実家の田舎では幼少の頃、夜になると網戸にカブトムシやクワガタが飛んできていたものだが、都会ではそんなことはまずない。
チョウチョも田舎ではありふれた昆虫として網を振る気にもならないほど飛んでいたが、ここでチョウチョを見つけると「こいちゃん!いっくん!チョウチョやで!!」と色めき立ってしまう。
生まれてこのかた昆虫に関して楽しい思い出を経験したわけでもないのに、子供は本能的に虫が好きらしい。
殺虫剤で殺されて落ちている毛虫を見ては喜び、アリを指さして「むし!むし!」と教えにくる。
テントウムシなんて見つけた日には近所の子供がよってたかって捕まえたがるのだが、何故かみんな網で取ろうとする。
どうも虫が怖いようなのだ。
力の強いクワガタや、気味の悪い青虫ならまだしも、幼稚園から小学校までの男の子達がよってたかってテントウムシを触れずに大きな網を押しつけているのは何だかちょっと滑稽だ。
これでは、たまに山に連れて行ったくらいでは怯えてばかりで、虫取りに汗を流すなんて考えられないのではないだろうか…。
そんなことを考えていたらいっくんの腕にテントウムシが飛んできてひょいと止まった。
小学生のお兄ちゃんまでが怖がって触れなかったテントウムシがいきなり腕にくっついていっくんは大パニック。
腕を振り、泣き叫び、体を揺らして逃げ回った。
やっとテントウムシが逃げてもいっくんは私にすがりついた上、泣き崩れた。
何だが情けなくなってしまった。
これではイカンと思い、それからは率先してテントウムシを触りアゲハチョウの幼虫を触り、危ない虫を教え、網を買って遊ばせてみた。
すると親しめば親しむほど興味を示し、とうとう手のひらに乗せていられるようになった。
やはり子供は順応性がある、良かった良かった。
今日は特に暑かった。
網戸にしてコーヒーを飲んでいると、庭でいっくんが呼んでいる。
「むし、いっぱい捕まえたー!!!」と網を片手に誇らしげにしているので見てみると、そこには小さな黒豆のようなダンゴムシがザラザラと山ほど入っていた。
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