神様のパズル

　多分『蒼き狼』が巨額の投資を回収できないのじゃないかと思われる角川映画ですが、正確には角川春樹事務所とエイベックス・エンタテインメントが中心となった“蒼き狼地果て海尽きるまで製作委員会”製作の松竹配給。角川映画とひとくくりにすると『バッテリー』や『となり町戦争』もそうだし、『あかね空』や『初雪の恋』などと今後もどんどん公開されるのですが、角川春樹事務所として『男たちの大和』、『蒼き狼』の次に製作される予定となってるのがこの『神様のパズル』。原作は機本伸司、角川春樹事務所刊。ハルキ文庫で読みました。はるき、はるきと、春が来たかのような気分にもなってくるのですが、北陸では昨日から雪が降り始めました。

　小説は第3回小松左京賞を受賞したSF小説で、映画化決定という言葉とともに、ゲーム化決定、コミック化決定！と慌しく盛り立ててます。内容は、物理学の天才少女と理学部4年の落ちこぼれ大学生が「人間は宇宙を作れるか」というテーマで議論するといったもの。難しい物理学用語もポンポン飛び出してくるのですが、なにしろ小説は落ちこぼれ大学生の日記形式になっているので読みやすく、彼と一緒に理解していけるようになっています。中盤まではそうした物理学よりも哲学的な展開で進むけど、大きなクライマックスが想像力をかきたててくれて、不思議なほどのめり込んでしまいました。

　さらに、映画ファンであるならば、巨大な“むげん”という施設やコンピュータの映像が想像できて、俳優を自分なりにキャスティングして、どんな演出にするかと思い巡らせてしまいます。脚本家ならばぜひ自分で書いてみたくなるほど映画にしやすい部分もあるし、物理用語をどう省いていくか、構成はどうすればいいかと考えたくなるような魅力もありました。しかし、実際に映像化するのは大変でしょうね。映画化決定という話題は去年の5月くらいからあったようなので、もしかすると流れてしまったのかもしれません・・・

てなことで、勝手にキャスティングを考えてみました。
天才物理学少女・穂瑞沙羅華：谷村美月もしくは志田未来
落ちこぼれ大学生・綿貫基一：伊藤淳史もしくは加瀬亮
保積蛍：香里奈
佐倉：山本太郎
須藤：松山ケンイチ
相里：瑛太
鳩村教授：鈴木京香
森矢助教授：佐々木蔵之介
穂瑞の母親：常盤貴子
橋詰老人：仲代達矢
農家のばあちゃん：白石加代子

主演女優には『蒼き狼』にも出演したAraが有力なのですが、日本語がたどたどしいので無理かもしれません。

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