ヴェネチア国際映画祭で拍手喝采だったというこの映画。ひょっとすると『ハウルの動く城』に登場する“荒地の魔女”の本物を見たという驚きが原因だったのかもしれない。
現実と夢・妄想とが交差して、大物俳優ビートたけしとオーディションに落ちまくっているコンビニ店員北野が不思議ワールドに突入してしまう、といった内容で、セルフオマージュ満載のこの映画。北野作品を全て観たわけではないが、特に『HANA-BI』や『座頭市』に思い入れがあるような気がする。日本で好評だった『KidsReturn』や『菊次郎の夏』などへのオマージュが見られないことからも、ヴェネチア映画祭向けに作られていると言えるかもしれない。
フラッシュバックを効果的に使って、現実ともう一方の自分の世界を行き来するのですが、たけしが二人いること以外に、京野ことみ、大杉漣、寺島進も二人いるからややこしい。「この人物がこっちの世界ではこうで、あっちでは・・・」などと左脳を働かせて観るべき内容ではなく、右脳の感覚に頼って何となく理解できればいいのでしょう。簡単に言えば「王様と乞食」の意識版なのだろうか、どっちの世界に行っても、そんなにいいものじゃないよ、といった趣旨が見えてくる。
「わからない」と評した人が多かったらしいけど、わかりにくくしている人物設定が岸本加世子。二つの世界で同じ性格を持っているため、どうとらえればいいのかがわからなくなるのです。1万円札で10円のガムを買う行為は印象的なのですが、2度やっちゃいけませんよね(笑)両替機のないゲームセンターではあり得るかもしれないけど・・・
松村邦洋と内山信二の“コント300kg”は面白かったし、寺島進がかなり笑えた。タクシーで死体の道を進むシーンにバイク事故の自虐パロディーがあればもっと良かったのに、ここはちょっと残念。
この後で観た『エリザベスタウン』のオードリー映像を楽しんでいたときに鳳圭介を思い出してしまった・・・ううう。
★★・・・
現実と夢・妄想とが交差して、大物俳優ビートたけしとオーディションに落ちまくっているコンビニ店員北野が不思議ワールドに突入してしまう、といった内容で、セルフオマージュ満載のこの映画。北野作品を全て観たわけではないが、特に『HANA-BI』や『座頭市』に思い入れがあるような気がする。日本で好評だった『KidsReturn』や『菊次郎の夏』などへのオマージュが見られないことからも、ヴェネチア映画祭向けに作られていると言えるかもしれない。
フラッシュバックを効果的に使って、現実ともう一方の自分の世界を行き来するのですが、たけしが二人いること以外に、京野ことみ、大杉漣、寺島進も二人いるからややこしい。「この人物がこっちの世界ではこうで、あっちでは・・・」などと左脳を働かせて観るべき内容ではなく、右脳の感覚に頼って何となく理解できればいいのでしょう。簡単に言えば「王様と乞食」の意識版なのだろうか、どっちの世界に行っても、そんなにいいものじゃないよ、といった趣旨が見えてくる。
「わからない」と評した人が多かったらしいけど、わかりにくくしている人物設定が岸本加世子。二つの世界で同じ性格を持っているため、どうとらえればいいのかがわからなくなるのです。1万円札で10円のガムを買う行為は印象的なのですが、2度やっちゃいけませんよね(笑)両替機のないゲームセンターではあり得るかもしれないけど・・・
松村邦洋と内山信二の“コント300kg”は面白かったし、寺島進がかなり笑えた。タクシーで死体の道を進むシーンにバイク事故の自虐パロディーがあればもっと良かったのに、ここはちょっと残念。
この後で観た『エリザベスタウン』のオードリー映像を楽しんでいたときに鳳圭介を思い出してしまった・・・ううう。
★★・・・
私も頭の中がごちゃごちゃになるのを楽しみました~。
京野ことみのセミヌードは意味あるの?
あんなふうに露出されちゃうとエロス感じないんですけど~。
男性の感じ方は別かな?
あのヌードはわからなかった人のための単なるサービスかと思います(笑)インタビューなんかを聞いていると、撮影途中でどんどん脚本を変えていってるみたいだし、そんなに整合性は追及してなさそうです。面白ければそれでいいみたいな・・・
もう一人の自分になりきって、さらに夢を見るのだから、どうとでも捉えられますよね。深く考えないのが正しい鑑賞法だと思います。
砂浜に座ってることみちゃんが岸本さんに見えました。二人の顔は似てる。以前のヒロインが新しいヒロインに殴られる。自分が自分を殺しに来る。因縁というか。因果とか。巡り巡って戻ってくるとか。囚われてるのが嫌で逃げ出したい。抜け出したい。でも新しくはならない。戻って、還っていくだけ。そんな感じ。警察に撃たれるシーンはうるっときました。
あと押井守とか庵野秀明の臭いを感じたんです。頭いい人は同じような所に行き着くのかなあと。そう思ったらちょっとたけしさん大丈夫?と精神面の心配をしてしまいます。まあ大丈夫だとは思いますが(笑)。ただ、作ってるときつらかったろうなあ、と思う。作り終わった直後とか。裸を晒してるようなものだから。
実は北野映画は、まともに見たのが『座頭市』だけだったんですがこの映画で、たけしさんの編集がすごいことを知りました。良かった!
寺島さんのベタなネタがなんか新鮮でしたねー。
美輪明宏がたけしのことを化け物呼ばわりしてたのは笑いました。
でも、ゾマホンが一番おいしかったんじゃないかと思ってます。
う~ん、ツボの人はツボ(笑)
俺は根本的にヤクザの暴力で解決する北野パターンは嫌いなので、悪い方が出てきたかなぁ~と嫌悪感をぬぐいきれませんでした。
映画作りの才能があることは認めるのですけど、ヤクザが活躍すると俺にとっては面白くないことが多いってところでしょうか・・・
>yoyupon様
わけのわからない原因のひとつ・・・大物たけしが夢を見る際にその導入部分が無いこと!(ラストだけはあった)
だから、全てコンビニ店員たけしの夢だと思ってしまうんですよね・・・
俺はゾマホンよりデブ二人の方が面白かった(笑)
トラックバックありがとうございます。
>どっちの世界に行っても、そんなにいいものじゃないよ、といった趣旨が見えてくる。
見ていて北野武とビートたけしは紙一重な存在だなぁと。果たして彼の真意はそのどちらか、第三の存在なのか、そこは今もって謎です(^^ゞ
理解不能でした。理解できたのは寺島兄貴のべたべたさだけかも・・・。
ゾマホン電車も良かったですね。
知人にこの映画理解できないと言ったら”感じろ”と言われました。ふむ…。
コメントありがとうございます。
俺はコンビニ店員の北野のアパートがリアルじゃないと感じたんです。もしかすると彼本人が苦労した下積み時代を回顧したのか、たまには貧乏暮らしを味わってみたくなったのか、忘れてしまわないうちに描いておこうと思ったのではないでしょうか。
教訓めいたものは描かないだろうから、「こんなものだよ」といったことを言いたかっただけかも・・・
どちらにしても彼の自虐性を感じられなかったので、評価は下がっちゃいました。
俺もそのコメントに賛成かも・・・
理解しようとしても面白くないので、感じたまま良いか悪いかを判断すればいいんじゃないかと・・・
岸本加世子なんて、単にいじわるおばさんとして描かれただけですしね(笑)
夢の世界では、仲のいい友達でも自分を殺しにやってくるとか、人間の本質はそんなものだということも訴えたかったのかもしれません。