新常置場所で初めて固定アンテナ(DP)を用意した時、取りあえず扱いやすい3D同軸を臨時で配線して、シャック内に引き込んでいました。そのまま先日までずっと細い3D同軸ケーブルのまま利用していたのですが、ここで5Dサイズを飛び越えて8Dサイズの太い同軸に換装できました。
( 3D-2V同軸 --> 8D-FB同軸 二階級特進!!)
(検索でヒットした画像を引用 クリックで損失表HPへ)
ハイバンドとはいえ短波帯に足をかけている周波数帯なので(18MHz、21MHz、28MHz)、10mを越える長さの常置場所固定アンテナケーブルを8D同軸にすることで、何がどう変わってくるだろうか?と、その後もダイヤルを回すようになりました。
しかしながら、最近になって太陽黒点数も減り(ここ数年はSSNが短波伝播の直接的指標にならない現状だと感じています。他の要素の影響の方が大きいようにも感じています。)、無線機の前に来てダイヤルを回すたびに「バンド内に信号が少ないなあ」と思うことが常になっています。
そうしたこともあって、まだ太くなったアンテナ同軸の「威力」を実現することなく今日に至っていますが、逆に「あれぇっ」という経験を思いがけずすることになったので、メモしておこうと思います。
先日、珍しく21MHzSSBでヨーロッパ・ハンガリーからの信号をキャッチできました。無線機のSメーターを見ると「S3」まで振っています。ここまで新常置場所のワイヤーダイポールアンテナを利用してきた経験則から「これなら交信できるな」と余裕でコールしました。
ああ、取ってもらえない!(^-^;)・・・スキップして聞こえていないもののどうやらパイルになっているらしい。
QRZ!・・・・あらためてコールサインを送信します。 あーまた取ってもらえない!
「8D同軸の威力を確認するせっかくの機会だから、腰を落ち着けてコールを重ねることにしよう」
・・・その後何度コールしても取ってもらえません。やり取りをワッチしていると、JA局からのコールを多く受けて交信成立を重ねています。ワッチすることで、決して伝播コンディションは良くなく、QSBで落ち込んだ時は了解できないことも多いようです。
こちらでの受信音も浮き上がってくると文句なしの59ですが、それもほんの一瞬ですぐ55くらいに下がって、確かに部分的には了解できなくなります。
「 何度かコールしているうちに、ちょうど浮かび上がったところで届くだろう 」
そうして、何度かコールをさらに重ねているうちに、どうやらパイルが小さいか、もしくは他からコールを受けていないタイミングがあったようです。
「 Again 」
と手ごたえのある反応がありました。「よしこれで交信できたぞ」と安堵して、落ち着いて歯切れのいい発音でコールサインを送信します。
・・・・ OK Roger JN4VWH TNX for your call, you are...
と応答が帰ってくると思ってPTTスイッチを放して受信に入ったら・・・・
・・・・ CQ CQ CQ DX this is HA・・・・あれえ、またCQが始まったよぉ(^-^;)
あーQSBの谷だったんだねえ、きっと。
またコールします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「 あ、とまった。聞こえたかな。」
・・・・ QRZ? QRZ?
もう一度コールサインを送り直します juliet november 4 ....
・・・・ CQ CQ CQ DX、CQ CQ CQ DX・・・・・
ここでやっと僕にも分かりました。送信した信号が届いていないことに。何か信号の存在、気配を感じさせるくらいには送信した信号が届いているようですが、コールサインにはなっていないんですね。コールサインのどこか一部でも了解できた様子さえありません。
これが8D同軸の威力? (--;) うーん。
例えば2012年秋のコンテストなどでは、
無線機のSメーターが「3」も振れていたら=交信確実、
「1-2」だったら=少し苦労するけど送信し直しをすることで交信成立、
「Sメーター0」=かなり覚悟して、相手も忍耐力のある無線局なら交信成立?かも
という経験則の判断がほぼそのままQSOの現実となっていました。どうやら、そうしたここまでの送信と受信のバランスが変化したということのようです。
で、たどり着くのは・・・もし10mを越えるアンテナ同軸ケーブルが太くなることで信号の減衰量が小さくなるとしたら、送信においては無線機の出力がより効率よくアンテナから発射されるというのは良しとして、受信する信号については「今まで聞こえなかった信号、無線機のSメーターが触れていなかった信号」が効率よく無線機まで伝達することになるのではないか、ということになります。すると、今まで無線機が「S0」または「S1」として感知していたSメーターの反応が、それを「S3」などと感知するようになるということかもしれません。
結果、今まで楽々交信できていた「S3」強度の信号なのに、アンテナ同軸が太くなったことで現在では交信不可能になる、ということもあるのでしょうか?
もちろんその他の要素(例、周りの環境、近くにあるエレメント、マストなど)も関連するのは当然なのですが、とりあえずそれを脇に置くとしたら、現在のシステムでは「S1-3」は交信がきびしく、せめて無線機のSメーター表示で「S3」以上の信号でないと交信は出来ない、ということになるのでしょうか。
となるとすくなくともまた新しいアンテナシステムでの、Sメーターの振れに見られる受信と送信のバランスを新たにチェックしていくことになるのかもしれません。
先の細い3D同軸利用のシステムでは「復調音が聞こえたら、こちらからの送信も届いて交信可能」という状態だったので、ある意味ちょうど扱いやすい送受信システム環境だったとも言えそうです(^-^;)。
・・・ローカル局との話題の中で、ふと思い出したことをメモしておきます。
以前ローカル局との実験交信で、こちらからの送信は相手局で了解できているというのですが、当局常置場所では内容が了解できない、ということがありました。複数回の実験交信で何度もそのようなケースがあったように思い出しました。
ということは・・・送信は実現しているが受信が悪い(耳が悪い)状態となります。その点については、同軸ケーブルが太い8Dになったことで、もしかしたら以前よりは受信信号の復調レベルがアップするかもしれません。その意味では8D同軸アンテナケーブルで送受信がもしかしたらちょうど良くバランスしているのかもしれません。
ともかく、もう少し実際に運用を重ねてみて今のアンテナの働き具合をチェックしてみるしかなさそうです。
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