幼稚園生活最後の運動会。
3年前、初めての運動会では周りの子に一歩遅れて動いたり、時にはぼけーっと周りを眺めていたり。
障害物競走である「サーキット競争」が始まった。
樹はピストルの音と同時に、誰よりも早く飛び出し、網をくぐり、鉄棒をまわった。
最後の障害物跳び箱。
手をついて勢い良く飛び越し、余計なことに跳び箱の端をキック!
手を伸ばした状態で「飛んだ!」
私はびっくりし、先生も慌てて駆け寄った。
やっぱりいっくんは何かする…。
こいちゃんも卒園児として「お兄さんお姉さんファイト」に参加。
負けまいと梢も必死である。
バトンリレーでもいっくんはバトンを受け取り必死に走った。
いっくんが入園したとき、しっかりもののお姉ちゃんと比べて、やんちゃで、すぐに投げ出して嫌がる様子に、運動会や発表会などがずっと心配の種だった。
その子が、一生懸命走っている様子に、改めて3年間の重みを感じる。
お昼ごはんは、やっぱり、よく食べた。
思いっきり人前で競技するとお腹が空く。
伴侶に勧められ、撮影用の脚立で食べるが、どう見ても食べにくそう…。
親子競技で樹と伴侶は綱引きに参加した。
いっくんは負けてしまったことがちょっとショックだったらしく、少ししょげていた。
やはり無頓着ないっくんでも勝ち負けは気になるようである。
そして私まで競技に参加することに。
いっくんと同じクラスのママ友達に誘われて、何やら「最後の思い出作り」をすることになったのだ。
が、これが意外と大変で、くたくたに。
しかも足が笑い、翌日には筋肉痛になるほどのハードな動き。
普段運動などしないものだから、久しぶりに動いて中々楽しかったが、やはり普段からの運動は必要であると思い知った。
最後は私もご褒美(?)にアルミホイルなどを頂いた。
最後、トリを飾るのは年長児の「組み立て体操」。
友達に移動場所を促されたり、時には樹が友達を誘導したりしながら協力しあってさまざまな形を作っていく。
周りの友達と同じように、同じタイミングでビシっと横を向く様子に、自信がみなぎっている。
思わず目頭が熱くなりながら、必死でシャッターをきった。
演技が終わったいっくんの控え席にすぐさま飛んで行き、いっくんを抱きしめた。
「凄かった、格好よかったよ!」と褒めてやると、自信げに、それは嬉しそうに「うん!」とうなずいた。
3年間は長いようで短かった。
短かったにも関わらず、こんな私の元でしっかりと、一生懸命成長してくれたのだ。
さて、感動もつかのま、すぐさま家に帰り荷物を積みなおして実家にレッツゴーである。
子供たちは大好きなSAの夕食にありつき、おばあちゃんやおじいちゃんに会えるのを楽しみに嬉しそうな顔で車に乗り込む。
こいちゃんといっくんの楽しみは、まだまだ尽きないようである。