読書とかいろいろ日記

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『アメリカ医療の光と影』 李啓充

2009年07月07日 | 読書日記
アメリカ医療の光と影―医療過誤防止からマネジドケアまで』 李啓充
¥2,000+税 医学書院 2000/10/15発行
ISBN4-260-13870-7

これは向井万起男『ハードボイルドに生きるのだ』で絶賛していた本ですね。
万起男ちゃん自身医者だから、ひょっとしたらものすごく専門的な内容で、私が読んでも理解できないかも。心配だったけど、万起男ちゃんがとても誉めていたので、まあいっぺん読んでみるか、と。
そしたらこれがまあ、本当にたいへん良いです。
素人にも理解できる平易な文章で、説明的でありながら説明くさくない。

現代アメリカ医療の光と影――。
光:医療過誤防止
影:マネジドケア
それがなぜ光であり、影なのか。光はなぜ生まれ、どう輝いているのか。
影はなぜ影であり続けるのか。誰が影を生んだのか。
翻って日本の医療は、アメリカという見本がそこにありながら、光を見ようとせず、なぜか影を導入しようとしている…。

アメリカおよび日本の医療の将来を分析する本を読むと、まあだいたいどこでもマネジドケアが登場し、間違いなくその弊害が紹介されるのだけど、なぜか日本政財界のお偉方はこれがお気に入りらしい。自分の保険さえ確保できれば、貧乏人がどうなろうとどうでもいいという神経でないと、これだけ欠陥だらけのシステムを導入する気にはなれないと思うのだけどね…。

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