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誰も知らない

2004-09-28 09:11:45 | 映画2004
 純粋に、こどもたちの演技に感動。
 映画の根本的なコンセプトはドキュメンタリータッチに求めて、子供たちが持つ素直な笑顔や自然に出てくる会話。台本を渡さずに演技を説明しただけという監督の勝利。しかも撮影までに2ヶ月間、子供たちとスタッフが心打解けあうまで徹底したということだ。映像にも監督独自のこだわりが見られ、つぶやいている光景を引いて撮ったり、あくまでも自然さを求めた演技内容。どれもこれも新鮮でした。

 長男の柳楽くんはカンヌ映画祭の男優賞という輝かしい実績を作ったのであるが、個人的には長男より、次男や末っ子のゆきちゃんの笑顔の方が好きです。特にラスト近くのゆきちゃんの笑顔は、2回目を観るとより感動できるかもしれませんね。

 これだけ評価の高い映画ではあるが、メッセージも社会性もこの映画では訴えていない事実(監督談)に引っかかり、観客の感じ方が様々であることを利用した問題提起の映画に過ぎないような気がしてならない。

 ちょっと引いてしまったのは、中途半端な優しさで接する偽善的な大人たちだ。映画の中では、いい人間に描かれているような気がして疑問符が打たれる。見て見ぬ振りをする都会ならではの一見冷たい人間関係の方が温かく感じられることもある・・・(謎)

見所は、アポロチョコレート。最後の一個は泣けます。

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16 コメント

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同じく・・ (Cocco)
2004-09-28 15:49:39
他タイトルでのTBありがとうございました(ブログ自体に感想をあげていなくて申し訳ありません)



誰も知らない、本当に子供達よかったですよね。

声変わりが撮れったてことも驚きでした。

そしてわたしも「問題提議の映画」だと思いました。



うちはこの映画を観て、日本の映画にお金出すんもったいないっていう思い込みがなくなりました。なんでセカチューのほうが売れてるのか、うちにはさっぱりわかりませんが(笑
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Unknown (☆お散歩☆)
2004-09-28 19:35:06
こんにちは!



子供たちの演技力すごかったですね。

かなり自然で、いい演技してたと思いました。



>これだけ評価の高い映画ではあるが、メッセージも社会性もこの映画では訴えていない事実(監督談)に引っかかり



そうですね、映画の感じ方撮り方は、人それぞれで、

あえて、それで深く考えさせられる映画だと思いましたね。
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偶然 (あおい)
2004-09-28 23:05:17
私も観ました。

個人的に子供たちに感情移入すると

コンビニで万引きに間違われたとき

警察につれてってれば・・・とか

コンビニの裏から残り物あげるんじゃなくて

福祉局に連絡すればとか

アパートの管理人さんも家賃のことでもっと言及すればとか

助かる道は沢山あったのに現代の孤独みたいのが

どこで誰が何してても誰も知らない状況を作り出してて

救うすべはあったのに虚しくなりました。



どんな子になるかは親しだいなのかなと感じました。
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どこかで救えたはず・・・ (kossy )
2004-09-28 23:35:14
>Coccoさま

あの声変わりって、まじの変声期?

どうなんだろ・・・俺自身そんなに声が変らなかったので、どうなんだろうかと迷ってしまいました。

でも、1年かけて撮ったのだったら、監督の狙いでもあったのかもしれませんね。



>お散歩さま

最近の日本映画って、子役がダメですもんね(親が一生懸命に芸能界入りさせようとする等があるため)。

そのために余計に光って見えたのでしょう。

是枝監督のそれまでの作品が未見なので見たくなっちゃいました。



>あおい様

全く同感!

いくつかのチャンスはあったのですよね。

あのコンビニの二人にしても、

いい風にとる方もいるのでしょうけど、

「お母さんがまだ帰ってこない」ことを知ってるんだから、中途半端な優しさなんですよね。

このあたりの描写をもっとわかりやすくしてくれれば、最高の映画になったのになぁ~
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Unknown (yoneda)
2004-09-29 00:06:50
トラックバック返しありがとうございました。

中途半端な優しさは偽善か否か?難しいところですね。

明はタテタカコさん演じるコンビニの女の子に

「前に施設に入れられてみんなバラバラにになったから。そのときすごく大変だったから。」

と行政への助けを拒む理由を説明しています。

大人の常識では経済的な安定を何よりも大事と考えるわけですが、この映画の子供たちは「家族が一緒にいること」が毎日ごはんが食べられないことより、学校へ行くことよりずっと大事だった。

観客が受けるジレンマも含めて、「何が子供にとって一番必要なのか?」を問い直すのが監督の狙いだったのではないかと思いました。無関心でいることって暴力だなーとも。
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Unknown (AKIRA)
2004-09-29 10:58:58
ロングランしているようで嬉しいです。



心配はしていても踏み込むまでには至らない,

自分の事で精一杯な大人たちへの警鐘でもあると感じました。
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偽善か否か・・・ (kossy)
2004-09-29 15:53:55
>yoneda様

難しいですよね。

設定意外は全て是枝監督の創作なので、色々考えてしまいました。子供たちが求めているもの・・・完全に子供の目線で見ないとわからないのでしょうね。。。



>AKIRA様

自分のことで精一杯かぁ・・・

生活がぎりぎりのレベルになると、自分のことしか考えられないし・・・こうなると社会そのものの貧困も考えなければいけないなぁ。
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Unknown (るるる@fab)
2004-09-29 18:44:14
問題や社会性を問えば、誰がどうみたって社会のシステムそのものが歪んでいることは明白だし、母親を含めた大人達が悪いって事は明らかだから敢えてそういう視点を排除したんじゃないかしら。

犯人探しをしたかったわけじゃないのかもしれません。

彼は撮影中に声変わりしたそうですよ。
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声変わり (kossy)
2004-09-29 19:04:15
>るるる様

貴重な情報ありがとうございます。

犯人探し・・・確かにおっしゃるとおりですね。

映画について人と議論していると、必ずこっちの方に行ってしまいますので、ついつい反れちゃいました。

純粋に母親と子供たちの目線の高さに持っていくこと・・・この映画ではこれが大切ですね。

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茂好き。 (Ichi)
2004-10-03 08:35:11
ゆき役の子も素晴らしいと思いましたが、個人的には茂がお気に入りです。 いつものひょうきんな態度と、ラスト近くの静かな態度とのギャップにやられました。



アポロチョコレートは、『火垂るの墓』のドロップを連想させました。 僕もああいうのにぐっと来ちゃいます。
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