母が歩く音で目が覚めたがそんなに寝覚は悪くない。
きっと熟睡できているのだろう。

ホテルの楽しみの一つに朝食がある。
バイキング形式で食べられるので、食欲がないいっくんにも、たくさん食べたいこいちゃんにもピッタリ対応。
なのでストレスなく親も食事を楽しめるというわけだ。
レストランに着くと8時を過ぎていたが混雑もなく席に着くことができた。
太陽が出てきて気持ちの良い朝である。

『なにたべよう!』
と、ライオンの目つきで物色するこいちゃんに対し、寝癖もそのままに半眼で一点を見つめるいっくんである。

すこしだけ食べて『帰ろう』と言い出すいっくんに立腹のこいちゃん。
翌朝は男子チームより1時間早くレストランに向かうことを約束させられた。
さて、ご飯を食べてホテルのチェックアウトをして向かったのが水の科学博物館である。

ホテルに置かれていた神戸地図をぼんやり眺めていて行ってみようかと思ったのだ。
何しろ今回の旅行は(も?)ノープラン。
小さな従兄弟達が来るから余計に予定なんか当てにならないと思っていたので何も考えていなかったのだ。
ただ神戸といえば甘くて美味しいもんがあるだろう、と…。
すこし走れば直ぐに到着。

外観、大人しめ…。
水に関する本や資料が展示してあるだけだったらちょっとがっかりかな…。
と、思いつつ入館したら何だか子供達が喜びそうな展示物がずらり。

渦を発生させる装置。
できはじめる瞬間が楽しい。

しかも偶然にもこの日から期間限定の入館無料キャンペーンで、実にいいタイミング。

子供達が楽しめる不思議な水の展示は、もう子供っぽいかな?と思ったが意外なことに中学校理科で習うことが多く展示されており、こいちゃん、いっくんの口からは私が覚えていない様な専門用語が飛び出す。

小さな子供達にはそのまま楽しく、中学生にはさらに深く知ることができる仕組みで実に勉強になる。

実験も何度も違う内容で行われ、小さな子供達が騒いだり飽きたりする様子も見られなかった。

理科が大好きな二人にはピッタリきた様である。
お昼ご飯は北野近くのレストランに予約を入れた。
小さな店だが時間もあって混み混み。
朝ごはん少なめのいっくんはここでも『お腹すいた~』とテーブルに頭をつけてごねごね。
朝ご飯をたくさん食べないからである。
学習能力のない…。

頼んだ料理が運ばれて来ると夢中で食べた。

美味しいイタリア料理屋でラッキーである。

セットメニューのオードブル。

ピザも本格的。

茄子のグラタン。
さて、ご飯を食べたら異人館に向けて買い食いしながら歩きはじめた。
しかし、どちらが異人館か分からない。
こっちだろう、と歩いていたら公園があった。
いっくん、遊具に登って私にカメラを渡して『撮って!!』と。

まだまだ遊具が楽しいか~。
民家を抜け、坂道を上り、やっと着いた風見鶏の館。

ここには大道芸人がいて、先ほどのいっくんを彷彿とさせた。
面白い芸ばかりで長時間見入る…。
風見鶏の館には子供達だけ入館。

入ったことがあるから、ということもあるがそれ以上に、歩くことに疲れた…。
細道をうろうろしてクタクタ。
どこかお茶を飲めるところを探したが、こいちゃん達はソフトクリームを食べたし、いっくんは『早く山に行こう』と騒いでるしで車に戻ることにした。
お土産買ったり、観光したり楽しめた、とは言えまだ日は高いのに…。
ちょっと残念な私とおばあちゃんである。
異人館を後にし、夜景を臨める菊星台に向かうため、車に乗り込む。
車が発進してすぐ、2台の車に乗り分けていた子供達は、打ち合わせでもしたかのように同時に眠ってしまった。
よほど疲れていたのだろう。

伴侶も眠気と戦いながら菊星台を目指す。
目的の夜景はもう少し先である。