さて、実家に帰り、バーベキューで栄養をつけ、翌日は山口県に行くことになった。
ちょっとだけさみしそうな両親と祖母に「ばいばーい!!」とまるで今生の別れのような挨拶をした子供達。
1泊したらまた実家に一旦戻るんだけど・・・・
山口県に向かうのは、いわばリベンジである。
おととし、山口県に行くことになった際、「行きたくなーい」と言ったいっくんを本当に実家に置いたまま山口に行ったところ、後からずいぶん後悔したらしいいっくんが「山口県に行きたい」と言い出したのだ。
私たちは二度目であったが、いっくんの為に仕方なく、前回と同じ所に行くことに・・・
ところが、ところがである。
いっくんにうっかり与えたジュースを、なんと豪快に車中にこぼしてくれたではないか!
しれーっとした顔で「こぼしちゃった・・・」何て言うからちょっとかと思いきや、500mlペットボトルの中身をほとんどまき散らしていたのだから腹が立つ。
実家でお昼ごはんをゆっくり食べて出てきた私たちは、到着時刻もぎりぎりの中、いっくんを叱り飛ばしつつ最寄のPAで荷物を降ろして大掃除するはめに・・・
夜寝るための寝具や、着替え、床もビショビショだから深刻である。
ナビの到着時刻はどんどん遅くなり、その日予定していた温泉の終了時間である8時を指している。
いっくんの希望で山口県に向かったのに、いっくんに足を引っ張られ、本人は涼しい顔をしてDVDを見ている中、親たちは必至で時間との競争である。
必死の思いが通じたのか、交通渋滞がさほどでもなかったことが唯一の救いで、何とか時間内に道の駅「おふく」に到着。
無事に温泉に入り、食事も食べて車の中で眠ることとなった。
心配していた寝具は、シュラフがジュースまみれになっていなかったため、快適に眠ることが出来た。
犯人は能天気にくつろぐモードである。
翌朝は、車内でラーメンや、昨晩のおにぎりなどで安上がりにすませ、その分のお金をお土産などに回して、のんびりショッピング。
この道の駅には足湯もあり、足湯大好きの伴侶も満足。
道の駅のオブジェのカエルくんにじゃれつく子供たち。
おととしもそうだが、この道の駅は、人気があるのかとってもにぎわっている。
お土産も充実していたし、温泉も気持ちがよくて実に快適であった。
一路、秋芳洞に向かうことに。
直前まで、秋芳洞の内容を知りたくないいっくんと、それを教えて優越感に浸りたいこいちゃんは
「秋芳洞の地図」を見せる、見たくない、で大ゲンカ・・・
どんなことでも喧嘩の題材に出来るのだねっ・・・・・!
入洞の心得をみんなで読んで確認。
入口の迫力に、いっくんのテンションあがりまくりである。
入口が近づくと冷たい風がひや~っと吹いてくる。
中はさらに寒いほどで、1枚上着を多く持ってきていて丁度良かった。
メインである百枚皿。
相変わらず、迫力というか、神聖な感じがする。
何億年もかけて作られる自然の造形に、いっくんも不思議そう。
そんないっくん、落ち着きなく洞内をキョロキョロしながら歩くうち、滑って転び、泥まみれに。
あまりの色に「コウモリのうんち!?」と焦ったいっくんは大変不機嫌になり、泣き出さんばかりであった。
今年からりリニューアルされた秋芳洞は、地上に続くトンネル内に様々な絵やトリックアートなどが展示されており、古代から現代にタイムスリップするよう。
地上に上がると、ちょっとした休憩所や売店があり、そこで軽くお昼を食べることにした。
さて、そのあとに今度は秋芳洞の中に戻り、いかめしいエレベーターにのって、「カルスト台地」を見に行くことに。
このエレベーターがなんだかすごくて、いかにも業務用、といった感じの物々しい形相である。
重たそうなドアがゆっくりしまると、ゴウンゴウンと音を立てて地上に向かう。
地上に出て、広々としたカルスト台地を眺めると、石灰岩が一面に散らばっている。
その景色をもっと眺めようと、いっくんが設置された双眼鏡に100円を入れようとしたのだが、どうしてもそれが勿体なくてたまらないこいちゃん。
結局喧嘩になり、いっくんは見るのをやめてしまった・・・
こいちゃん、細かすぎる!!&どうしてそんなことで喧嘩できるの!?
仕切りなおして、ソフトクリームを食べることにした。
伴侶は気になっていた「夏みかん」。
私とこいちゃんは「秋吉梨」で、初めてのフレーバーに舌鼓。
いっくんは「いらーん」のだそうだ。
カルスト地形で戯れて、明るいおてんとうさまの下で体を動かしたら、再びエレベーターで地下に戻る。
秋芳洞に帰って、入口に入った時から子供達が楽しみにしていた「冒険コース」に行くのだ。
洞内の冒険コースは、ライトを借りて結構な急斜面を上がっていくため、伴侶担当。
いっくんは勝手に暴走。
こいちゃん、なかなか登れない・・・
十数分かけて歩くコースなので結構ハードだと推定される。
充実した顔で戻ってきた3人。
洞内を出ると、気温も高く、お店も立ち並び、まるで別世界である。
おととし不思議そうに釘付けになっていた葉っぱで作ったバッタも、今年はとうとう購入。
こいちゃんといっくんは、それぞれにお土産を買った。
車に乗って、おやつやごはんを食べながら実家についた。
子供達は自分たちのお小遣い(ほぼ両親やおばあちゃんがくれたもの・・)で購入したお土産を渡す。
いっくんは私にアメジストの原石と、ひいばあちゃんに萩焼の湯呑をプレゼント。
自分には、大好きな石のコレクションケースである。
こいちゃんは、ひいばあちゃんに杖につけるキーホルダー。
おじいちゃんには「長生きしてね」と温かいメッセージの入ったお人形と、おばあちゃんにストレス解消の石!
なんだか的を得ていて笑える・・・
お金が大事で、とっても節約家なこいちゃんは自分には何も買わなかった。
どうしてももったいなくて自分のものは買えなかったらしい。
それほどお金が勿体ないのに、おじいちゃんたちのお土産にはお金を惜しまなかったこいちゃん。
ケチながらもやさしい気持ちが育っていることに、じーん・・・であった。
疲れたけど、やっぱり素敵な思い出を作ることが出来た旅行となった。