KANZAKI'S WALK

real play records から神崎ひさあきの報告

ブルースの魂

2008-10-26 06:32:48 | Weblog
伸ちゃんが、旅立って1週間が過とうとしている。

毎朝起きる度、未だ呆然としてしまう。

10年以上前に「神崎、富士山でとれた石や。」と言って、僕の祝い事にプレゼントしてくれて
長年、僕の守護石となってくれている<ブルースの魂>と名付けたパワー・ストーンがある。

ブルースとは、しんちゃん、塩次伸二氏の事である。

僕は、演奏しに玄関を出る前に時々、声をかけて来た。「頼むぜ。」

自分のバンドを含め、演奏活動を共にさせてもらった数年間に、伸ちゃんは、音楽の深さとマジックを目の前で見せてくれた。
伸ちゃんの演奏中、そこまで行っているのかと横で何回も涙を隠すのが大変だった。

忘れられない光景がある。
「ええもん、見せたるわ。」と言って、演奏終了後、深夜、、東名を当時伸ちゃんの住んでいた河口湖方面に同乗させてもらい遊びに泊まりに行った事がある。
御殿場にさしかかった頃、「見てみい、夜富士や!」と指差す方向を見ると、暗闇しか見えなかったが、目を澄ませば、
星空の暗闇の中に、そびえ立つ富士山のシルエット、リアリティ、大パラノマ、
黒に黒、僕は、ロスコの絵を思い出した。
そして、「ええやろ!」と伸ちゃんのあの時の笑顔。

あの伸ちゃんの笑顔と深い黒は、忘れられない。
あの頃の伸ちゃんの音楽とシンクする、
伸ちゃんのBluesのひとつだったように思えるのだ。

まだまだ思い出は、沢山あるが、塩次伸二さんへの感謝の気持ちは、言葉では表せない。

あの頃の素晴らしい体験を胸に自分の演奏で応えようと思う。

神崎ひさあき