今年は「題名のない音楽会」の司会者・羽田健太郎氏が亡くなりました・・・
音楽と言えば、トルナトーレ監督にはエンニオ・モリコーネがよく似合う。この映画でも弦楽器の美しい旋律が脳髄を刺激してくるのです。どことなく『E.T.』のメロディにも似ていましたが、ミステリアスなストーリーにも合うのだと思い知らされました。
何度となく過去の忌まわしい経験や恋人との思い出がフラッシュバックされ、主人公イレーナの謎の部分を提示していく展開。何しろ原題が“見知らぬ女”という意味らしいので、説明調の映像や台詞は全くない。観客が掴めるのは過去の記憶だけであり、他の登場人物と同様、イレーナの真意を追っていくことになるのです。
あるアパートに家政婦の仕事はないか?とそこのドアマンに交渉。20%の手数料をあげるからと、給料に拘る様子すらない。職がないわけじゃない、とにかくそのアパートの金細工商を営む裕福なアダケル家に固執しているのだ。目的は復讐?やがて、アダケル家の一人娘テアに取り入ってゆく・・・。そのテアという4歳の少女は防御本能に障害がある。メイドになることに成功して、イレーナはテアの障害を治そうと奮闘する。
テアへの異常なほどの愛情のストーリーと、地獄のような生活を強いた男“黒カビ”のストーカーぶり。徐々に明らかになる過去と、緊迫したバイオレンス。さらには絶対的な母性と、元メイド・ジーナへの贖罪がイレーナの性格をも現わしていき、観る者の感情移入も頂点に達するのです。
イレーナを演じたクセニア・ラパポルトの演技がとにかく凄い。10年ほど前の彼女はピチピチのブロンド娘で、現在がやつれた雰囲気。この2人が同一人物であることも驚きでしたが、表情の差にも女の歴史を感じてしまい、辛くなってくるほど。単なる娼婦じゃないことにも、胸が苦しくなってくるほど・・・でも、『マレーナ』ほどは苦しくならなかったけど・・・。映像でもゴミの山とか、ゴミ集積場とか、生ゴミのチェックとか・・・なぜだかゴミばかりが印象に残る。地獄のような生活に比べれば大したことなかったのかもしれませんね。
★★★★・
音楽と言えば、トルナトーレ監督にはエンニオ・モリコーネがよく似合う。この映画でも弦楽器の美しい旋律が脳髄を刺激してくるのです。どことなく『E.T.』のメロディにも似ていましたが、ミステリアスなストーリーにも合うのだと思い知らされました。
何度となく過去の忌まわしい経験や恋人との思い出がフラッシュバックされ、主人公イレーナの謎の部分を提示していく展開。何しろ原題が“見知らぬ女”という意味らしいので、説明調の映像や台詞は全くない。観客が掴めるのは過去の記憶だけであり、他の登場人物と同様、イレーナの真意を追っていくことになるのです。
あるアパートに家政婦の仕事はないか?とそこのドアマンに交渉。20%の手数料をあげるからと、給料に拘る様子すらない。職がないわけじゃない、とにかくそのアパートの金細工商を営む裕福なアダケル家に固執しているのだ。目的は復讐?やがて、アダケル家の一人娘テアに取り入ってゆく・・・。そのテアという4歳の少女は防御本能に障害がある。メイドになることに成功して、イレーナはテアの障害を治そうと奮闘する。
テアへの異常なほどの愛情のストーリーと、地獄のような生活を強いた男“黒カビ”のストーカーぶり。徐々に明らかになる過去と、緊迫したバイオレンス。さらには絶対的な母性と、元メイド・ジーナへの贖罪がイレーナの性格をも現わしていき、観る者の感情移入も頂点に達するのです。
イレーナを演じたクセニア・ラパポルトの演技がとにかく凄い。10年ほど前の彼女はピチピチのブロンド娘で、現在がやつれた雰囲気。この2人が同一人物であることも驚きでしたが、表情の差にも女の歴史を感じてしまい、辛くなってくるほど。単なる娼婦じゃないことにも、胸が苦しくなってくるほど・・・でも、『マレーナ』ほどは苦しくならなかったけど・・・。映像でもゴミの山とか、ゴミ集積場とか、生ゴミのチェックとか・・・なぜだかゴミばかりが印象に残る。地獄のような生活に比べれば大したことなかったのかもしれませんね。
★★★★・
ストーリーは単純でも描き方次第で印象が全く違ったりしますよね。ネタバレ禁止などと言われると、ついラストをわからないような記事にしてしまい、それが今となっては思い出せないもどかしさ・・・
映画としては悲惨な中にあってもわずかの幸福な未来を描かないといけないのかもしれませんね。さすがに戦争映画とか社会派映画では悲惨なまま終わってもいいのですが・・・
売春、監禁、子供を産めない体にされ、恋人を殺され、子供を奪われ、奪われた子供を探し出し、近くにいるため・・。
話としては、分かるのですが・・黒カビを刺し、金を持ち逃げし、家政婦をつき落とし・・イレーナの行動もひどくて、同情しきれない。
そこまでヤラセルなら、最後まで、悲惨さを徹底してほしかった。
子供達は臓器売買されていたことを知り、発狂し、精神病院に送られる。年老いた彼女に面会が。幸せな夢を見て、微笑みながら、まるで眠るように・・(悲惨すぎですが)
そうですよね。フラッシュバック映像だけで判断するとそんな感じ。子供ができてしまったこともミスリードするエピソードだったようだし。
日本では子だくさんのドキュメンタリードラマが多いですけど、愛情を注げないところが痛いですよね。
養子縁組の話は海外では多いけど、子供を虐待したり捨てたりする親を何とかすることができるんじゃないかと・・・どうなんでしょ・・・
ラストは想像通りのエピソードだっただけに、冒頭でのネタバレ禁止というテロップがなんだったのかよくわからなくなりました。
私、最初このお話は、大金持ちがお金にものを言わせて、自分の趣味で若い女性を選別しているのかと思ってしまいました。ハーレムみたいなものを作るのかと・・・。
ところがところが、とても壮絶なお話でしたね。
こんなひどい世界があるなんて・・・。後半で、彼女が産まされた子供の数を聞いたとき、失神しそうになりました。ただ一人、愛した人との間にできた子供に執着を持ったのもわかる気がします。
ラストはきれいに仕上げてましたね。単純ですが、ほっと救われた気分になりました。
今年もいろいろとありがとうございました。
年間ランキングの時期でもありますが、選んだもののどうもしっくりこないんです。
この映画はどちらかというと女性の評価が高いんじゃないでしょうか。ミステリーといい、女性視点といい、新境地なのでしょうかね~
>mig様
これは凄い映画でしたよね。
衝撃的な過去映像はもっと小出しにしたほうが良かったのかな~とか、子供が何人も・・・という設定にどうもしっくりこなかったんです。やっぱり男だからかな。
>とらねこ様
何気にいい音楽番組なんですよね。
どうしても見たいゲストの時だけしか見ないんですけどね・・・
あ、現在の体がボディ・ダブルだったんですかぁ~俺はてっきり過去の体がボディ・ダブルか特殊メイクだとばかり・・・(汗)
しかし、変わり方が凄かったですよね・・・
>祐。さま
邦題は一種のだましだったのでしょうかね。
冒頭からイレーナが謎めいていたので、原題ならしっくりくると思うのですが・・・
生ゴミのシーンは凄かったですね~そこまでしてメイドになりたいのか!と。
血のつながりよりも、「生みの親より育ての親」というものが感じられました。まぁ、それも血縁が最初にありきだったわけですが・・・
とは言え、ストーカーに近い行為での接近や、ごみあさって家庭環境を知る執念は怖さが有りました。
底辺に流れるのは、血縁の強さでしょうか。人間、言葉も環境も宗教も違うのにどの国に生まれても、血縁を求める強さは同じだなぁと思いました。
クセニア・ラパプルトの裸は、「現在」の方は、別の方の裸でしたよねぇ。
過去のはこの人のものですよね、こうした細かいボディ・ダブルぶりに、演出の確かさを感じました。
kossyさん、わたしもこれ好きでした
ベスト&ワースト楽しみにしてまーす♪
年間ランキングなど考えておられるでしょうか?
私もそろそろ・・・と思っているのですが、オダジョーの電撃結婚でかなり動揺しております(笑)
この作品もベストテンに入れるかどうか迷うところです。
かなり衝撃的でした。