家にいても勿論聞こえてくるセミの声に、いっくんは早く公園に行きたくてうずうず。
朝食や手伝いを済ませ「夏の友」のシール貼りなどが終わったら、私をせかし慌しく網やかごを用意し、公園に向かう。
セミを取るのも楽しいようなのだが、リリースも相当気に入っている。
かごから出したセミを空に放つ瞬間、いっくんは驚いたような嬉しそうな顔で、セミが飛んでいくのを眺めているのだ。
きっと、小さい頃に教えた
「逃がしてあげたら、また沢山になって帰って来るんだよ」
の話を信じて、会いに来てくれることを楽しみにしているのだろう。