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コマンダンテ

2007-09-25 01:26:44 | 映画2007
 ちょっとアナグラムすると、危険な名前・・・カストロ。え?タイトルも?

 オリバー・ストーン監督が自らキューバに降り立ち、3日間に及ぶインタビューを敢行。アメリカでは上映を拒絶したという問題作です。インタビュー内容は女性関係や子供のことなどの私的なことから、アメリカとキューバの関係やソ連との関係、そして革命同士であったチェ・ゲバラのことなど多岐にわたります。アメリカ人のオリバー・ストーンが襲われるとか、カストロに嫌われたりすることはないかと心配もしたのですが、意外と親交を深めたようだ。「ブッシュが来たら歓迎する」という言葉にも彼の優しさの一面が読み取れる。

 最も興味深い内容はキューバ危機の真相でしたが、アメリカの一方的な情報操作の影響か、カストロの口から出る言葉は意外なものばかり。ちょっと考えれば、いくらソ連との繋がりがあろうとも小国であるキューバがアメリカを先制攻撃することなんて考えられない(ソ連がけしかければ別だけど・・・)。また、ケネディ暗殺事件に意見するときは、的確であると同時に、オリバー・ストーンがわが意を得たりといった雰囲気になったところが面白い。カストロも『JFK』を観たのだろうか?

 黒人や貧困層を救済することに力を注いだカストロ。キューバの国政や、選挙制度がないこと、留学生の授業料が無料だとか、知らないことが多かった。社会主義国として成功している数少ない国キューバ。アメリカのすぐ近くにあることもあって、社会主義・共産主義を敵視するアメリカにとっては都合の悪い内容・・・こんな映画が公開されちゃ、敵国がいなくなっちゃうかもしれませんもんね。

 カストロの人物像もキューバの知らなかったこともよくわかった・・・という印象がほとんど。インタビュー内容や映画の構成としてはそれほど面白くない。それでも、ぜひ多くのアメリカ人に観てもらいたい!と思ってしまうドキュメンタリー映画だ。

★★★・・

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ただただ、 (zooquie)
2007-09-29 20:13:00
いつもTBでお世話になってます、zooquieです。

この映画をkossyさんに観てもらえたことが、
とてつもなく、うれしいです。

映画関係者でもなんでもありませんが、
Blogの中の何百のリストの中のひとつに
この作品があることが、ただただうれしいです。
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必見 (kossy)
2007-09-29 22:44:08
>zooquie様
「アメリカでは公開拒否」ですからね~問題作ですよ、これは!
『13デイズ』でなんとなく先入観を植え付けられ、何も知らないでいても生きてはいけるのですが・・・
映画によって様々な視点からモノを見られるようになるって、俺たちはほんとに恵まれてますよね。
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独裁者 (mugi)
2008-03-29 21:51:57
映像を見る限り、キューバには共産圏特有の画一的社会に感じられませんでした。
やはり南国ゆえか、どこか開放的な雰囲気があり、旧ソ連や中共とは違うと感じさせられましたね。
カストロが、「私を独裁者と呼ぶが、アメリカは世界でも名だたる独裁者たちと親密だったではないか」と痛烈な皮肉を言ったのが、痛快でした。
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色々な国家 (kossy)
2008-04-05 08:47:54
>mugi様
この映画とマイケル・ムーア監督の『シッコ』を併せて観るとわかりやすいかもしれませんね~
アメリカにとってみれば近くにあって遠い国。その偏見に満ちたアメリカ人の常識を覆すような証言が面白かったです。
独裁者という言葉を考えると、タイトルそのものにも皮肉がこめられていたのかもしれませんね。
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