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手話通訳者認定試験

2016-05-06 08:37:02 | 手話
公的な立場で活動する手話通訳者になるためには、試験に合格しなければならない。
毎年受験している人たちに聞いたところ、試験は、年々、難しくなっているそうや。

受験勉強している手話通訳者の卵から、
「たいしさんの時代はよかったですよねー。試験、簡単だったでしょ?」
と言われる。
ちょっと待て。
事実、その通りかもしれないが、
「簡単だった」
なんて、それこそ簡単に言ってもらっては困る。

俺が受けた時の合格率は10%台だった。
税理士試験の平均(科目別なので)合格率は13%ぐらいだから、簡単とはいえないと思う。

一緒に受験したFさん、残念ながら不合格となった。
でも、諦めなかった。諦めずに毎年受験し続け、10回目に見事合格された。
つまり、10年間、受験し続けた。

Fさんが合格された時は嬉しかった。
おめでとうございます!これからは現場でご一緒させていただきます!
Fさんは頭をかきながら、
「いやー、たいしさんはすごいよ。一発合格だったもんね。僕なんか10回、10年かかったんだからね」

違う。
全く、逆ですよ。

Fさんのような人こそ、一流になれる人だ。
そう、確信した。

みんな、2~3回ぐらいはチャレンジするけど、3連続で不合格だと、ほとんどの人が諦めてしまう。
でも、この人たちを責める気は毛頭ない。
自分自身、最初の受験が不合格で、3連続で不合格だったら、諦めていたかもしれない。

Fさんがこんなに苦労したのは、あがり症のせいだと思う。
人前に立つと、緊張で手が動かなくなってしまう。
でも、それもすっかり、過去の話になった。

Fさんが有資格通訳者となってから、もう20年。
どんな場所に行っても、実に堂々としている。
尊敬する手話通訳者の一人である。




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