名所江戸百景を訪ねて
名所江戸百景を訪ねて
第78景 「鉄炮洲稲荷橋湊神社」
作品は、西からの下り物を運んできた大型船から小型船に積み替え、配送する様子が描かれています。
近景には二艘の大型船の帆柱が二本、大きく描かれています。
作品に描かれた水面は、横に流れるのは、越前堀(現在の亀島川)。縦に流れるのは、八丁堀です。
その八丁堀に架かる手前の橋は、稲荷橋、さらに上流に架かる橋は、中の橋です。
左端に描かれている朱塗りの玉垣の向こうの建物は、鉄炮洲稲荷の社殿の屋根です。
鉄炮洲
江戸時代の地名です。
現在の東京都中央区湊、明石町に相当します。
江戸時代には港として栄えていました。
鉄炮洲稲荷
鐵砲洲稲荷神社(てっぽうずいなりじんじゃ)は、東京都中央区湊にある神社です。
八丁堀
(はっちょうぼり)
寛永年間(1624〜1644)隅田川に通じる舟便のため堀が掘削され、堀の長さが八町であったため呼称となったといわれています。
京橋川の白魚橋から東側の川筋で、江戸湾に注いでいました。
現在は埋め立てられその姿はありません。
亀島川
(かめじまがわ)
東京都中央区を流れる荒川水系の一級河川です。
描かれた場所は
現在どのようになっているのでしょうか?
訪ねてみました。
南高橋の側より、かつて稲荷橋のあった方角を撮影してみました。
最後に
江戸時代、八丁堀にかかる稲荷橋の側にあった鉄砲洲稲荷神社ですが、現在は東京都中央区湊1−6ー7に移転しています。
かつて神社のあった場所には、別の建物が建っています。
変わらないのは、亀島川の流れだけのようです。
参考
Wikipedia
太陽の地図帖 広重「名所江戸百景」の旅