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無花果の顔

2007-01-12 08:56:14 | 映画2007
 「無花果の顔」と聞くと、山田花子の顔が無花果のように映し出されるのかと想像してしまいますが、意外と色白でした・・・

 時代はいつ頃なのだろうか、父親(石倉三郎)の使っていた移動電話やウィークリーマンションを利用しているから80年代以前ということくらいしか想像できない。しかも門脇家では黒電話を使っているし、テレビもチャンネルもガチャガチャ式である。娘の結夢(山田花子)がパソコンで原稿作成している場面へ飛ぶと時間の経過もわかるのですが、母親(桃井かおり)が父の死からようやく立ち直るのにそれだけ時間を要したことが痛々しかったりもする。

 登場人物も少ないのにも拘らず、家族の面々は不思議な会話を続けるので観客はちょっと距離を置かれてしまう。それぞれの奇妙な行動も、斜め上から撮るアングルや食卓でのわざとらしい切り替えしカットも、斬新ではあるけどテクニックのごった煮状態になっていると感じてしまうのです。また、突然幼少時の顔になる結夢の映像とか突然巨大な蟻のCGが出てきたり、最近の邦画でよく見かけるクリエイティブな映像もあります。もしかすると、この一貫性の無さはそのままファンタジックな桃井かおりの心情を表現しているのかもしれませんが、それだと花子ちゃんが置いてけぼり食らってしまいそうです。せめて「わたしはエリザベスよ!」などというギャグでもあれば微笑ましかったのに・・・

 全体的には、短編をひとつにまとめた脚本ということもあって中途半端に描かれているところも多かったように思います。個人的には石倉三郎と隣人との関係をもっと描いてほしかったですし、結夢ちゃんの戸籍も気になって欲求不満になってしまそうです。そうした疑問を投げかけると、「映画を体で感じなければだめよ~」などと言う桃井かおり監督が夢の中に現れてくるかもしれません。

 邦画でも女性監督がどんどん進出してきています。たまたま3本連続して女性監督邦画を鑑賞したことになりましたが、それぞれのちょっとした台詞のやりとりにおいても行間の意味が隠されているような繊細なタッチが感じられます。ただ、プロット自体に重きを置かないという特徴は、続けて鑑賞すると印象が薄れてくるという欠点もあるような気が・・・

★★・・・

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5 コメント

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一本限り? (ミチ)
2007-01-12 15:44:37
ご覧になったんですね~。
遠い方のサティでしか上映していないので頑張って出かけたのですが、これならイオンシネマで「赤い鯨と~」を見ればよかったなぁ(泣)
一本目は桃井ブランドでなんとかなりましたが、二本目はそうはいかないですよね。
っていうか、一本作ったらもう満足しているのかも?
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桃井ブランド (kossy)
2007-01-12 18:08:18
>ミチ様
なにかと去年の映画では活躍してましたし、旬なのだから観てしまいますよね~
「赤い鯨」は誰にでもわかるという脚本の上手さがありました。登場人物のバランスもよかったのです。
桃井ブランドかぁ~ヒットもしそうにないし、二本目なんてあるんだろうか・・・低予算だろうし、あるかもしれませんけどね・・・
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自己陶酔 (かのん)
2007-01-12 18:21:42
良くも悪くも思いっきり自分の世界に陶酔してるなって感じで桃井さんらしいといえばらしいなって思いました。芸術性にふるのかドラマ性にふるのかでもどっちつかずで中途半端な気がしたんですけど、ただ桃井さん、石倉さん、花ちゃんの3人だけで十分不思議な空気感が醸し出せてるあたりは何かスゴイなって思っちゃいました。
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ショートコント (よゆぽん)
2007-01-12 22:35:54
良くも悪くも、「桃井かおりバンザイ!!」ですよ。

EDのショートコントが本編ならすごく面白かったのでは・・・(^▽^;)
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エンディング (kossy)
2007-01-13 00:17:20
>かのん様
そうなんですよね~自己満足の世界でした。
まぁ、その世界観が好きな人ならばいいんでしょうけど、ファンでもなければ納得できませんよね。
石倉三郎もコント出身なんだし、山田花子といいコンビになったりして~などと妄想してしまいました(笑)

>よゆぽん様
エンドロールの映像は面白かった!
ジャッキー・チェンのお約束NGより良かったかも・・・
子役の女の子をもっと見たかったですよね。
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