◇6月13日(火曜日)
大学選手権/東京ドーム
大阪体育大2-1三重中京大
この原稿を書いているのは6/17の午前1時すぎ(準決勝はこれから)。この時点で大学選手権出場選手中、最も心動かされたのが三重中京大のエース、則本昂大(4年・右投左打)である。信頼するスポーツライター、西尾典文さんから春のリーグ戦の投げっぷりを携帯のメールで知らされていたので、おおよそのタイプ(自己最速154キロ)は知っていたが、選手は実際の姿を目の前で見ないと本当のことはわからないとつくづく思った。
投球フォームは古典的な本格派風、と言っていい。体全体を躍動させ(と言っても大阪体育大の宮川将のように体にブレが生じない)、バックスイングは少し体から離して内回旋。昔、こういう投げ方の投手がいたなあ、と懐かしい気分になった。
最大の長所はストレート。スピードガン的な速さ+打者近くでの伸びがあり、投げ方こそ違うが昨年のセ・リーグMVP、浅尾拓也(中日)を思い出した。東京ドームのスピードガンは最速147キロを計測。しかし、目の前にいたスカウト氏のスピードガンは常に東京ドームのスピードガンより3、4キロ高い数字を弾き出していた。東京ドームのスピードガン表示は低く抑えられ、スカウトのスピードガンは正確、というのが私の認識。とすれば、則本の実際のスピードは150の大台を超えている可能性がある。実際、そのくらいのスピード感はあった。
変化球は横変化のスライダーがあり、このときヒジを下げることがままある。もちろんよくない。他には125キロ程度のチェンジアップがあり、落差が大きくよくキレる。これらの球がもう少し精度を増せばドラフト1位の声はすぐかかるだろう。個人的には、今のままでもドラフト1位でいいと思っている。
私がこの試合で楽しみにしていたのは則本ではなく、昨年いいピッチングを見せてくれた大体大の左腕エース、松葉貴大(4年・左投左打)のほう。持ち味の立て変化のカーブ、スライダーは健在だったが、もっさりした投球フォームと低めに伸びないストレートには正直がっかりした。
※6/13の亜細亜大対八戸大、6/14の奈良産業大対大阪体育大。6/15の奈良産業大対早稲田大の観戦記は<ホームページ http://kosekijunjihomepage.com/ >に掲載します。