Lady Ella

ひとり語り・・・

老舗

2004-10-20 18:07:15 | 酔言
夕陽が急ぐ秋の夕暮れ時、少しだけ物静かになった 私はその店のカウンターに腰を落とす。 奥の調理場ではかなりのご老人が、機械的にただ黙黙と いなりをまきつづける。その手はもう何十年も酢飯に 洗われて赤ん坊の手のようにプクプクとしている。 「すみません、いなり20個麻の実ぬきで・・・」 「はいよ~」常連らしいご婦人がいなりを買っていった。 小さなテーブルに腰掛けたじいさんは遠い目でまるで 昔の活気を懐 . . . 本文を読む
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