浩氣塾稽古日誌

わびさびの空手道

続編 追突きの研究

2019-12-22 06:42:00 | 日記

身体の各部分の延長線は、すべて攻撃目標に対して正対していないといけない。大げさに言えば、脱力してあらゆる方向に向けられた身体の動きの不調和が一瞬にして調和の動きとなったときに最大の力が発揮される。これはまだまだ到達には程遠いずっと先にある自分の思い描く武道の境地だ。まずは追い突きでその境地に少しでも近づきたいものである。

運足の膝の倒し込み、軸足の引きつけと後ろ足のケリによる腰の押し出し。両腰は突きの目標を頂点とする底辺にあたり、突きの反作用をしっかりと受け止める役目を担うから、その底辺(つまり腰)をぐっと前へ押し出すことにより、より追い突きの威力は増すはずである。

 ここで問題なのが後ろ足のケリである。 追い突きの初速を速くしようとして後ろ足でける場合が多く見られるが、こうすると、前の軸足の膝が伸び上体が上に浮いた状態になってしまう。こうなるとスピードが出ないばかりか、相手に対する面積が大きくなり、つまり的が大きくなって非常に不利になってしまう。だから後ろ足で蹴って推進力をつけるのは避けるべきである。やはり体を小さくして位置エネルギーを生み出しその力で身体を押し出すようにした方がいい。つまり前膝を倒し込んで腰を落とし、落とした勢いで前に運足するのである。つまり身体を力で押し出すのではなく、身体の重心の位置そのものを移動するのである。手や脚などからだの末端部分を使って身体の中心にある重心を動かそうとするよりも、中心にある重心そのものを移動する方が遥かに小さな力ですむのは当然のことである。ただこの中心に位置する重心を動かすことはとてもむつかしい。なぜなら、重心とはあらゆる方向の力が釣り合っている状態で生まれるものだからである。人間の生理は本能的に不調和を嫌うものである。これを活かしてわざと身体の中に不調和を作り、身体の本能的な調和への動きを起こすエネルギーを利用するのである。

つまり前膝をいかに思い切りよく倒しこむことができるかにかかってくるのである。前膝を倒し込むということは素早く重心を前方へ移動させることができるということである。当然、前脚一本に全体重をかける訳だから、身体を収縮させてできるだけ素早くバランスを取らなければいけないのである。結局、この体の収縮こそが追い突きの要になるのではないだろうか。これはまた、突きだけでなく、蹴りについても言えそうである。

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