自虐的ネタ不足作品?
思いっきり映画を楽しむとか、監督のメッセージを理解しようとか、そうった普通の映画を楽しむ世界とは異次元に存在するかのような作品でした。同時上映の短編『素晴らしき休日』がネタとしては古くても、北野監督自身の『Kids Return』の劇中台詞を上手く利用したところが面白かった。ここで掴みはOKという気分になるものの、本編がどうしようもない。「ギャング映画はもう撮らない」と宣言したために、新たなるジャンルを模索しつつ、彼のスタイルに合わないことわかるということの繰り返し。小津風作品、恋愛映画、ホラー映画、SF映画等々・・・結局は暴力描写から抜け出せないジレンマまで感じてしまいます。
あれこれ試行錯誤するうちにネタを思いついて、岸本加世子と鈴木杏の親子が玉の輿に乗ろうとするストーリーへと展開する。ラーメン屋で丼の中にゴキブリを入れたり、当り屋にチャレンジする母娘の小ネタまでは良かったけど、江守徹や東大泉道場の部分から徐々に面白くなくなってくる。どうしようもなくなってくると、得意のコントを取り入れて、なんとか集中力を保たたせようともしていました。こうやって、つまらなさをとことんまでアピールして、監督業や映画作りがいかに大変なのかを訴えているようにも思えます。
そして、映画の作り、特にフィルムの編集・カットバック、それにどうでもいいようなCGを利用したりして、これからの映画人にヒントを与えているような優しさも感じられる。それでも数度登場するマトリックス風特撮はしつこく感じられるし、このパロディは本意ではないのでしょう。「こんなの簡単にできるような時代になったんだから、お前たち上手く作れよ」とでも言いたいのか、映画の後継者が欲しくなったのか、とにかく、一貫性があまり感じられない作品でもありました。
今まで北野作品が好きにはなれない理由もわかった気がします。ギャング映画に代表されるように、各キャラクターの性格設定が典型的、画一的、個性がない(笑いのための個性はある)・・・監督の日常生活は知りませんが、周りには自分の笑いを認めてほしい人たちばかりが集まってくるのでしょう。それが色んなジャンルにチャレンジできない原因なのか、プロットや映像にこだわりすぎるの原因なのかはわかりません。でも、この映画のように自虐的に壊れてくれると、監督にはもっと頑張ってもらいたくなる・・・
★★・・・
思いっきり映画を楽しむとか、監督のメッセージを理解しようとか、そうった普通の映画を楽しむ世界とは異次元に存在するかのような作品でした。同時上映の短編『素晴らしき休日』がネタとしては古くても、北野監督自身の『Kids Return』の劇中台詞を上手く利用したところが面白かった。ここで掴みはOKという気分になるものの、本編がどうしようもない。「ギャング映画はもう撮らない」と宣言したために、新たなるジャンルを模索しつつ、彼のスタイルに合わないことわかるということの繰り返し。小津風作品、恋愛映画、ホラー映画、SF映画等々・・・結局は暴力描写から抜け出せないジレンマまで感じてしまいます。
あれこれ試行錯誤するうちにネタを思いついて、岸本加世子と鈴木杏の親子が玉の輿に乗ろうとするストーリーへと展開する。ラーメン屋で丼の中にゴキブリを入れたり、当り屋にチャレンジする母娘の小ネタまでは良かったけど、江守徹や東大泉道場の部分から徐々に面白くなくなってくる。どうしようもなくなってくると、得意のコントを取り入れて、なんとか集中力を保たたせようともしていました。こうやって、つまらなさをとことんまでアピールして、監督業や映画作りがいかに大変なのかを訴えているようにも思えます。
そして、映画の作り、特にフィルムの編集・カットバック、それにどうでもいいようなCGを利用したりして、これからの映画人にヒントを与えているような優しさも感じられる。それでも数度登場するマトリックス風特撮はしつこく感じられるし、このパロディは本意ではないのでしょう。「こんなの簡単にできるような時代になったんだから、お前たち上手く作れよ」とでも言いたいのか、映画の後継者が欲しくなったのか、とにかく、一貫性があまり感じられない作品でもありました。
今まで北野作品が好きにはなれない理由もわかった気がします。ギャング映画に代表されるように、各キャラクターの性格設定が典型的、画一的、個性がない(笑いのための個性はある)・・・監督の日常生活は知りませんが、周りには自分の笑いを認めてほしい人たちばかりが集まってくるのでしょう。それが色んなジャンルにチャレンジできない原因なのか、プロットや映像にこだわりすぎるの原因なのかはわかりません。でも、この映画のように自虐的に壊れてくれると、監督にはもっと頑張ってもらいたくなる・・・
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今作は前作よりは内容的には良かったんですけれど、やはり北野作品は好き嫌いの差が出易いのは否めないでしょうね。私は北野作品を映画作品としてかなり評価しているので映画をあまり観なかった時でも北野作品は劇場に足を運んだ位ですから北野武という天才に魅せられている感じです。
内容的に確り描くところは描きながらもお笑い要素を忘れないのはさすが北野監督ですね。北野作品の常連も多数出ていましたし、そこに今回は鈴木杏、内田有紀、木村佳乃らが融合したという感じです。そこにたけしの弟子を数多く登場させるのは弟子思いな面もあるでしょうね。
まあ以前井手博士からTBを頂いているので下手に筋の通らない批評は避けるようにしていますけれどね。
前作よりはわかりやすいので良かったと思います。自分の作った映画が上手くいかないことで、日本映画全体が落ち目になることを憂慮しているかのような映画でした。
俺は元々ギャング映画が苦手なので、最初から北野作品には溶け込めませんでした。でも半分以上は見てます(笑)
使いやすい俳優とか相性のいい俳優がいるんでしょうね。常連では大杉漣が好きですね~