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永遠のハバナ

2005-11-23 21:29:09 | 映画2005
 朝が来て、人は働き、学校へ行き、夜は音楽を楽しむ。そしてまた朝が来る。そんな1日を追っただけなのに、なぜだか何度も観たくなる映画。

 朝。少年の映像と字幕・・・フランシスキート(10歳)、祖母ノルマ(70歳)などと名前だけの紹介がなされる。やがて、3人、4人と名前が増えてゆく。名前の記憶力は5人までなのに・・・と祈るような気持ちで鑑賞すると、5人、6人と増えて、最終的には登場人物が12人となった。しかも台詞もない、ナレーションもない、映像だけが群像劇のように流れていくのです。聞こえてくるのは、フランシスキートくんの学校の教師の声、近所のおばさんの声、そして雑踏や仕事場でのノイズだけなのだ。

 例によって、全く予習なしでの鑑賞となり、フランシスキートくんがダウン症だともわからなかったし、ドキュメンタリーだともわからなかった。ましてや、12人が微妙に絡む壮大なドラマまで想像してしまったのです。しかし、ドラマは要らなかった。

 人々が行き交う広場にあるブロンズ像はジョン・レノンだとわかる。しかもメガネは普通のメガネだ。「そんなのかけてたら盗まれるぞ・・・」などと妄想したけど杞憂に終わる。何しろココはキューバなのだ。

 こうして何の変哲もないハバナの人々の生活は、昼から夜へと移る。彼らはスクリーンの中に生きているのです。カメラ映像は老人の皺をアップにする。音楽やダンスに夢中になる素顔の彼らを映し出す。紛れもなく生きている人間の姿。そして、1日の強弱を美しい空の色の変化で表現する。それぞれの人たちのバイオリズムさえ感じ取ることができるくらいに・・・(老人はずっと変わらないかもしれないが)。

 静寂とともに夜は更け、朝を迎え、また新たな一日を予感させる。そして、意外にもエンドクレジットで感動してしまう映画です・・・2度観たくなるという秘密もここに!

★★★★・

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ゆめ (mimia)
2005-11-23 23:31:38
こんにちは~

シネモンド今週中しかやらないもの優先で

お先に行ってまいりました。



夢?私は仕事と趣味が一緒なので幸せだなぁって。(儲かりませんが…笑)



夢?kossyさんはお仕事の後ひょっとしてダンサーとか?
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訂正 (mimia)
2005-11-23 23:41:42
ただ今デタラメ映画館に行ってきました。

で、訂正!



「夢?kossyさんはお仕事の後ひょっとして寄席とか?」



に変更してください。(笑)
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 (kossy)
2005-11-24 01:44:26
>mimia様

夢はもちろん映画評論家です(うそです)。

あー、でも笑える映画評論家ってのもいいなぁ。
返信する
ゆめ2 (M.)
2005-11-24 08:33:07
ちっちゃな夢はたくさんあるかもしれないけれど

大きなゆめはもうないかもしれない。

というか どれをゆめと呼べばいいかわからない自分が

ちょっと情けなくなります。

いい映画でしたよね。

今年一番泣けた映画でした。今のところ。

返信する
小さなゆめ (kossy)
2005-11-24 08:55:10
>M.様

俺なんて、あのおばあちゃんの言葉が・・・くすっとなったけど、自分に夢があるかと聞かれたら・・・

小さな夢でもいいですよね。

それが実現したら、

また次の夢を持てばいいんだし。



そういえば、ジョン・レノンの歌に「夢の夢」って曲があったけ。内容は知らないんですけど、彼もまた夢のために歌いつづけたんでしょうね。
返信する
あのおばあちゃん・・・ (ミチ)
2005-11-25 16:30:25
こんにちは♪

みんなの夢が語られるところ、すごく良かったですね~。

あの少年に幸多かれと祈りたいです。

あのおじいちゃん、マルクス学の教授だったとは!さすがキューバ!

でも最後のおばあちゃんの夢にヤラれました(涙)
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 (kossy)
2005-11-25 18:46:41
>ミチ様

クスっとなったって書きましたけど、

ほんとはウルウルだったのです(遅いか)。

あのシーンがほんとに短かかったので、もっと長く流してほしかったですね・・・(少泣)
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