ココアのバンホーテンと間違えやすい
『ロボコップ』、『氷の微笑』、『スターシップ・トゥルーパーズ』、『インビジブル』、『ブラックブック』などの代表作がある、エロ・グロ・SF・サスペンスとやり過ぎ感のあるヴァーホーヴェン監督の作品です。新鋭ゲーム会社の敏腕女社長であるミシェル(イザベル・ユペール)が自宅で黒づくめの覆面男にレイプされ、警察嫌いであることから、元夫、恋人、部下、隣人と独自で犯人探しを始める。といった内容。
もっとも犯人探しの展開は途中で消え去ってしまい、“彼女(ELLE)”の過去と彼女を中心にした人間関係の面白さが際立ってくる。襲われた直後でも、左目のアザを作りながら息子パトリック(ロラン・ラフィット)と平然と会話するし、親友アンナ(アンヌ・コンシニ)やその夫ロベール(彼女と不倫中)、元夫リシャール(シャルル・ベルリング)にレイプの件を喋ったりするほど、冷静だったのだ。
ミシェルの父は過去に27人もの犠牲者を出した連続殺人犯。フランスでは1981年に死刑制度が廃止されているので、終身刑として服役中。事件当時、少女だったミシェルも一緒にいたことから世間からも注目され、カフェで残飯をわざとかけられるシーンからしても、周囲から冷ややかな目で、あるいは蔑まれてきた経緯があるに違いない。母親イレーヌも殺人犯の妻として隠遁生活を送っていたに違いないのだが、70歳を過ぎても若い愛人を作ったりして、どこかおかしいキャラだ。母イレーヌからは父親に面会に行ってあげてと懇願されるも、唾を吐きかけたい気分のミシェルは乗り気じゃない。
会社ではエロゲームの製作中だが、彼女を嫌ってる人間が多いためか、悪魔に襲われる女性に彼女の顔を挿げ替える映像が出回ってしまう。その犯人探しもしなくちゃならないと、若いオタクな部下に社員のサーバーを調べるよう頼んだりする。犯人はそのオタク部下本人だったことが判明するのに、「金くれるだろ?」などとトンデモないことを言って笑わせてくれる。
結局、二度目となるレイプ未遂があり、その時犯人の手を負傷させたおかげで隣人の銀行家だったことが判明するのだが、彼女自身がその暴力性行為に快感を覚えてしまった様子で、彼女の性癖も混沌を極めるようになってくるのです。他にも元夫の恋人だとか、息子の妻が黒い肌の子を産んだこととか、どうも普通でない人間関係が浮き彫りになっている。また、ミシェルが車をぶつけたり、事故ったり、窓を鉈で割ったりとか、猫、雀、鹿などの動物を使った小技なども面白い。最後には隣人の妻レベッカの冷ややかな言葉もゾッとさせられた。まともな人間は彼女を嫌ってるゲームクリエイターだけかもしれないほどで、登場人物全てがどこかおかしく、それぞれ人間の内面を暴くという、奥深い作品に仕上がってた。
★★★★・
『ロボコップ』、『氷の微笑』、『スターシップ・トゥルーパーズ』、『インビジブル』、『ブラックブック』などの代表作がある、エロ・グロ・SF・サスペンスとやり過ぎ感のあるヴァーホーヴェン監督の作品です。新鋭ゲーム会社の敏腕女社長であるミシェル(イザベル・ユペール)が自宅で黒づくめの覆面男にレイプされ、警察嫌いであることから、元夫、恋人、部下、隣人と独自で犯人探しを始める。といった内容。
もっとも犯人探しの展開は途中で消え去ってしまい、“彼女(ELLE)”の過去と彼女を中心にした人間関係の面白さが際立ってくる。襲われた直後でも、左目のアザを作りながら息子パトリック(ロラン・ラフィット)と平然と会話するし、親友アンナ(アンヌ・コンシニ)やその夫ロベール(彼女と不倫中)、元夫リシャール(シャルル・ベルリング)にレイプの件を喋ったりするほど、冷静だったのだ。
ミシェルの父は過去に27人もの犠牲者を出した連続殺人犯。フランスでは1981年に死刑制度が廃止されているので、終身刑として服役中。事件当時、少女だったミシェルも一緒にいたことから世間からも注目され、カフェで残飯をわざとかけられるシーンからしても、周囲から冷ややかな目で、あるいは蔑まれてきた経緯があるに違いない。母親イレーヌも殺人犯の妻として隠遁生活を送っていたに違いないのだが、70歳を過ぎても若い愛人を作ったりして、どこかおかしいキャラだ。母イレーヌからは父親に面会に行ってあげてと懇願されるも、唾を吐きかけたい気分のミシェルは乗り気じゃない。
会社ではエロゲームの製作中だが、彼女を嫌ってる人間が多いためか、悪魔に襲われる女性に彼女の顔を挿げ替える映像が出回ってしまう。その犯人探しもしなくちゃならないと、若いオタクな部下に社員のサーバーを調べるよう頼んだりする。犯人はそのオタク部下本人だったことが判明するのに、「金くれるだろ?」などとトンデモないことを言って笑わせてくれる。
結局、二度目となるレイプ未遂があり、その時犯人の手を負傷させたおかげで隣人の銀行家だったことが判明するのだが、彼女自身がその暴力性行為に快感を覚えてしまった様子で、彼女の性癖も混沌を極めるようになってくるのです。他にも元夫の恋人だとか、息子の妻が黒い肌の子を産んだこととか、どうも普通でない人間関係が浮き彫りになっている。また、ミシェルが車をぶつけたり、事故ったり、窓を鉈で割ったりとか、猫、雀、鹿などの動物を使った小技なども面白い。最後には隣人の妻レベッカの冷ややかな言葉もゾッとさせられた。まともな人間は彼女を嫌ってるゲームクリエイターだけかもしれないほどで、登場人物全てがどこかおかしく、それぞれ人間の内面を暴くという、奥深い作品に仕上がってた。
★★★★・
イザベル・ユペールは凄いですね!
なんだか60歳を超えてるとは思えない。
魅力ある熟女も素敵です。
>iina様
ヴァーホーヴェン監督がフランス映画を撮るなんて!
といった雰囲気ですもんね。
どこかおかしい人たちではありましたが、
罪に問われるようなおかしさでもないし、
ちょっとお付き合いは遠慮したいな~程度でしたよね。
そんな描写がつづくので、「おフランス」だからと勘違いしそうになりました。
> 登場人物全てがどこかおかしく、それぞれ人間の内面を暴くという、奥深い作品に仕上がってた。
そんな意見に出会って、やっと一安心したような次第でした。
実物もすてきでした。
なぜかTB飛びませんのでコメントで失礼します(^^)/