嘘つきと予言者。観ている者はすべて予言者となる・・・
サダムの圧政に苦しめられてきたクルド人の村。大人たちはアメリカに期待をよせている。戦争によって独裁者サダムを倒し、クルド人を開放してくれることを夢見ているのだ。所詮、それははかない夢か妄想か、米軍という独裁者に取って代わるだけのことだということなど思いもよらなかった。だから情報が欲しい。外国のテレビ番組を見る事ができれば、情報を仕入れることもできるだろうと“嘘つき”サテライト少年に一縷の望みを託す・・・
だけど、やっぱり茶目ッ気たっぷりのウソをつくサテライト。ハリウッド風の翻訳ギャグでも大活躍。そんな彼にも特技がある。村の少年に対する統率力と地雷売却の交渉術だ。もう村は彼の存在無しではやっていけないくらいの存在にも思えるのです。そして彼は恋をする。難民の少女アグリンだ。彼女には地雷によって両手のない兄と目の不自由な子供がいるので、周囲の方からも彼女の気を引こうと努力するのです。
両手のない兄と亀との共通点。意外な伏線、赤い金魚。弟だと思っていた子どもが実は・・・といったストーリーにも重く切ない戦争の犠牲を描写していました。そして地雷とともに生きていかねばならないイラクの子どもたちのリアリティには胸がしめつけられる思いになりました。
★★★★・
金沢コミュニティ映画祭にて
サダムの圧政に苦しめられてきたクルド人の村。大人たちはアメリカに期待をよせている。戦争によって独裁者サダムを倒し、クルド人を開放してくれることを夢見ているのだ。所詮、それははかない夢か妄想か、米軍という独裁者に取って代わるだけのことだということなど思いもよらなかった。だから情報が欲しい。外国のテレビ番組を見る事ができれば、情報を仕入れることもできるだろうと“嘘つき”サテライト少年に一縷の望みを託す・・・
だけど、やっぱり茶目ッ気たっぷりのウソをつくサテライト。ハリウッド風の翻訳ギャグでも大活躍。そんな彼にも特技がある。村の少年に対する統率力と地雷売却の交渉術だ。もう村は彼の存在無しではやっていけないくらいの存在にも思えるのです。そして彼は恋をする。難民の少女アグリンだ。彼女には地雷によって両手のない兄と目の不自由な子供がいるので、周囲の方からも彼女の気を引こうと努力するのです。
両手のない兄と亀との共通点。意外な伏線、赤い金魚。弟だと思っていた子どもが実は・・・といったストーリーにも重く切ない戦争の犠牲を描写していました。そして地雷とともに生きていかねばならないイラクの子どもたちのリアリティには胸がしめつけられる思いになりました。
★★★★・
金沢コミュニティ映画祭にて
彼の地では、こうした現実が、今も進行形なのでしょう? 両腕のない少年が、妹の「予想された死」を思いつつ、泣きじゃくりながら歩く、そのそばを何事もないように米軍…いったい、この世界では、何が起きているんでしょう。何もできないのか…と泣けて泣けて仕方ありません。
俺はこの監督の他の作品も観てるので、衝撃といえば、実際に障害をもった子どもを使っていることでした。
しかも皆生き生きと演技している。
嘘をつくことと予言すること。
イラク以外の人たちがこの悲惨な現状を変えなければいけないなぁ~とつくづく感じましたです。
ゴバディ作品監督としては、前2作よりも好きです。
見ているのがしんどい光景ではありましたが、
子どもたちは常に活き活きとしていたのが印象的。
衝撃的でしたね~
前2作では、まだアメリカの虚構を描いてなかったので、「そんなものか~」くらいにしか感じませんでしたけど、さすがに今回の戦争が始まると、視点が違っていましたね。
強烈だったのは、実際に障害者となってしまった子役を使っていたこと。当たり前の光景のように描いていたので、途中から全く意識せずに見れました。明るかったですよね~子供たちの純粋な心。
重かったです・・・。
でもたくさんの観客が入っていて、みなそれぞれに思う所があっただろうと考えると見ておかなくてはいけない映画だと思いました。
あの難民の兄妹の瞳の暗さはどうでしょう。
そして目の不自由な赤ん坊、あの子に演技をつけたんでしょうか?自然だとしても演技だとしてもすごいことです!
間に合ってよかったですね~
是非とも観ておくべき映画の一つでしたね。
身障者の子役ばかり選んできて大正解といったところでしょう。
サダムの野郎~!といった大人たちの声によって、「イラクはアメリカ軍を望んでいる」ようにとられてしまいがち。このあたりだけが引っかかってしまいます。
私も、二つしか見れずに、すごく残念でした。
期間中には土日が1回だけでしたから、全て観ることもできませんよね~
俺も今回は7本だけでした・・・多い?
亀と粒だけははずせないな~とは思っていたのですが、『アワーミュージック』を見逃したのが残念。
この『亀も空を飛ぶ』はもう一度上映してもらいたいものですね。
米軍侵攻後のイラクを知ってしまっている我々から見れば何ともやりきれないですが、米軍侵攻を「過去に起こったこと」として見てしまう我々観客の視線と、「未来に起こるべきこと」として予知するヘンゴウの視線を対比してみるのも面白いかと思います。
そういえば、戦争が起こる前の舞台を開戦直後に撮り始めたんでしたっけ。予言というテーマだけ捉えても、かなり色んな想像ができますよね。
俺にはサテライトも予言者の一種だということを暗示していたような気もします。