第4問(30点)
C社の外注管理、外注先への発注方法などについての問題点と改善策2つ(内外作決定以外)
【再現解答】
①外注加工品の納期遅れが組立作業の着手日に影響を与えている点が問題である。改善策は、外注加工の許容日数をあらかじめ加味したうえで生産計画を立案することにより、より正確な外注先の進度管理を行うことである。
②外注先への発注方法が、外注担当者の裁量にゆだねられている点が問題である。改善策は、外注先の選定は全社レベルで行うものとし、外注先の生産能力や技術力を詳細に把握したうえで発注先を決定することである。
【今思う解答】
①外注管理の問題点は、加工進捗状況を納品予定日の3日前に電話で把握している点である。改善策は、外注内容に応じて標準リードタイムを設定し、カムアップシステムによる進度管理を行い、納期遅延を防止することである。
②発注方法の問題点は、発注から組立作業日までの日程に余裕がない場合が多い点である。改善策は、生産能力を考慮した外注先を選定し、受注時に内示発注を行い、C社の生産計画を開示して、納期遅延を防止することである。
~ コメント ~
まず問題文には「外注加工品の納期遅れという問題点を解決するにあたり」とあるので「納期遅延を防止する」ための改善策を書くことが鉄則である。【再現解答】はこの時点で没になってしまった。
それでは①外注管理の問題点を考えると、与件に「加工進捗状況を納品予定日の3日前に電話で把握している」とあるのでそのまま抽出するだけでいいと思う。つまり外注管理の問題とは「進度管理のルーズさ」であり解答軸は「カムアップシステムによる進度管理」でいいのではなかろうか。
つづいて②発注方法の問題点は、与件に「発注から組立作業日までの日程に余裕がない場合が多い」とありこれも素直に抜き出す。では「日程に余裕がない」発注をどうしたら、「余裕がある」発注に変えられるだろうか。試験中には思いつかなかったが発注方法についていろいろ調べて見ると、やはりここは「内示発注」ということになると思う。
私の【再現解答】であげた「発注方法が、外注担当者の裁量にゆだねられている点」というのは、今思うと「内外作決定方法のあり方」そのものであり、問題文の「内外作決定方法以外で」という制約にかかるためTHE END。
第5問(20点)
パソコンを活用して「特注部品」の手配事務や部品加工を効率化、スピード化するための提案
【再現解答】
MRPシステムの導入を提案する。具体的には、製品ごとに必要な部品と数量を明確にし、ストラクチャー型の部品表を作成する。さらに取引先と長期契約を行い、タイムバケットごとにJIT購買を行うことで、手配業務の効率化、スピード化につなげる。
【今思う解答】
現状1回限りの仕様である特注部品の材料・部品・加工データを、既存データと合わせてパソコンに登録する。さらにGT手法によって類型化することで、特注部品についてもMRPシステムによる管理を行い手配事務や部品加工の効率化・スピード化を図る。
~ コメント ~
正直言って難しい問題だった。【再現解答】はMRPシステムの内容を述べただけなので、部分点すら厳しいと思う。
それはさておきこの問題をとくにあたって気になったフレーズがいくつかある。
1つ目は与件文2ページ目の「新規受注品が生産計画に追加された後、・・・・パソコン上で計算する。」
つまりすでにMRPは導入されていると考えてよいのか。
2つ目は同じく与件文2ページ目の「しかし、顧客の個別の要望に応じた1回限りの・・・・煩雑化してきている。」
ということはなかなか簡単に既存のデータに追加するのも大変そうだ。
以上の2点から類推すれば「VEで標準化」もしくは「グループテクノロジーで類型化」し「既存部品とあわせてMRPを適用」との解答軸が見えてくる。
実はこの【今思う解答】は合格発表前(出題趣旨発表前)に考えたものである。
難しかったのでMPの解答も参考にさせていただいたが・・・。
ところが「出題の趣旨」を読んで少し迷ってしまった。
「出題の趣旨」には「C社の規模や実情に応じた具体性と改善効果を有する提案」とわざわざ書いてある。
正直いってMRPシステムが「C社の規模や実情に応じた具体性と改善効果を有する提案」かどうかはわからない。
ではもっと簡単で具体的な提案とは。
【今思う解答】の前半部分は「現状1回限りの仕様である特注部品の材料・部品・加工データをパソコンに登録→GT手法によって類型化」そのものでよいと思う。
ただ後半についてはMRPまで踏みこまなくとも「類型化したデータ → パソコンから参照可能 → 登録資料を再利用」程度でも良いのではないか。
この第5問の出題の意図を「特注部品は一回限りの仕様ということをを意識しすぎてデータベース化できていないC社にどうアドバイスするか?」。と読み替えて見てはどうだろうか。
もしそうであるとすれば「GT」「標準化」「モジュール化」といったキーワードが浮かんでくる。
う~ん、どうだろうか。正直言って自信がない。
次回は事例Ⅳの振り返りをします。
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