第5問
C社では現在、「特注部品」の多さから資材調達部の手配事務が煩雑化してきている。パソコンを活用して「特注部品」の手配事務や部品加工の効率化、スピード化する提案を120字以内で述べよ。
(出題の趣旨)
本問は、C社の課題となっている、パソコンによる特注部品の資材調達手配事務の軽減について、C社の規模や実情に応じた具体性と改善効果を有する提案ができるかなど、情報技術の活用による改善提案能力を問うものである。
(モトログ振り返り解答)
現状1回限りの仕様である特注部品の材料・部品・加工データを、既存データと合わせてパソコンに登録する。さらにGT手法によって類型化することで、特注部品についてもMRPシステムによる管理を行い手配事務や部品加工の効率化・スピード化を図る。
~ ここからダイアログ開始 ~
与件からパソコンによる資材調達手配事務に関する部分を抜き出してみる。
①資材調達部はパソコンにより、部品・材料データベースから必要数量、在庫の有無を確認
②発注が必要な部品・材料については、組立工程のスケジュールなどを考慮して、リードタイムをパソコン上で計算
③上記データベースから部品加工の作業手順書を引き出し、外注先または製造部に提供
④顧客の要望に応じた1回限りの仕様である「特注部品」は手作業で手配事務
⑤「特注部品」は増加傾向にあり、手配事務はますます煩雑化
「出題の趣旨」に基づき上記に対し「C社の規模や実情に応じた具体性と改善効果を有する提案」を考えなければならない。
「手作業で手配事務をおこなっている」という部分に着目すればやはり「特注部品の手配」はパソコン上でおこなうということになる。
ここで考えなければならないのが「1回限りの特注部品」をなぜ「パソコンに搭載」する必要があるのかということである。
ちょっと「なぜ」「そのためには」などを繰り返して原因や解決策を考えてみる。
「手作業でおこなっていた特注部品をパソコンのデータベースに搭載」
↓ なぜ(なんのために)
「過去の特注部品を参考にすれば、新しい部品の製造に役立てることができる」
「特注部品を含めた作業手順書の発行(電子データ)が可能になる」 ↓ そのためには
「検索が容易になるようデータベースの整備が必要」
↓ そのためには
「なるべく類似品どうしでくくり検索しやすくしておく」
↓ そうすることにより
「手配事務や部品加工の効率化・スピード化が可能」
という結論が導かれる。
実際(モトログ振り返り解答)で登場したMRPには触れなかったが、別に構わないと思う。
「C社の規模や実情に応じた具体性と改善効果を有する提案」なので。
グループテクノロジーという言葉を知らなくても「なるべく類似品どうしでくくり検索しやすくしておく」との表現でも意味は通じる。
(3人で導き出した解答)
特注部品の材料・部品・加工データは既存データと合わせてパソコンに登録する。類型品ごとにデータベース化し参照しやすくしておくことで、新たな特注部品の製造や作業手順書の電子データ化に役立ち、手配事務や部品加工の効率化・スピード化が図れる。
ここで前回のモトログのコメントとしてに書いた(以下を参照)なかで
http://blue.ap.teacup.com/motokuni/55.html
「GT」「標準化」「モジュール化」という3つのキーワードをあげた。
しかし3人でダイアログを繰り返すうちに「標準化」と「モジュール化」はないだろうという結論に達した。
やはり特注部品は「1回限りの仕様」なので「類似品を参照し、新規の部品製造に活用する」レベルがあっているような気がしたからだ。
よってここで「標準化」「モジュール化」という2語はカットさせていただきます。
(ちょっと待てよ・・・)
実はこの記事を書きながら1つ疑問が生じてしまいました。
それは上記の②のところには「発注が必要な部品・材料については、組立工程のスケジュールなどを考慮して、リードタイムをパソコン上で計算」と書いてあります。
つまり資材調達部は「組立工程のスケジュールなどを考慮した」発注をおこなっているのです。
実は前回「第4問」の「発注方法の改善策」で「加工期間に余裕を持たせるため受注時に内示発注を行い」との提案をしました。
「組立工程のスケジュールなどを考慮」しているにもかかわらず、なぜ「発注から組立作業日までの日程に余裕がない場合が多い」のでしょうか?
戦友の皆さん、次回お会いするときまでの宿題です。
常に「これでいいだろう」と思っていてもまだまだ出てくるものですね。
とりあえずは事例Ⅲダイアログは終了しておきます。
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