KSKP
フレンズ
編集人:兵庫県精神障害者連絡会
〒661-0025兵庫県尼崎市立花町
好評連載中:YouTube「げんの部屋@gensroom」
YouTube「Liberation Radio」
ブログ https://blog.goo.ne.jp/kyoseisha
連絡先メールアドレス;gen1951@bcc.bai.ne.jp
精神障害の当事者による電話相談をしています。兵庫県知事委嘱精神障害者相談員が対応します。
秘密厳守。相談無料。精神障害者が対応していますので調子の悪いときは電話に出ません。
電話番号 090-3054-0947 (月~金10:00~12:00)
070-6521-3263 (月と水10:00~12:00)
№157
情報提供のお願い
【秘密厳守します】
精神障害と内科疾患の重複障害で内科医に診察拒否された、診察時に差別されたという体験をお持ちの方、またそういう話を聞いたという方の情報を求めます
2024年12月
一般社団法人人権精神ネット理事
兵庫県精神障害者連絡会代表
髙見元博
Eメール:gen1951@bcc.bai.ne.jp
電話:090-3054-0947
NHKのルポルタージュ「死亡退院」において、滝山病院が内科病院が忌避した精神障害と内科疾患の重複障害者を積極的に引き受けて、まともな治療を行なわず結果として8割が死亡するという悲惨な現実がもたらされていたことが明らかになりました。放送によれば、内科医が精神障害を忌避して診ることがないことが多いとのことでした。
私はこの問題は総合病院に精神障害と内科疾患との重複障害を引き受ける病床を必要相当数設けることを義務化することで解決可能であると思います。
そこで政策立案に必要な情報のご提供をお願いする次第です。
提供いただきたい情報はご自身か伝聞かを問わず、精神障害者であって内科疾患を患った時に、内科病院から差別を受けた、診察を拒否されたというご経験をお持ちの方の体験です。秘密厳守いたしますので、お名前と折り返し連絡可能な連絡先は明記してください。
例として私の経験ですが、自宅で倒れて内科クリニックにおいて血液検査の結果、内臓に炎症を起こしておりただちに入院をふくむ治療を受けないと危険であるという数値が出たにもかかわらず、救急医療につなげてもらうこともされず、自力解決するまで丸丸3日間何の治療も受けられずに放置されたということが24年の8月末にありました。
このような重篤な例でなくてもいいので、精神障害者で内科医に忌避された体験を集めたいと思います。
連絡先は、電話:090-3054-0947 Eメール:gen1951@bcc.bai.ne.jp まで、または郵便でよろしくお願いします。なお、電話は常識的な時間帯にお願いします。
記
提供いただきたい情報
① あなたの精神障害の病名
② どの様な内科疾患でしたか
③ どの地方自治体のことですか
④ 何という内科病院のことですか
⑤ どの様な差別を受けましたか
⑥ 受診拒否をされましたか
⑦ どのように解決されましたか
⑧ または解決されませんでしたか
⑨ その事でどうお感じになられましたか
⑩あなたのお名前と連絡先
(答えたくない項目は飛ばしていただいて結構です)
以上、よろしくお願いいたします。
NHKのルポルタージュ「死亡退院」を観ての感想
NHKのルポルタージュ「死亡退院」では滝山病院における悲劇の原因は、内科医・内科病院が精神障害者であって内科疾患を持つ人を精神障害ゆえに忌避して、診療を拒否しているという実体が背景として存在していると伝えられました。内科の疾患を観ることができる都立精神科病院は「急性期」しか診ないとして、内科疾患を持つ慢性期の精神障害者を診ることを拒否しているそうです。だから内科疾患を抱える慢性期の精神障害者の受け皿として滝山病院が必然化しているのだと。兵庫県の神出病院も同様です。そして滝山では「退院者」の8割が死亡しているという悲劇を生んでいるのです。
滝山、神出の問題解決には、精神障害者の身体病を診る総合病院の合併症病床をもっと増やして、公立の総合病院に義務づけることではないでしょうか。その際に、慢性期の身体病を診る総合病院の合併症病床を必要数確保することだと思います。精神障害者の身体病を内科医・病院等が差別して忌避する現実は確かに存在しています。だから「終末期施設」としての滝山、神出が必然化しているわけですから、そこを公立の総合病院等が診る体制を築けば良いのではないでしょうか。尼崎市内の県立総合病院には精神と身体の合併症を見る病床がありますが絶対数は全く足りていません。ましてやそのような病床がない自治体が多いことでしょう。
このようなNHKの「死亡退院」のように日精協の山崎學に好きなように言わせている現実は、山崎學が言うような「公立精神科病院が悪い」のではなくて、まさしく日精協に好きなように金儲けさせる体制を日精協がバックになって自民党と厚労省が作り上げていること根拠があるのです。国を挙げて精神障害者への棄民政策を行なっている。精神科病院全体が棄民政策であり、神出・滝山はその中の「終末期施設」としてあるのだと思います。だからこそ、精神障害者自身が声を上げなければならないのです。まずは、神出・滝山を個別に潰してから、そこの患者の行き先を総合病院にもっていくことではないでしょうか。
2/13精神科病院におけるスマートフォン自由化を求める院内集会
私たち全国患者の自由を求める会は、2024年に結成された、全国の精神障害当事者ら及びその真摯な支援者らからなる神出病院や滝山病院におけるような虐待をなくすことを目指す任意団体です。
当団体の主催にて、2025年2月13日午後15時30分より、衆議院第二議員会館多目的会議室にて、精神科病院におけるスマートフォン使用等の自由化を呼び掛ける院内集会を開催いたします。これによって、精神科病院入院者たちの通信の自由及び知る権利を確保し、神出病院や滝山病院における苛烈な虐待事件が再発することなどを防止することができるはずです。
みなさま、ご参加のほどよろしくお願いします。またZOOM中継もありますので全国各地からご注目下さい。【同封ビラ参照】
【患者虐待をした神出病院の廃院か一八億円を返すのか】
12/1病院地域精神医学会でのシンポジウム発表より その2
内部告発=院長らと職員の意思疎通なし
ひょうせいれんに神出病院の職員から内部告発が寄せられました。A四で数枚におよぶ文書でした。土居新院長、大久保院長代理には職員との意思疎通がまったく欠けていると告発にはありました。そこにあるのは上意下達のみであり、下意上達がまったく欠如していると言うのです。
また、ひょうせいれんのメンバーと医療福祉相談室課長(PSW)との交渉でも課長はたえず院長の顔色をうかがい自分ではなにも決められないのです。そういう習慣が身に染みついているのでしょう。神出病院の昔からの伝統が染みついていることを推察させました。
『黴の生えた病棟で』で神出は改善方向に向かっているといいますが、そのことの証言者は神出病院管理職三人組だけであり、患者はもちろん職員による裏付け証言はいっさいないのです。これでも信用しろと言われても無理です。
黴の原因となっている改修には二億円かかるという全館空調取り換えはいまだに行なわれた様子がないのです。
大澤元院長だけが極悪か
「黴の生えた病棟で」では大澤元院長ひとりが極悪であったのでるかのように描かれています。これは現神出病院三人組の証言が反映されているのでしょう。何しろこの本の証言者はこの三人しかいないのですから。そしてそれが錦秀会グループの意向を反映しているのではないかと思えるのです。錦秀会グループが大澤一人を切り捨てて終わらせようとしているのではないかと思えるのです。しかし、彼一人の問題へのすり替えはまったくおかしい。「大澤は極悪人」と仕立てて錦秀会(法人)を守る、すなわち藪本雅巳が患者から搾取した一八億円の問題を糊塗しようとする意図が透けて見えています。問題の本質は籔本雅巳による患者からの十八億円搾取が劣悪な環境と院長独裁の根本原因だったのです。大澤個人はとくに大きな利得を得ていたわけではないことが「第三者委員会報告」に書かれています。二〇年以上におよぶという看護師たちによる患者への虐待が始まったのは錦秀会グループが神出を買収するよりも前からですが、このような病院の体質が温存拡大されたのには、元兵庫錦秀会理事長籔本雅巳の患者からの十八億円搾取が無関係なはずがありません。
「改善」の実態=退院希望の任意入院者四九人が二年以上も入院中
任意入院で退院希望なのに二年以上入院させられている人が四九人もいます。そのなかには医療保護からの切り替えで任意入院となった人もいます。しかし、退院促進事業にかかっている人は一〇数人しかいません。また、「神出リカバリープログラム」という名の神出病院が退院促進だと言っている施策にかかっている人はたったの八人だけなのです。残りの三〇数人はいったいなぜ入院させられているのか全く不可思議です。
「退院希望の任意入院者を退院させない」ことはまったくの違法脱法です。これが「改善された」と一部で言われている神出の実体です。最近の死亡退院率三割というのが事件前の四割より低いから「改善」だとでもいうのでしょうか。
神出には生活保護による新規入院患者が多い
尼崎市担当課と尼崎市民で神出に生活保護での入院者の転退院を交渉しました。そこで分かったことがありました。
尼崎市からの生活保護の長期入院者は事件前から一人、事件後六人だそうです。事件前からの人がいることも、事件後に生活保護のよって入院した人が多数いるのも普通のことではありません。そのうちひとりはアルコール依存症の人ですが「アルコールプログラムにかからないから入院継続」なのだと説明されました。しかし、神出に「アルコールプログラム」は存在しないのです。これではいつまでたっても退院できないことになります。ただちにアルコール依存症専門病院に転院させて退院につなげるべきです。他にも転院可能な人ばかりでした。神出でなければならない理由のある人はいませんでした。
尼崎市には虐待を起こした精神科病院であるという認識がまったく欠如していたのです。市は「ご指摘を受けて、これから調査し直します」といいますが、まったくの後手後手に過ぎはしませんか。虐待があっても生活保護指定解除をしなかった権限者の神戸市はさらに悪質です。神戸市保健所は長い間「黴だらけの病棟」を見てきたのにそれで良しとしていたわけで、患者の人権など目にも入っていなかったのです。
行政が目をそらしたら元の木阿弥
二〇二四年四月に、神戸市保健所精神保健福祉課長は「忙しいから神出ばかりをやっていられない」と言いました。また、同年一〇月二四日開催の神戸市精神保健専門分科会に対して神戸市は「精神保健福祉専門分科会は今後も年一~二回の頻度で開催していく。しかし、神出病院に特化した運営形態は見直す。いずれは専門分科会「本来」のスタイルに戻していく。なぜなら、①専門分科会は神出病院のための協議体ではない。②神出病院以外の精神保健福祉施策に関する課題に対して専門的見地から議論をいただく必要がある。また、神出病院の状況については、必要に応じて引き続き専門分科会にも報告していく」ということを提起しました。
来年度からは、神出問題は議題の中心からはずし、神戸市が提供する精神保健福祉施策に関する課題に対して、専門的見地から議論してもらう従来の形にもどす。神出病院の状況については、必要に応じて専門分科会に報告する、ということです。やはり、精神保健福祉専門分科会の議題から神出問題ははずし、神出問題は神戸市が必要と考える報告だけで済ませるつもりで進めているようです。
専門分科会を傍聴した人によると危うい会議だったそうです。神戸市は積極的に神出の評価に出ていて、今年度で神出問題を終らせせる意向を明言するありさまでした。しかも、神出の発表内容に対して、指導する行政の立場からその内容を点検すべきところを、神出の発言の不足部分を補い、発言以上に十分にできているのだと強調するありさまでした。犯罪を犯すに至った病院に対して、市民目線で批判的な立ち位置に立つ行政ではありませんでした。委員の一人が、神戸市の立ち位置のおかしさ指摘し、嫌な雰囲気は少し解消に向かったそうです。別の委員が指摘して、神出や神戸市が出しているのは、通常の医療が行われている病院の医療の評価方法で、犯罪発生の原因に迫る内容はないし、再発防止の方策について全く示せていない、と核心を突きました。この指摘には、神戸市は少し慌てさせられたように見えました。分科会の雰囲気が、当然、来年度も神出問題の検討は継続という方向になっていたのですが、神戸市は誰かしかるべき人を選んで病院の実態調査に入るので、三月のその報告を基に神出問題から離れるかどうか、再度協議したいとして話しを終わらせました。終らせようのない話しをどう終らせるかに、これから、策を練るのだと思います。「しかるべき人」というのはいったいどういう立ち位置の人なのでしょうか。人選によっては夜間含めた病院の実態を見るのはけっこう難しいのかもしれないと思います。抜き打ちでない以上、病院もそのときの勤務者は無難な人を配置してくるでしょう。これに対しては、神戸市の開き直りを阻止するために、議会への働きかけも追求していきます。
「人権『擁護』運動」におけるいわゆる「政治タブー」問題を超えて
人権運動で特定政党批判をすると「その政党の支持者から応援されない」と理由づけて政治をタブー視することが普通に行なわれています。しかし、特定政党への支持・不支持の問題にすり替えてはならないと思います。なぜならば神出病院虐待事件の本質は政権と虐待精神科病院の密接性にあったからです。
「あべとも」である神出の上部法人「錦秀会グループ」前理事長籔本雅巳と政権との親密さを語られていたことと、虐待の必然性は一体でした。理事長(当時)の籔本雅巳による患者からの一八億円搾取と政権への金の流れがあったことは、「日刊ゲンダイ」「赤旗」が報じています。「日刊ゲンダイ」によれば二〇一一年~一九年錦秀会と籔本雅巳から自民党に流れた金は二五六七万円、「赤旗」二〇二一年一〇月九日によれば自民国会議員らに対する籔本雅巳からの献金額九一一万円(二〇一七~一九年まで)というものです。これは表に現れた金額であり「裏金」が一体いくらに上るのかは闇のなかです。
いまだに籔本雅巳が一八億円を患者に返還しないのはまったくなんの反省もない証拠です。籔本は虐待事件を起こしたことをなんら悪いとは思っていないのです。問題の本質である錦秀会グループによる支配の体質になんらの変化もない証拠です。
精神科病院は誰からもアンタッチャブル化されています。虐待を理由に廃院になった精神科病院は過去にただの一つも存在しません。一九八三年に看護師たちが患者二人をバットで殴り殺した宇都宮病院がいまも存続していることは象徴的です。虐待を行なった大和川病院が保険不正を理由に廃院になって以降、虐待精神科病院のやり方は巧妙化してきました。最近問題になっている患者の死亡退院率六〇%という滝山病院の前院長の朝倉は「保険はきっちりやっているから大丈夫だ」とうそぶいていたそうです。
【以下次号に続く】
《俳句・短歌のコーナー》
俳句は季節を表す言葉=季語の入った五七五の十七文字の一番短い詩です。
肩肘張らず、詩情と心もちが大事です。
冬日に人生の道探ること 志郎
小春日に俳句創作真剣に 志郎
年越し炊き出し終えて又きみ能登へ 晶子
泥に板敷き眠られぬ去年今年 晶子
曲がりなりにも生きてきた師走かな 俊彦
冬至過ぎ振り返る年向かう年 俊彦
短詩 精神の病の上に内科の病を得れば終末期病棟へ
送られる医療差別 元博
短歌 追悼 鈴木國男 色紙は黒を折るべし黒咬み千切る燦燦たれ
その火の粉舞へ 牧田美保「宇宙意志」より