手話通訳者のブログ

田舎の登録手話通訳者のブログです。

蟷螂の斧/市会議員事務所を訪問

2015-05-31 00:22:53 | 手話
事前にアポをとり、会長と一緒に訪問した。


議員「時間がありませんので、早速本題に入りましょう。会長さんが最も問題視していることは何ですか?」
会長「市が策定している障害者基本計画というものがあります」
議員「はい。知っています」
会長「この基本計画を決める会議は年に数回行われます。当事者であるわたしたちろう者も、会議に参加させて欲しい、とずっと要望していますが、断られ続けています」
議員「えっ?」
会長「当事者をかやの外にして、行政側だけで決めるというやり方を、改めていただきたいのです」
議員「驚いた・・・当然のことだと思います。障害者基本計画は、当然、当事者の意見を聞いた上で作成していると思っていました・・・」
会長「市の担当課も派遣者も、話し合いにさえ、応じてくれません」
議員「よくわかりました。私が仲介役をやりますので、市の担当課と話し合いの場を作りましょう」


話が終わって市会議員事務所を出ると、会長が言った。

「たいし、今日は通訳だけで、自分の意見を全く言わへんかったな。どないした?らしくないで」
市会議員とはサシで話したことがあるし、“当事者の話が聞きたい”とおっしゃるので、会長に来てもらった。だから、通訳に徹した。
「ほう・・・ちょっと、見直したな」
どういうこと?
「我が強いだけの人間じゃないらしい」

会長はにやりと笑って去っていった。




聴覚障害者支援NPO

2015-05-30 00:13:54 | 手話
新潟県にこういNPOがある。
https://www.facebook.com/NiigataNPOInfoNet
ネットで見つけた。
これ、フェースブックの情報だけど、ネット検索でこういうフェースブックの情報も出てくるんやね。



蟷螂の斧/市ろう協の会議

2015-05-29 00:48:02 | 手話
市ろう協会議がコミュニティセンターで開かれることを聞き、押しかけた。

「たいしさん、事前連絡もなしで来られては困ります」
叱られた。

しかし、今までの経験から、会長から、
「しばらく時間をください」
と言われると、数か月待っても何の返事ももらえないと思われ、押しかけた。


「とにかく、急に来られても、会議に参加していただくわけにはいきません」


これも、予想通り。
会議室の前で、会議が終わるまで待った。
終了後、会議室から出てきた会長はぎょっとした顔をした

「ずっと、待っていたんか?」

みなさん、いろいろ意見はあると思うけど、市会議員と直接話す機会などめったにありません。
市ろう協として動くのがまずいなら、誰か、手話通訳者派遣制度を利用している一人のろう者として、一緒に市会議員事務所に来てください。
会長じゃなくてもかまいません。

シーン・・・

婦人部長のMさんがあきれ顔で、
「たいしはいつも勝手な単独行動をする。手話通訳者のみんなも困ってるんやで」

Mさんをちらりと見たが、Mさんと向かい合って話すと言い合いになりそうだったので、一人ひとりの顔をみながら、みんなに話しかけた。

今回、話をする市会議員は、市民の声を聞くことを大事にしている人です。
事務所近辺の市民の家を一軒ずつ自ら訪問して、市政に関する不満を直接聞いている人です。
一人の市民として、市の制度の問題点を、市会議員と話す。
何が問題なのか、わかりません。

会長が大きく深呼吸して、言った。
「今まで、派遣者に話し合いの申し入れをしてきたが、ずっと、無視されたままや。このままではいけないことは確かや。一度、話してこようと思うが、どうだろうか」

Mさんが何か言いたそうな顔をしたが、結局、誰も異論を唱えなかった。

やった・・・

会長、よく決断してくれた。




「わかる」と「できる」

2015-05-28 06:41:05 | 手話
ろう者が手話で話している。
それを聞いて(見て)いる聴者。
うんうん。なるほど。へー、そうかいな。
当然、この聴者は、相手のろう者が話している内容を理解している。
では、ここに手話を知らない聴者がいて、同時通訳(読み取り)を頼まれたら・・・

手話がわかる人なら誰でもできそうなもんやけど、実際は違う。
読み取り通訳とは、(1)手話を読み取る→(2)日本語に変換する→(3)日本語でしゃべる、という一連の作業を繰返していくこと。
これをごく短い時間でやらないと、読み取り通訳はできない。
時間にして、1秒から5秒ってとこかな。
訓練しないと、できない。

(1)の段階では、右脳を使う。
(2)と(3)の段階では、左脳を使う。
通常、右脳が活発に活動している時、左脳は休んでいる。
左脳が活発に活動している時、右脳は休んでいる。
手話通訳時は、両方を同時に使う。
いや、これは推測だけど、脳の性質上、両方を同時に使うことはできないと思う。
ものすごいスピードで切り替えを行っているんだと思う。

いずれにせよ、「わかる」から「できる」まで進歩せなあかん、ってことや。




蟷螂の斧/市ろう協のT会長にメール

2015-05-27 06:13:41 | 手話
市会議員のT先生からメールをもらってすぐに、市ろう協のT会長にメールした。

「T会長」と「T先生」では紛らわしいので、以後、それぞれ、「会長」、「市会議員」と表記させていただく。

ご存じの通り、市の手話通訳者派遣制度には様々な問題があります。
市会議員に手紙を書いたところ、
「当事者(ろう者)の話が聞きたい」
とのことでした。
市会議員の事務所までご同行願えますか?


返事がきた。


「私たちろう者のために動いてくださって、そのお気持ちは大変嬉しいのですが、私たちは組織で動いています。
会長だからと言って、勝手な行動はできないのです。
少し、時間をください。次の役員会議で、相談してみます」


予想通りの返事。
会長は穏健な方で、調整型リーダー。
敵を作らず、常に会員たちの意見を聞いて、まとめ役に徹している。
でもなあ・・・
こういうことは、特に相手のあることは、あまり時間をかけるべきじゃないと思う。

さて、どうするか・・・