最近は「産学官」に「金」というキーワードが追加されるようになりました。
どうもkurogenkokuです。
先日、総務省のホームページに「地域経済循環創造事業交付金」の結果が公表されました。kurogenkokuが支援した案件も無事採択されていました。
→総務省の交付金なので申請は市を介して行っています。
【地域経済循環創造事業交付金に関する第二次交付予定団体の決定】
秩父産葡萄を活用したワインの製造販売と農家レストランの展開による地域需要創造事業
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/a01gyosei05_140530.html
事業主体となるのは昨年7月に設立された農業法人です。
もともと酒類販売を行う商店を経営されていた方で、これまではワインの製造は他社に委託するかたちで事業をすすめていました。いつか自家農園や秩父地域で栽培した葡萄をつかった自社ブランドワインを広く展開していきたいという夢を持っていて、秩父市吉田地区のフルーツ街道というところにワイナリーを建設し、原材料の調達から販売まで幅広く展開する運びとなりました。
kurogenkokuが支援にかかわったのはちょうど一年くらい前のこと。当時のことを思い起こせば、経営者の想いとは裏腹に多岐にわたり調整に必要な事項が多く、一時はこのままプッシュしてよいのだろうかと悩んだこともありました。
大きな投資を伴う事業です。あいまいな回答は許しません。事業進捗の過程で経営者にかなり厳しいことを言ってしまったこともありました。
農業関連ビジネスを展開する企業の支援をこれまで何社か手がけてきましたが、初期投資を回収するのは本当に大変です。では初期投資をうんと抑えればよいのかというとそこも難しい。相反するようですが、ある程度の生産能力を確保しないとビジネスになりません。
今回の事業についても6次産業化や農業関連資金の調達などいろいろなことを検討しましたが、なかなか成功するイメージが頭の中に浮かびません。初期投資の大きさが本当にネックなのです。
そんな時、秩父市の担当者が紹介してくれたのがこの助成事業でした。
交付対象経費は「地域の金融機関等と連携して事業化に取り組む民間事業者等が事業化段階で必要となる経費(初期投資等に係る経費及びそれらに付随する経費等)に対して地方公共団体が助成する経費」です。
といっても全額助成されるわけではありません。交付金に対する依存度が低ければ低いほどよいとされているので、スタートアップ期に必要な『最低限』の支援を受け、あとは自助努力で展開することになります。
採択要件として以下3点があるので、いずれもクリアしなければなりません。
(1)地域経済イノベーションサイクルとして効果の高いビジネスモデルを有すること。
・雇用吸収力の大きなもの
・地元の原材料を活用するもの
・地域金融機関の融資を伴うもの
(2)適切な地域金融が確保されているものであること。
・投資効果が高く、融資の確約があるもの
・金融機関が事業性を十分審査し、事業キャッシュフローの継続的な把握により、コンサルティング機能の発揮が期待されるもの(経営者保証や信用保証協会の保証がないものを優先)
(3)事業継続に向けて、産学金官の連携が具体的に認められること。
特に(2)について、地域金融機関は当該初期投資にかかる金額を「担保・保証人に依存しない融資」で実行しなければなりません。
支援する側としては相当高度な事業計画書を練り上げ、事業の妥当性を評価してもらわなければ申請できないので、そのあたりが通常の助成金と違う点ではないでしょうか。
これでもかというくらい他の仕事が詰まっていた4月に公募が始まり申請まで2週間という超短時間での支援。
銀行や大学との調整機関も含めればkurogenkokuが経営計画書をまとめあげる時間は1週間もありませんでした。その間、裏付けとなるデータを経営者と収集したり、自ら調べ上げたり、ほんと良い経験でした。
とはいえここからが本番です。
関係各位を裏切らないよう、経営者やスタッフには引き続きゲキを飛ばしながら支援を進めていきます。
事業が軌道にのった暁には、うちの職場にも100倍返しくらいしてもらわないとですね。
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