善人長屋西條奈加新潮社このアイテムの詳細を見る |
¥1,400+税 新潮社 2010/6/20発行
ISBN978-4-10-300314-4
とっつきに質屋千鳥屋があるから千七長屋。しかしその名より「善人長屋」のふたつ名の方が通りがいい。差配も店子も情に厚くて、そろいもそろって善人ばかり。
…というのは表の顔。実はこの長屋、住んでいるのは全員、裏稼業持ちの悪党なのだ。
そこに根っからの善人、加助が越してきた。筋金入りの人のよさ、困ってる人を放っておけない、行き倒れを拾い、捨て子の面倒を見、厄介ごとに首を突っ込んでは、長屋の住人たちが巻き込まれる。
加助が巻き起こす騒動は。
そしてそんな加助の屈託とは。
これはなかなか。
西條奈加の設定はひとひねりあっておもしろいなあ。
善と悪、徳と業。
軽く読めておもしろいのに、ちゃんと一本芯の通ったテーマがある。
読後感よし。