薄かった。法大の突撃隊長・建部は文句なし。あとの2人はネームバリューでは亜大の2人だが、中村は絶不調で落選。山下もヒットゼロでは選びにくい。消去法で久保、天願、今塩屋が残り、成績主体で久保、今塩屋に決まった。
■ベストナイン
投手 東浜 巨(亜大4年・右投右打・181/80)
捕手 梅野隆太郎(福岡大3年・右投右打・176/78)
一塁手 大城戸匠理(法大3年・右投左打・178/74)
二塁手 河合 完治(法大3年・右投左打・175/75)
三塁手 大畑 建人(大阪体育大3年・右投左打・174/80)
遊撃手 喜納 淳弥(桐蔭横浜大2年・右投左打・174/73)
外野手 建部 賢登(法大4年・右投左打・172/71)
久保 皓史(富士大1年・右投左打・180/77)
今塩屋雄二(福岡大4年・左投左打・180/81)
準優勝の法大から3人選んだのに対して、優勝した桐蔭横浜大からは喜納ただ1人。桐蔭横浜大の全員野球をこういう部分からも納得してもらいたい。