昨日は、風地方から2時間程海沿いを北上した街にある県立の短大を会場に、発達障害に関する基調講演とシンポジウムがあると言う事で、施設職員8名で行って来ました。
発達障害と言うのは、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、自閉症およびアスペルガー症候群等の事を指します。
発達障害を抱えた人達は、普通の小、中、高校、人によっては大学へ進学する人もいますが、
コミュニケーションがうまくとれなかったり、注意力が散漫であったり、また読み・書きが苦手なために、学校や社会でうまく適応できない場合があります。そのため、虐待やいじめの対象となる事があり、学校嫌いとなって不登校、引きこもり、果ては非行に走る人もいます。
そして、成人になると就職が困難なニート状態になったり、就職してもフリーターと呼ばれるアルバイト生活の人が多いのです。働けたとしても、学校時代と同様に職場でのいじめにあうことが多いため、鬱状態になり、離職・転職を繰り返すことが多いのもこの障害の特徴です。
そんな発達障害の方々を、学校や職場などの一般の社会が理解し、対応できるようにするための様々な技法を研究の主テーマとして、活動している発達障害研究のスペシャリストが今回の講演者
宇都宮大学教育学部 教授の梅永先生
とかく、難しくて分かりにくい話になりがちな内容の話を
とてもフレンドリーな雰囲気で、分かりやすい表現とジョークを交えた
2時間半の講演でした。
どんな講演内容だったのか、かいつまんでご紹介します。
変わった子ども?
先生の言う事が分からない!
いつも怒られているばかり!
集中力がない!
友達と一緒に遊べない!
すぐにきれる!
片付けられない!
順番が守れない!
親のしつけが悪い?
違います。
これには原因があるのです。
その原因とは・・・何らかの原因で脳の一部を損傷し、発達障害を示していると考えられるのです。
ベン、やめなさい!
リーバー先生はいつも怒ってボクに言う。
やめなさいって、何を?
足を床から離して、椅子によりかかっていたこと?
実際は・・・口にペンを入れていたこと。
大好きな女の子に急に関係ない話を持ちかけた。
ボク、パソコンが大好きでね・・それで~
つい、話が長くなったら、その女の子がこう言った。
・・・あっちへ行って!
お尻につける?
先生と話をするときは必ず、「はい、リーバー先生」と
お尻につけなさい。
お尻につけるってどういう意味だろう。
先生をボクのお尻にくっつけるの?
どうして怒られてるんだろう。
「かんにんぶくろ」って?
学校なんて、大大大っきらいだ!
これは、「ベンとふしぎな青いびん」という
アスペルガー症候群の男の子のお話で、
障害児理解(支援)教育本としてアメリカではやっているものです。
アスペルガーの本人ではなく、
周りの子ども達を教育することで本人が尊敬されるようになったといいます。
(発達障害)
広義の発達障害・・・発達期に障害を持つ者
狭義の発達障害・・・自閉症、アスペルガー症候群、LD、ADHD
およびその周辺の障害
H17年 発達障害者支援法では狭義の発達障害者を対象
(知的障害)
精神薄弱、知恵遅れ、精神(発達)遅滞
知的水準が健常者に比べて2標準偏差以下の者
知能検査によるIQ値が70未満
療育手帳所持者
日本:6%
アメリカ:12%
イギリス:20%
IQ70~85:1723万人
・身体障害 366万人
・知的障害 54万+288万(隠れてる?)
・精神障害 303万
日本は6%というけど診断がついてない人も多い様です。
(自閉症とは)
自閉症の特徴1
発語が出ない
ごっこ遊びがない
友達に興味がない
注意の持続が難しい
名前を呼ばれても返事をせず、他人に無関心
激しいカンシャクを起こす
自閉症の特徴2
アイコンタクトが少ないか全くない。
目を見なさいと注意するのは意味がない。ストレスになるだけ
手をひらひらさせたり、身体を前後に揺すったりする行動がある
一つのことを(扇風機など)に固執する
変化を嫌う
ある特定の音や臭いに敏感
アスペルガーの特徴1
友達がいない、作ろうとしない
表情のような社会的コミュニケーションを読むことが出来ない
自分と異なる他人の感情を読むことができない
友達がほしくても作り方がわからない
アスペルガーの特徴2
興味の範囲が狭い(時刻表のように)
運動神経が鈍い
変化に弱い
機械的、ロボット的なしゃべり方をする
人の気持ちを無視してしゃべり続ける
自閉症の定義
社会的交互作用の異常・・・感情的な交流がない、目があわない
コミュニケーションの異常・・・話し言葉がない、オーム返しが多い(エコラリア:echolalia)、独特のイントネーション、イマジネーションの障害(常同運動など)
興味や活動が限局している、常同的で反復的な行動が多い
アスペルガーの定義
社会性の欠如・・目と目が合わない、マイペース
狭い興味の範囲・・・鉄道模型や時刻表に熱中する、変化に弱い
自閉症とASを含めて広汎性発達障害あるいは自閉症スペクトラム
高機能自閉症の定義
自閉症の定義に当てはまり、知的に障害がない場合
(LDとは)
LD(学習障害)
読みの障害→文字の区別ができない、文字を音声に結びつけられない
書きの障害→うまく○れない、鏡文字になる、句読点がうてない
計算の障害→繰上げが分からない、文字や図形を正しく写せない→空間認知障害
文字の読み、書きについては
鏡像文字 bd pq MW さち くつ
類似文字 mn uv ll(i) vw CG EF けはほ めぬ さき るろ わね
フワ、クタ、ンシツ、ソリ、テチ、ヌス、メナ、ユエ、ハル
(英語に慣れていない私たちが、BとVの発音の違いが分からないのと同じ状態)
ADHD(注意欠陥多動障害)
不注意:言われた事を聞いていない、課題を最後までやり遂げる事が出来ない、毎日活動や約束を忘れる
多動:じっとしていられない、コートを着る前にドアを出てしまう、落ち着かないという気持ちがある
衝動性:順番を待つ事ができない、質問が終わる前に答えてしまう、他人を妨害し邪魔をする
ニートの1/4に発達障害あり
発達障害の共通の問題
見えにくい障害→虐待の誘発
能力のアンバランス→無理解・いじめ
発達の遅れ→2次障害の併発(うつ病・強迫性障害)
その結果
青年期、成人期に様々なトラブルを生じる事になる
自閉症と診断された人の事件→レッサーパンダ事件
アスペルガー症候群と診断された人の事件→豊川事件、ハイジャック事件、長崎峻君事件、福島母親殺人事件、岡山駅ホーム突き落とし事件
ADHDと診断された人の事件→サカキバラセイト
しかし・・・その反対に
ADHDとして坂本竜馬、エジソン、ダ・ヴィンチ、黒柳徹子、長島監督
LDとしてトムクルーズ、キアヌリーブス
AS(高機能自閉症)としてモーツアルト、ゴッホ、ガウディ、ビルゲイツ、ニュートン
その違いは→教育にあり
だらしない、覚えが悪い、やる気がない→そういった見方ではない
本人の特性を理解してあげる→まずは学校の教師から
必ずほめる→そうしてこうしたらもっと良くなると肯定的に接する
得意分野をのばす→音楽、絵、パソコン、工作(建築)スポーツ等
とてもわかりやすくて、面白くて・・でも・・
ここまで、聞いているうちに・・・ふと思いました。
こんなに細かく、広範囲な事が障害となってくると・・・
人って、みんな何かしらの障害者なんじゃないかって・・
ある程度の定義付けは出来ても、あまりに括りが大きすぎて
100人いたら100通りの症状・・・
多分・・・σ(・・*)アタシって福祉職員に向いてないのかも^^;
ともあれ・・有意義な?研修会でした(#^.^#)
発達障害と言うのは、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、自閉症およびアスペルガー症候群等の事を指します。
発達障害を抱えた人達は、普通の小、中、高校、人によっては大学へ進学する人もいますが、
コミュニケーションがうまくとれなかったり、注意力が散漫であったり、また読み・書きが苦手なために、学校や社会でうまく適応できない場合があります。そのため、虐待やいじめの対象となる事があり、学校嫌いとなって不登校、引きこもり、果ては非行に走る人もいます。
そして、成人になると就職が困難なニート状態になったり、就職してもフリーターと呼ばれるアルバイト生活の人が多いのです。働けたとしても、学校時代と同様に職場でのいじめにあうことが多いため、鬱状態になり、離職・転職を繰り返すことが多いのもこの障害の特徴です。
そんな発達障害の方々を、学校や職場などの一般の社会が理解し、対応できるようにするための様々な技法を研究の主テーマとして、活動している発達障害研究のスペシャリストが今回の講演者
宇都宮大学教育学部 教授の梅永先生
とかく、難しくて分かりにくい話になりがちな内容の話を
とてもフレンドリーな雰囲気で、分かりやすい表現とジョークを交えた
2時間半の講演でした。
どんな講演内容だったのか、かいつまんでご紹介します。
変わった子ども?
先生の言う事が分からない!
いつも怒られているばかり!
集中力がない!
友達と一緒に遊べない!
すぐにきれる!
片付けられない!
順番が守れない!
親のしつけが悪い?
違います。
これには原因があるのです。
その原因とは・・・何らかの原因で脳の一部を損傷し、発達障害を示していると考えられるのです。
ベン、やめなさい!
リーバー先生はいつも怒ってボクに言う。
やめなさいって、何を?
足を床から離して、椅子によりかかっていたこと?
実際は・・・口にペンを入れていたこと。
大好きな女の子に急に関係ない話を持ちかけた。
ボク、パソコンが大好きでね・・それで~
つい、話が長くなったら、その女の子がこう言った。
・・・あっちへ行って!
お尻につける?
先生と話をするときは必ず、「はい、リーバー先生」と
お尻につけなさい。
お尻につけるってどういう意味だろう。
先生をボクのお尻にくっつけるの?
どうして怒られてるんだろう。
「かんにんぶくろ」って?
学校なんて、大大大っきらいだ!
これは、「ベンとふしぎな青いびん」という
アスペルガー症候群の男の子のお話で、
障害児理解(支援)教育本としてアメリカではやっているものです。
アスペルガーの本人ではなく、
周りの子ども達を教育することで本人が尊敬されるようになったといいます。
(発達障害)
広義の発達障害・・・発達期に障害を持つ者
狭義の発達障害・・・自閉症、アスペルガー症候群、LD、ADHD
およびその周辺の障害
H17年 発達障害者支援法では狭義の発達障害者を対象
(知的障害)
精神薄弱、知恵遅れ、精神(発達)遅滞
知的水準が健常者に比べて2標準偏差以下の者
知能検査によるIQ値が70未満
療育手帳所持者
日本:6%
アメリカ:12%
イギリス:20%
IQ70~85:1723万人
・身体障害 366万人
・知的障害 54万+288万(隠れてる?)
・精神障害 303万
日本は6%というけど診断がついてない人も多い様です。
(自閉症とは)
自閉症の特徴1
発語が出ない
ごっこ遊びがない
友達に興味がない
注意の持続が難しい
名前を呼ばれても返事をせず、他人に無関心
激しいカンシャクを起こす
自閉症の特徴2
アイコンタクトが少ないか全くない。
目を見なさいと注意するのは意味がない。ストレスになるだけ
手をひらひらさせたり、身体を前後に揺すったりする行動がある
一つのことを(扇風機など)に固執する
変化を嫌う
ある特定の音や臭いに敏感
アスペルガーの特徴1
友達がいない、作ろうとしない
表情のような社会的コミュニケーションを読むことが出来ない
自分と異なる他人の感情を読むことができない
友達がほしくても作り方がわからない
アスペルガーの特徴2
興味の範囲が狭い(時刻表のように)
運動神経が鈍い
変化に弱い
機械的、ロボット的なしゃべり方をする
人の気持ちを無視してしゃべり続ける
自閉症の定義
社会的交互作用の異常・・・感情的な交流がない、目があわない
コミュニケーションの異常・・・話し言葉がない、オーム返しが多い(エコラリア:echolalia)、独特のイントネーション、イマジネーションの障害(常同運動など)
興味や活動が限局している、常同的で反復的な行動が多い
アスペルガーの定義
社会性の欠如・・目と目が合わない、マイペース
狭い興味の範囲・・・鉄道模型や時刻表に熱中する、変化に弱い
自閉症とASを含めて広汎性発達障害あるいは自閉症スペクトラム
高機能自閉症の定義
自閉症の定義に当てはまり、知的に障害がない場合
(LDとは)
LD(学習障害)
読みの障害→文字の区別ができない、文字を音声に結びつけられない
書きの障害→うまく○れない、鏡文字になる、句読点がうてない
計算の障害→繰上げが分からない、文字や図形を正しく写せない→空間認知障害
文字の読み、書きについては
鏡像文字 bd pq MW さち くつ
類似文字 mn uv ll(i) vw CG EF けはほ めぬ さき るろ わね
フワ、クタ、ンシツ、ソリ、テチ、ヌス、メナ、ユエ、ハル
(英語に慣れていない私たちが、BとVの発音の違いが分からないのと同じ状態)
ADHD(注意欠陥多動障害)
不注意:言われた事を聞いていない、課題を最後までやり遂げる事が出来ない、毎日活動や約束を忘れる
多動:じっとしていられない、コートを着る前にドアを出てしまう、落ち着かないという気持ちがある
衝動性:順番を待つ事ができない、質問が終わる前に答えてしまう、他人を妨害し邪魔をする
ニートの1/4に発達障害あり
発達障害の共通の問題
見えにくい障害→虐待の誘発
能力のアンバランス→無理解・いじめ
発達の遅れ→2次障害の併発(うつ病・強迫性障害)
その結果
青年期、成人期に様々なトラブルを生じる事になる
自閉症と診断された人の事件→レッサーパンダ事件
アスペルガー症候群と診断された人の事件→豊川事件、ハイジャック事件、長崎峻君事件、福島母親殺人事件、岡山駅ホーム突き落とし事件
ADHDと診断された人の事件→サカキバラセイト
しかし・・・その反対に
ADHDとして坂本竜馬、エジソン、ダ・ヴィンチ、黒柳徹子、長島監督
LDとしてトムクルーズ、キアヌリーブス
AS(高機能自閉症)としてモーツアルト、ゴッホ、ガウディ、ビルゲイツ、ニュートン
その違いは→教育にあり
だらしない、覚えが悪い、やる気がない→そういった見方ではない
本人の特性を理解してあげる→まずは学校の教師から
必ずほめる→そうしてこうしたらもっと良くなると肯定的に接する
得意分野をのばす→音楽、絵、パソコン、工作(建築)スポーツ等
とてもわかりやすくて、面白くて・・でも・・
ここまで、聞いているうちに・・・ふと思いました。
こんなに細かく、広範囲な事が障害となってくると・・・
人って、みんな何かしらの障害者なんじゃないかって・・
ある程度の定義付けは出来ても、あまりに括りが大きすぎて
100人いたら100通りの症状・・・
多分・・・σ(・・*)アタシって福祉職員に向いてないのかも^^;
ともあれ・・有意義な?研修会でした(#^.^#)
でもね、誰もその事実を認めようとしなくて性格だと言い張るのよ。
あまり会わない私ですら最初から ‘あれ?’って思ったくらいなのに。
まだね、そういう障がいを病気ではなく恥だと思う人が世間にはいっぱいいて、そういう認識不足が故にちゃんとした治療やリハビリが受けられずに、周りから誤解され辛い人生を歩んでる人達がいるんだなぁって思ったよ。。
周囲が容認出来れば、本人も家族ももっと生きやすいのだろうけど、難しいのが現実なのよね…
妹さんの嫁ぎ先の方も、きっと辛いはずよ…本人も…周囲もね…
何かキッカケが出来て、変われるといいね
これは、大変難しい問題なのです。
一口に「発達障害」と言っても
括りがあまりにもアバウトなので
何をどうすればいいのか本当に分かりづらいのです。
だから当然、様々な感情が生まれます。
のんさんに野球を教えてもらった多動の子は
幸せでしたね(^O^)