トニー滝谷の名前は、本当は“トニー谷”を参考にしたのではないのか?予告編を初めて見たときには、すっかり“トニー谷”の伝記だと勘違いしていた・・・
父正三郎のシーンや、全編に渡るオフィスと小高い丘を上手くとらえた外の映像。孤独を表現するかのような坂本龍一のピアノのメロディ。これがトニーに内に潜む心理変化(孤独の時代と、幸福であっても孤独になったときの恐怖)に妙に合っていた。また、衣装部屋のブランド物で埋め尽くされた華やかさと、売り払った直後のがらんとした様子の対比。一瞬、独房で臥していた父正三郎のシーンをダブらせるところでは、座席の後ろから“孤独”という幽霊に抱きつかれたような奇妙な感覚に陥ってしまいました。75分という短い映画であるにもかかわらず、登場人物の心の波が押し寄せてくるとは、見事な映像表現でした。
原作も脚本も知らないのでわからないのですが、募集広告でやってくる久子(宮沢りえ二役)は妻英子と瓜二つだったのでしょうか?彼女を面接したときのリアクションから察すると、驚きの表情が全く感じられなかったのでそっくりじゃないと思ったのですが、もしそっくりだったのなら、ラストのシーンでのトニーの思いきった行動も若干違った心理になると思うのですが・・・
★★★・・
父正三郎のシーンや、全編に渡るオフィスと小高い丘を上手くとらえた外の映像。孤独を表現するかのような坂本龍一のピアノのメロディ。これがトニーに内に潜む心理変化(孤独の時代と、幸福であっても孤独になったときの恐怖)に妙に合っていた。また、衣装部屋のブランド物で埋め尽くされた華やかさと、売り払った直後のがらんとした様子の対比。一瞬、独房で臥していた父正三郎のシーンをダブらせるところでは、座席の後ろから“孤独”という幽霊に抱きつかれたような奇妙な感覚に陥ってしまいました。75分という短い映画であるにもかかわらず、登場人物の心の波が押し寄せてくるとは、見事な映像表現でした。
原作も脚本も知らないのでわからないのですが、募集広告でやってくる久子(宮沢りえ二役)は妻英子と瓜二つだったのでしょうか?彼女を面接したときのリアクションから察すると、驚きの表情が全く感じられなかったのでそっくりじゃないと思ったのですが、もしそっくりだったのなら、ラストのシーンでのトニーの思いきった行動も若干違った心理になると思うのですが・・・
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私も原作読んでないのに・・・ですが、そっくりではなかったのではないでしょうか。
映画の中でも、トニーは妻とサイズが最も近い女性を選んだとしか言っていないので。
出演者をミニマムにする(その他もすべてミニマムですが・・・)という演出上、イッセーさんもりえちゃんも二役やっただけで、顔が「そっくりな」という設定はなかったのだろうと理解しています。
ラストも、亡き妻の面影を追ったのではなく、やっぱり、あの部屋で、あれほどの存在感を残して姿を消してしまった主を思って涙する経験、喪失感を一瞬でも共有した女性への、新しいつながり、共振みたいなものをつなげていこうとしたんだと、前向きに。
長くなりました。以前書いたもの、トラバしますね。
TBありがとうございます。
原作を読んだ方に「そっくり」かどうかを質問しまして、そっくりではないことがわかりました。
イッセー尾形の経験に涙してましたもんね。
俺も洞察力が足りなさ過ぎだと反省しております(汗)
というか、文面通りだったってことですよね。
ふ~~、反省。
で、お書きになった通りなんですが、しかも、特徴のない顔とか、まあ、ぱっとしない女ってことになってるし(^^;)
ほんと、原作の文章がナレーションにそのままというのが多くて、朗読劇っぽい印象は当たってたんだと感じました。
で、映画のラストは、原作のその先まで描いてたこともわかって、このきっかけで読んでみて良かったです。印象的なことばもいくつかあったので。
・・・が、この映画は、全くの別人を同一人物が演じるというところが重要なんだと思います。
一生懸命に演じるほどに違和感が発生する演出をもって、演じるとは?を俳優にも観客にも強く意識させ、考えさせる・・・
どうもありがとうございます。
顔までは似てないということがわかった段階で、
やはり宮沢りえは上手い!ということを再確認しました!
こうやって考えると、ストーリーよりも俳優を演技を重視した映画だったってことですね・・・・
こちらこそどうもありがとうございます。
本当に○○だった・・・
流行語大賞候補になるまではヒットしませんでしたけど、いいフレーズでしたね~
この映画も原作が知りたくなる作品でした・・・
来年もよろしく。
映画とは関係ありませんが、昔、トニー谷の伝記のさわりのようなものを、どこかで見ました。ボードビリアンとして、この人ほど、歴史に翻弄された日本人はいないと思っています。
僕が、制作者なら、この人を縦軸にして、日本を描いてみたいな、とマジに思っています。
参照
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%BC%E8%B0%B7
歴史に翻弄。
う~む、なかなか興味深い人だったんですねぇ。
ソロバンをチャカチャカやって漫談する様子は「日本初のラッパー」とも噂されているところも面白いです。
なのに?だから?鑑賞後、気持が引きずられ、落ちてゆく。
あまり引きずられたくない作品でした。
恋をし、孤独を知り、孤独を恐れる男と、心の飢えを、物欲で埋めようとする女が、結婚するが、愛を育めない。
親や妻と死別したとき、男は、形見すら、大切にできない。
悲しい。
ラスト、男は、父と同じ、死と紙一重の独房に監禁されているのではなく、扉が開き、扉からは光が差し込む部屋にいて、感受性豊かな2人目の女に電話する。
希望が描かれているけれど、女を引き付ける魅力が描かれていないため、同情では・・と、更に悲しい結果を想像してしまう。