君は母べえを見たか?
今から30年ほど前、チョコベーというお菓子があった。不思議感のある画期的なCMがヒットしたためチョコべー遊びも流行ったし、友達の名前に“ベー”をつけて呼び合ったりするほどだったのです。残念ながら食べた記憶はないのですが・・・
昭和十五年の野上家では、文学者である父親・滋(坂東三津五郎)のユーモアにより、互いに“べえ”をつけて呼び合っていた。その父親が思想犯として特高に検挙されるという悲しい内容にもかかわらず、家族は周りの温かな人たちに恵まれ、娘たちも明るくたくましく育っていく様子が印象的な映画でした。
たとえば『はだしのゲン』のように、同じく反戦を唱えたために特高に捕まり、近所の人たちからも非国民扱いされて悲劇を強調する作品でもない。また、苦難を乗り越える強き母親像を表に出す作品でもないのです。物語の根底にある反戦思想は同じであるにしても、人間の温かさを前向きに捉えたような・・・特に戦争推進派(?)のような隣組の組長さん(でんでん)などはこの温かさを象徴するようなキャラクターでもあり、時には信念を押し殺してでも、人との絆がいかに大切であるかを丁寧に描いていました。
主人公母べえを演ずる吉永小百合はすでに60歳を超えているのに、30代であっても違和感がない。型破りの叔父仙吉役である笑福亭鶴瓶よりもずっと若く見えるのです。さらに、サユリストをも満足させるかのような、世間知らずのお嬢様風であったり、男の好意に対する鈍感ぶりという一面も見せてくれる。そして、夫の元教え子である山ちゃんを演ずる浅野忠信がとてもよかったし、壇れいも『武士の一分』に続き好演。
子役2人に関して、世間的には長女初子役の志田未来(みらい)の評判がいいようですけど、個人的には次女照美役の佐藤未来(みく)のほうがすごいと思った。自然に口の横にごはんつぶを付けるところや、コロッケを取るタイミングの良さや、カステラを我慢するところなど・・・演出の力なんだろうけど、上手くこなしすぎでした。
全体的には原作者野上照代の自叙伝ということもあって、特高取り調べの拷問だとか戦争の悲惨さそのものは描かれていない。そして、衣装などが綺麗すぎることや子供たちも健康そうだったことなど、なぜか違う時代を見ている錯覚にも陥ってしまいました・・・それでも泣けましたが。
★★★★・
・参考1
・参考2
今から30年ほど前、チョコベーというお菓子があった。不思議感のある画期的なCMがヒットしたためチョコべー遊びも流行ったし、友達の名前に“ベー”をつけて呼び合ったりするほどだったのです。残念ながら食べた記憶はないのですが・・・
昭和十五年の野上家では、文学者である父親・滋(坂東三津五郎)のユーモアにより、互いに“べえ”をつけて呼び合っていた。その父親が思想犯として特高に検挙されるという悲しい内容にもかかわらず、家族は周りの温かな人たちに恵まれ、娘たちも明るくたくましく育っていく様子が印象的な映画でした。
たとえば『はだしのゲン』のように、同じく反戦を唱えたために特高に捕まり、近所の人たちからも非国民扱いされて悲劇を強調する作品でもない。また、苦難を乗り越える強き母親像を表に出す作品でもないのです。物語の根底にある反戦思想は同じであるにしても、人間の温かさを前向きに捉えたような・・・特に戦争推進派(?)のような隣組の組長さん(でんでん)などはこの温かさを象徴するようなキャラクターでもあり、時には信念を押し殺してでも、人との絆がいかに大切であるかを丁寧に描いていました。
主人公母べえを演ずる吉永小百合はすでに60歳を超えているのに、30代であっても違和感がない。型破りの叔父仙吉役である笑福亭鶴瓶よりもずっと若く見えるのです。さらに、サユリストをも満足させるかのような、世間知らずのお嬢様風であったり、男の好意に対する鈍感ぶりという一面も見せてくれる。そして、夫の元教え子である山ちゃんを演ずる浅野忠信がとてもよかったし、壇れいも『武士の一分』に続き好演。
子役2人に関して、世間的には長女初子役の志田未来(みらい)の評判がいいようですけど、個人的には次女照美役の佐藤未来(みく)のほうがすごいと思った。自然に口の横にごはんつぶを付けるところや、コロッケを取るタイミングの良さや、カステラを我慢するところなど・・・演出の力なんだろうけど、上手くこなしすぎでした。
全体的には原作者野上照代の自叙伝ということもあって、特高取り調べの拷問だとか戦争の悲惨さそのものは描かれていない。そして、衣装などが綺麗すぎることや子供たちも健康そうだったことなど、なぜか違う時代を見ている錯覚にも陥ってしまいました・・・それでも泣けましたが。
★★★★・
・参考1
・参考2
山田洋二監督には戦争映画は似合わないと思ってきましたけど、戦争を背景にした人情ドラマなら今後も作り続けてもらいたい。
やっぱり人と人との繋がり、日本の美しさを描いてくれることを期待しましょう。
【たそがれ】は少し地味だな~と感じました。男女・夫婦・人間関係の『信頼』『信念』『頑固さ』、『人情』『優しさ』『静かな強さ』、数字ではあらわせないモノや、優しさ、気持、行動、美しさ、温度を、視覚化してくれる。
日本人の美徳や価値観が変化してゆくなかで、やはりいい!美しい!と再確認させてくれる気がします。
海外進出してチンギス・ハンの役をやったり、色んなことにチャレンジしてますよね~今までは仰るような独特なキャラが多かったけど、今後は普通の俳優として注目したほうがよさそうですよね。
山田監督は戦争映画よりもこうした映画がよく似合うというか、いきなり作風は変えられなかったのでしょう。「たそがれ」のときも時代劇を撮るというのでセンセーショナルだったのを思い出します。
夫婦仲ももうちょっと描いてほしかったですよね。
浅野さんとオダジョウさんは、(私の勝手な印象なのですが)、色気のある役をやらせたら、右に出る人はいない、ユルユルダルタル系の今ドキ代表の役者サン。
この役は彼?なのかな?と違和感が拭えませんでした。
第二次世界大戦(一番苦労した時)の描写の少なさは斬新だと思いました。
あの世でなんか会いたくない!この世で会いたい!も、強烈なボディーブローでした。
で、作品はとてもよかったのですが・・あの、揺るぎない、夫婦の絆・信頼・思想・信念は、どのように育まれたのか?
二人の出会い・恋愛・結婚を詳しく知りたいです。
ご自分の名前はあったのでしょうか?
俺は買った記憶すらないのですが、友人の話を聞く限りでは、自分の名前がなかった・・・
ていうか、そのころは仮面ライダースナックに負けてたんじゃないでしょうか。
さすがに奈良のおじさんは寅さんみたいなキャスティングでしたが、山ちゃんが健さんだとは!
ううむ、ナイスです。
結構高いお菓子やってんね~。
この映画はツボにはまりました~。
吉永小百合映画と思ってたんですが、山ちゃん+奈良のおじさんが、寅さん+建さんになってるとは思いませんでした~。
いや、そうでもなさそうです。
ほとんどの方が吉永小百合の年齢に違和感を覚えているようですから、心配には及びません。
俺はそうなる世論の逆のことを書こうとしただけであって・・・その心意気を評価したくなっただけです。
俺としては団塊の世代のサユリストさんの意見をもっと聞きたかったりして・・・(笑)
吉永小百合・・・綺麗だとは思うのですが、
うちの子と大した違いのない子供を見て
どうしても納得いかなった私は心が狭いかも。(笑)
やはりケント様も次女を支持?
志田未来ちゃんのほうはこれまでの実績もあるし、安心して見てたけど、佐藤未来ちゃんのほうは驚きでもありました。
たしかに山田作品は強く反戦を訴えるようなエネルギッシュな作品は似合わないかもしれないです。それでも根底にはそうした考えが根付いているので安心させられますよね。
ああいう父親というのは死んでからずいぶん経ってから評価されるものであって、リアルタイムでは反発のほうが大きいんですよね。まぁ、それも父親としてではなく意志を貫いた一人の人間としてなんでしょうけど・・・
次女の役をやった子役の子、当時の末っ子のイメージをとても見事に表現していましたね。演出が良かったのでしょうが、末恐ろしき女優の卵だと思いました。
あと鶴瓶のおじさんと、山ちゃんの暖かい人柄が良く描かれていたと思います。山田監督は反戦的な映画より、アットホームな映画に的を絞ったほうが良い作品が出来ると思いました。
今の時代から見ると、家族を放り出して自分の思想だけに価値観を見出す父べえは、余り共感出来ませんね。それなら独身を通すべきです。父や恩師のほうがまっとうな気がしたのは、私だけでしょうか。
‘bijomaru’ってのは怪しんですかね、うまくTBはれません、スミマセンです。
いつも凄い映画監督だと思っています。しかもインタビューではいつも控え目なコメント。
時代劇三部作なんて普通の大御所ならチャレンジしないことも大胆に決行。自ら鞭打って映画の道を切り開いていってる方だと思います。
何ども泣いてしまいましたけど、やっぱり山ちゃんとの別れのシーンが辛かったですよね。
>motti様
まぁ永遠のアイドルなんですから、しょうがないかと思います。同世代の俳優さんもどこかで頑張ってるはず!
>ミチ様
実年齢を知らない人っていないんじゃないかと思うほど有名ですよね・・・年配の方たちも心配してたんじゃないかと・・・
若いころにも泳ぐシーンってありましたよね?
100本以上の映画をチェックする気力はありませんけど、あったはずだ~~
さすが国民的女優ですね~。
吉永さんは水泳が得意なので、あの海のシーンを用意したのかと勘ぐってしまいました。
「カステラ・・・」「お肉食べたかった・・・」
が本気の声のように聞こえました。^^;
山田洋次監督の演出力って凄いですね。
山ちゃんが母べえを見て,
羨ましいなと思った瞬間の表情に涙を誘われました。。
たしかに俺もそう思ってた。感動コメントでも「凛とした」「強い母親」なんて言葉が出てくるし、その違いにびっくりしてしまいました。
基本的にはお嬢様風であり、弱いお母さんなんだと思いますけど、それでもしっかりと家族を支えていたというとこが良かったです。
>たましょく様
吉永小百合の昔の映画はいいですよ~
俺なんて絶対にファンになってるだろうな。そう思わせるほど魅力たっぷりなんです。
浜田光夫がうらやましく思えたり・・・
やっぱり娘二人の存在が大きかったし、山ちゃんや近所の人たちも。人との付き合いがいかに大切かを家族愛と同様に感じてしまいました。
>PGM21様
劇場内の平均年齢は高かったですよね~
さすがに『北の零年』ほどではありませんでしたし、子育てを終えたお母さんといった年齢の方も多かったように思います。
キャスティングは絶妙でしたね~山田作品というと子役にハズレはないし、年代ごとにいい役者を配してました。
母べえの本音・・・戦争やあの時代を憎む気持ちが表れていて本当に良かったです。
>あんぱんち様
チョコベーは昭和55年まで発売されてたとか・・・グリコ森永事件の影響もあったのかもしれませんね。
浅野忠信は俺もそんな好きではなかったけど、この映画で変わりました。今まで一番よかったのが『青春デンデケデケデケ』だったと思ってたし・・・
>chikat様
なんたって小百合様ですから・・・いつまでたっても若いことを強調しなければいけませんもんね。
最近、チャンネルNECOやwowowなんかで小百合様をチェックしてたのですが、昔はもっと良かった。信じられないくらい・・・たまに演技が下手なところがあるのがいいんです(笑)
>くまんちゅう様
いやはや、この映画の宣伝が始まったころからずっと思い出そうとしてたのです。YouTUBEはすごいですよね。こんな古い映像まで見つかるんだから・・・
映画をご覧になるときにはチョコベーのことをお忘れくださいませ(笑)
友達と一緒に食べた記憶がありますよ
チョコベー
年がばれるネタに釣られてしまった
あ、映画は未見です
本当に美しい方はうらやましいです。
でも、きっと、一生美しいわけだから人並みかそれ以下の人の心はわからないだろうな~。
なんて、僻むばかり。
水泳のサービスシーンがあるとは驚きの演出でした。
吉永さん、60歳を過ぎてるとはとても見えないお肌でしたよ。
浅野忠信は良かったですね。
アノ人が苦手なんでより好感がw
佐藤未来ちゃんは「エンジン」以来だったけど、着々と成長してるようでした。
確かに年齢を言ってしまうと色々考えてしまいますが、時代を映すにある程度老けて映った方が入りやすいという感じはしました。ベテラン、中堅、若手とバランスの取れた配役は絶妙なメンバーかなと思いました。
我々の知らない時代なので劇場は年配(60前後)の方中心になりましたが、あの時代に生きた方や吉永さんのファンの方には凄く評価の高い作品になると思います。
最後のシーンですが、やはり強がった姿を見せた母べえの最期の本当の気持ちを初べえと照べえに伝えたかった気持ちは理解して良いと思いました。
たましょくにとって初の吉永小百合出演
作品の観賞だったのですが、さすが大女優
としての存在感と演技に、「サユリスト」
とゆー熱烈なファンがいるのも頷けました。
家族役それぞれの演じ方も良かったし、
初べぇの「しっかり者」と照べぇの「無邪
気」さが対照的に描きながらも、母べぇの
存在を中心に据えることで、一家はちゃん
とまとまっているんだと感じました。
山ちゃん役の浅野忠信の好青年っぷりも
良かったし、親戚にひとりは居るよーな仙
吉の存在感も楽しく観られたポイントでし
た。
大人になった初べぇが倍賞千恵子さんだ
ったので、吉永小百合さんとどっちが年上
なんだろうと考えてしまいました。
わたしはもっと「肝っ玉母さん」かと思ってたのね。そしたら、ずっとさめざめと泣いてばかり(爆)
すごくベタなギャグをあれだけの芸達者がこなしたら、あんなに面白いって事に気がつきました。
だから、悲しい帰宅をした父べぇの顎が二重なんて事にも触れてはいけないんだよね(爆)
私もあのラストシーンまでは★4つだったのよね(笑)