いいか、よく聞け!不倫騒動と借金地獄によってこのカプセルホテルは一気呵成に沈んでいくんだ!
男の闘いを描き続けてきた阪本順治監督が意外にも女性の日常を描いた作品。『亡国のイージス』によって疲れきったので女性を描きたくなったのだろうか。しかも桐野夏生原作作品を自身で脚本化したのだそうだ。そのおかげで監督の思惑もピタリとはまり、登場人物に生命を吹き込んだかのような印象さえ残ります。そういえば、『どろろ』、『幸福な食卓』、本作品と、最近観た映画で亡国の面々が亡くなってしまう・・・男なんて信用できない!といったところが、映画にも表れてました。
59歳の女性が4人という、団塊の世代を強烈にアピールする映画となっていましたが、彼女たちの青春時代のフィルムを映写したり、最後に『ひまわり』を大写しにするほど大胆な手法により、“団塊の世代のニュー・シネマ・パラダイス”とも感じ取れました。しかも女優陣が凄いのです。風吹ジュンは今年の主演女優賞を総なめする予感さえするほどの演技だし、三田佳子の大女優っぷりも後半に炸裂する。そして加藤治子の謎めいたカプセルホテル住人がとてもよかった。絶妙だと思われるのが、ベテラン歌手の由紀さおりと今陽子を配したところでしょうか・・・ハレルヤコーラスで、入っていけなかった風吹ジュンというシーンが特に・・・
男たちはダメダメな部分ばかりが目立つようになっていました。浮気したという事実よりも「家具のようだ」と評した寺尾聡や、玉が燃えなかった林隆三、遺産相続のことしか頭にない田中哲二とか・・・俳優にまかせっきりで作るような森田芳光監督とは大違い。俳優のイメージ通りに脚本を書き演出した阪本監督の勝利でしょう。
魅了させられるシーンは満載でしたけど、細かなエピソードはちょっと詰め込みすぎだったかもしれません。主人公は仲良しの同級生との交流が続いていたのでまだ幸せそうに見えますが、それでも辛いことだらけ。そんな風吹ジュンの心理変化が手にとるようにわかるし、彼女が家事に専念させられたという古い家長制度のような家族の犠牲者であったことも伝わってくる。肉体は衰えても魂は萌える!団塊の世代の方は観るべき映画なのかもしれません。
★★★★・
男の闘いを描き続けてきた阪本順治監督が意外にも女性の日常を描いた作品。『亡国のイージス』によって疲れきったので女性を描きたくなったのだろうか。しかも桐野夏生原作作品を自身で脚本化したのだそうだ。そのおかげで監督の思惑もピタリとはまり、登場人物に生命を吹き込んだかのような印象さえ残ります。そういえば、『どろろ』、『幸福な食卓』、本作品と、最近観た映画で亡国の面々が亡くなってしまう・・・男なんて信用できない!といったところが、映画にも表れてました。
59歳の女性が4人という、団塊の世代を強烈にアピールする映画となっていましたが、彼女たちの青春時代のフィルムを映写したり、最後に『ひまわり』を大写しにするほど大胆な手法により、“団塊の世代のニュー・シネマ・パラダイス”とも感じ取れました。しかも女優陣が凄いのです。風吹ジュンは今年の主演女優賞を総なめする予感さえするほどの演技だし、三田佳子の大女優っぷりも後半に炸裂する。そして加藤治子の謎めいたカプセルホテル住人がとてもよかった。絶妙だと思われるのが、ベテラン歌手の由紀さおりと今陽子を配したところでしょうか・・・ハレルヤコーラスで、入っていけなかった風吹ジュンというシーンが特に・・・
男たちはダメダメな部分ばかりが目立つようになっていました。浮気したという事実よりも「家具のようだ」と評した寺尾聡や、玉が燃えなかった林隆三、遺産相続のことしか頭にない田中哲二とか・・・俳優にまかせっきりで作るような森田芳光監督とは大違い。俳優のイメージ通りに脚本を書き演出した阪本監督の勝利でしょう。
魅了させられるシーンは満載でしたけど、細かなエピソードはちょっと詰め込みすぎだったかもしれません。主人公は仲良しの同級生との交流が続いていたのでまだ幸せそうに見えますが、それでも辛いことだらけ。そんな風吹ジュンの心理変化が手にとるようにわかるし、彼女が家事に専念させられたという古い家長制度のような家族の犠牲者であったことも伝わってくる。肉体は衰えても魂は萌える!団塊の世代の方は観るべき映画なのかもしれません。
★★★★・
回想や会話の中にしか登場しない寺尾聡さんが物語上で終始大きな存在感が感じられたのがミョーに不思議でした。
久しぶりに女優の演技が凄い!と思える作品でした。
去年は蒼井優ちゃんはじめ、若手の活躍しかなかったですもん。
風吹ジュンと三田佳子の対決なんて、手に汗握るような演技だったし、息子に対して怒るシーンも凄かったですよね。
寺尾聡は特別出演扱いなんでしょうかね・・・この男が家具と言ったのか!!!て感じだ。
ディテールまで丁寧に描かれた演出によって、絵空事ではない血の通った見応えのある映画となっていました。
それにしても蕎麦屋での対決シーンは、まさにバトルでありました。
いや、どうせならトヨエツ出演作、全部やってください。
風吹ジュン、凄く良かったです。蘇る金狼見たくなって来ました。(まだ子供だったんで観てはいけない感情あったんですよね~……)
ヾ(@^▽^@)ノわはは
やっば監督は私みたいな見方をする奴を意識してくれたと信じてます(爆)
原作半分読み終えましたが、ほとんど忠実に脚本化されてます。
女優陣素晴らしかったね。ほぼ59才なのは由紀さおりで、藤田弓子と風吹ジュンは七歳ほど違うみたいです。
「亡国のイージス」ははずしてしまったこともあってか、今作は大変満足でした。
男から女に変わっただけで、対決シーンというのは阪本監督に欠かせないものなんですね~
>八ちゃん様
にら様が書いてくれなくなったので、ついつい調子にのってしまいました・・・(汗)
そろそろやめようと思います(笑)
昔は風吹ジュンなんていうと、下手な歌、下手な演技と自分の中では定番だったので、昔のはどうなんだろ・・・そういう先入観があったため、むちゃくちゃ驚きましたよ!
>しんちゃん様
終盤の壁紙を貼りなおすシーンですよね!
いやぁ~比べちゃいましたよ。
常盤貴子のプリっとしたヒップがまぶしかったです(笑)
原作と大きく変わったのは『ひまわり』と職業だけなのかもしれませんね。夫を取られたというテーマとも似ているし、なかなかいい映画を選んだものだと・・・権利得るまではかなり苦労したようです。
自分で見つけたというのも、なにか求める心があったのでしょうね~戦いに疲れた男だからこそ、やさしく見つめることができたのかもしれません。
そうかぁ、昔の風吹ジュンを脱皮。
大人になってから大女優になるパターンかな。
気は早いですが、年末の賞レースも楽しみになってきたりします(笑)
SMAPの中居くん状態だったので(ぉ
思わず、彼女の歌声は?っと耳を澄ませてりしてました。
59歳の日常・・・いつか来ちゃうんだけど(笑)
敏子さんの仕切りなおし人生、素敵だなぁ~っと思いました。
さすがに、風呂婆に1万も2万も払うことはないでしょうが(笑)
冒頭のイージスネタ、思わず手をたたいてしまいましたよ。
座布団3枚!(笑)
自分で読み直しても意味不明の亡国ネタに拍手をいただき、まことにありがとうございました!他の映画のネタバレを怖れて、何を書いてるのかわからない人も多いのではないかと反省しております。
風吹ジュンの歌が聞ける!と思った瞬間にアレでしたから、上手い演出だな~なんて思っちゃいましたよ~
風呂婆に金を払うところは、おいおいそりゃないだろうと思ったものですが、それくらい彼女の心境が落ち込んだものだったのでしょうね(笑)
なんだかこれ見て、久々に溜飲下がったというか、やっぱおばちゃんだよ!みたいな。
ジュンちゃん、昔はプッツン女優でしたが、すっかりおばさんが板についてしまいましたね。
恐るべきは加藤治子様です。
ほんと、森田監督にはいろいろと再考してもらいたいもんです。
そうなんですかぁ~
おばちゃん撮らせれば・・・気付かなかったです。
そして風吹ジュンもおばさん女優の仲間入りを果たした映画となりましたね。それでも若さを感じてしまいましたけど。
つい「阿修羅のごとく」を思い出すような設定だったので森田監督の名前を出してしまいましたが、あの映画の評価が高めなのは絶対におかしいです。「海猫」でもそうでしたが、完全に俳優の演技に頼ってるだけの映画ですよね。
ベテランさんがたくさんで、久しぶりに濃い感じを楽しみましたが、これでもか!という登場には詰め込みすぎの感も。。。
監督は、桐野さんから「男の都合の良い目線からの女」として描かないことだけを注文されたとか。
女の戦いは男の想像以上に。。。なのですわ。
ベテラン勢の中に混じってなぎら健壱が頑張ってましたよね(笑)笑わせてくれました。
たいむ様もやはり詰め込みすぎ感を・・・
そういや男性監督が女性作品を、女性監督が男性作品を撮るってのが結構いいかもしれませんよね~