インスタ映えする背景で・・・
映画とは関係ない個人的な話になりますが、グーグルマップを楽しんでると、自分の家まで写真に撮られていたことが驚きでした。車庫にある自分の車までハッキリと写っています。さすがにナンバープレートにはぼかしてありましたが、こんな所まで撮られているのかと、恥ずかしいやら腹立たしいやらで言葉で表せないほどの心境に。しかし、世の中にはインスタグラムなどでわざわざ自分の顔を晒してしまうことも流行っている。背景にある様々なモノで地域が特定され、個人情報さえも抜かれていることに気付かず・・・
SNSの巨大企業“サークル”に入社したメイ(エマ・ワトソン)が主人公。最初は顧客に対応する部署に配属されたが、趣味のカヌーで海に出た時に転覆事故に繋がり、それを目玉みたいな小型カメラで撮られていたため、アザラシを観測していた人から連絡が入り、すぐさま救助された。それをきっかけに、メイは日常生活を全て記録し、世界中に映像発信される“シー・チェンジ”のモデルケースに選ばれるのであった。
覗き見サイトみたいな題材は以前からも描かれていたので、目新しいものではない。それよりも目玉サイズのカメラの方が気になってしまいます。どこかに仕掛けられてないかとか、監視カメラシステムよりもはるかにバレにくいほど小さい未来的カメラ。社会で隠しごとのない「透明性」を高めることができるというものだ。実際にはさらに進んだ“ソウル・サーチ”という顔認証システムも併用して、捕まっていない犯罪者を20分以内に捕らえるというシロモノ。これが凄かった!ソウル・サーチの能力をもっと試そうと、メイの幼馴染みであるマーサーが選ばれてしまい、彼を捕まえようとするあまり、事故死に繋がってしまう。
サークル社の会議で選挙の投票率を上げるためサークルに強制登録しようという意見もありましたが、パソコンもスマホも使ったことのない人が大勢いるのだから、さすがに無理だろう。そんなことをしたら、誰に投票したかもわかるようになり、少数意見の者が排除され、全体主義にまで発展するはず。政治家の不正を正すなんてのもエピソードにありました。しかし、本当に利用したいのは政治家のトップであろうし、そんな小者を捕まえたところで世の中が変わるはずもない。日本で考えると、直ちに共謀罪に利用されるだろう。
映画ではマーサーの死から立ち直ったメイが経営者のイーモン・ベイリー(トム・ハンクス)らにシー・チェンジを取りつけ、会社経営の透明性を求めるという結末になるが、ドローンが飛び交う中でメイ自らも透明性の中に浸っているラストが不思議だった。というか、自ら透明性を受け入れることで何も訴えてこない印象になった。
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