いっくんが愛してやまない「冒険の森」は里山と古い民家を利用して、平成15年9月に開始した子供達の為のプレイスポット。
里山には竹のテラス、空中回廊、ハンモック、巨大ブランコ、絵本の部屋等があり、今まで2回程?行ったことがあるのだが、まるで田舎に帰ったかのような癒しの雰囲気を漂わせている。
今回は思い切ってさくらちゃんを連れて行くことに。
満面の笑みで迎えてもらい、はじめての匂いを嗅ぎまわるさくらちゃん。
子供達はその間に
工作をしたり
アスレチックで遊んだり。
夢中で自分たちの好きな遊びに走ってゆく。
さくらちゃんと敷地内をゆっくり歩いてみることにした。
落ち着いて見て行くと、秋の植物がそこかしこに咲いている。
まるで時が戻ったかのような光景に、懐かしいような、切ないような気持ちがよみがえってきた。
自分が数十年前の子供だった頃の記憶を呼び覚ます。
背の高い数珠玉は、光る種を沢山つけて風にゆれており、 レンゲソウの花は摘まれてかごに入れられていた。
だれが集めたのか、どんぐり、くるみなどが無造作に箱に収集され、古い民家の裏手に回ると 都会では見られない様なおおきなジョロウグモが巣を広げている。
焼けた 灰がこんもりと掃き集められ、その脇には古い大きなミルク缶(ミルクを運ぶときに使用?)がさび付いて置かれている。
縁側の下に摘まれた昔の鉄のお釜、土間の脇に置かれた米すきの道具。
何もかもが哀愁を漂わせ、時の流れを教えてくれるように静かにたたずんでいた。
追憶の旅に気持ちを揺さぶられる。
忙しい毎日に、忘れそうになる時間の速さを、こんなところでふと気づくことになるとは・・・
自分の楽しみに没頭する子供達をしり目に、さくらちゃんを抱っこしてぼんやりと里山の全景を眺めていた。
いつか、さくらちゃんとも別れ、子供達とも別れる日が来る。
もっと一瞬一瞬を大切に生きていきたい。
自然に触れ、そんな気持ちに気づかせてもらえるのだった。
この夜、淡路島に泊まることにして、温泉に入り体を綺麗にしてから食べる物を探しに車を走らせる。
私達がPキャンプを始めた数年前に比べて随分食べ物屋さんも増えたような気がする。
美味しそうな(?)パスタ屋さんを発見し、入ることに。
さすがにここはさくらちゃんと入れないので車でしばし待ってもらって4人で店内に入ることに。
お腹もすいていて、皆でパスタをほおばる。
大変美味しいパスタ屋さんで「淡路島に来たら次もここに!」といっくんが言うほどだった。
やはり旅の食事は美味しい。
満腹になり、この日の寝場所に選んだのは淡路大橋が一望できるSAだった。
家族4人と一匹で夜景を眺めて就寝・・・
さくらちゃんは旅の間もトイレもシーツの上でするし、無駄吠えもなく、実にやりやすい大人しくて扱いやすい子・・・
のはずだった・・・
夜中。
私とこいちゃんいっくんが3人で寝ているところに、こいちゃんと私の間に入り眠っていたさくらちゃん。
私の顔の前にさくらちゃんがいるのでさくらちゃんの呼吸がよく聞こえた。
と、突然さくらちゃんの呼吸が不規則になり、眠りの浅い私は急に嫌な予感がして目が覚めたのだ。
「さくらがおかしい!!」と、すぐに伴侶に起きてもらって口元にトイレシーツを広げたところ、さくらちゃんがいきなり吐いたのだ。
そこには未消化の「犬用おでん」が・・・
以前、グルメ(?)の伴侶が「毎日ドッグフードは惨い!」と買ってくれた個包装のおでんを旅行用にと持ってきて、今回食べさせたのだ。
慣れない物を食べたのが悪かったらしい。
胃がうけつけなかったのか、消化されていない状態でさくらちゃんがもどしてしまったのである。
幸い、吐き終わったさくらちゃんはいつもと同様の元気を取り戻すことが出来たが、私は一晩中眠れなかった。
旅行中は特に、普段と同じものをあげるべきだ、と猛反省。
私とこいちゃんに挟まれるように狭い隙間に体を突っ込んできて眠るさくらちゃんはすっかり気を許しスヤスヤと眠る。
「今夜はなんで一緒にねてくれるんだろう」と不思議に思っていた事だろう。