私がまだ小学生だった頃、毎日帰り道は近道を探していた。少し大人になってからはその道すべてが遠回りだった事に気付かされるのだけれども・・・その時かならず歩きたくなるのが川の横、なにがしたいのではなくつらつらと水面をそのへんに生えている葦のきれっぱしで叩きながら。たまに小魚でもみつけたりゲンゴロウがいたりすると我を忘れて半ズボンまで濡らしながら追いかけまわす。そしてかならず、かあちゃんにぶん殴られる。 . . . 本文を読む
十年くらい経つと思うのですが、忘れられない映画があります。題名ももちろん出演者なんかも全く分からないのですが、主人公は少し自閉症ぎみの青年。かれがひょんな事から知り合った浮浪者のじいさんの犬を助け出すところから物語がはじまったと思います。このじいさん、可愛がっていた犬を保健所に連れ去られ途方にくれていたところこの青年に会うんです。何分にご老体ゆえ一人ではどうしようもないのでこの青年を言葉巧みに誘い . . . 本文を読む