リートリンの覚書

第二十代・安康天皇


第二十代・安康天皇(あんこうてんのう)


生没年 401?~456(享年56歳?)
在位年 453(53歳?)~456(56歳?)


別名


穴穂天皇
(あなほのすめらみこと)

穴穂皇子
(あなほのみこ)

穴穗御子
(あなほのみこ)




允恭天皇
(いんぎょうてんのう)




忍坂大中姫命
(おしさかのおおなかつひめのみこと)


配偶者


皇后中蒂姫命(なかしひめのみこと)


(日本書紀より作成)


皇子女なし


略歴(日本書紀の伝えより)


安康天皇は、允恭天皇の第二子です。
(一書では、第三子と)

母は忍坂大中姫命で、稚渟毛二岐皇子の娘です。

允恭天皇42年1月、
天皇が崩御しました。

10月、
葬禮(そうれい)が終わりました。

この時、太子・木梨軽皇子(きなしのかるのみこ)は暴虐な行いをして、婦女に淫らでした。国の人はこれを謗(そし)り、群臣は悉く従わず、穴穂皇子に従いました。

そこで、太子は穴穂皇子を襲おうと思い、密かに兵を設けました。

穴穂皇子もまた、兵を興して、まさに戦おうとしました。

こういうわけで、穴穂括箭(あなほや)、軽括箭(かるや)が、始めてこの時に起こりました。

時に太子は、群臣が従わず、百姓がそむいたことを知り、物部大前宿禰の家にかくれました。

穴穂皇子はそれを聞き、囲みました。大前宿禰は、門に出て迎え、「願わくは、太子を殺さないでください。臣が議らいましょう」といいました。

こういうわけで、太子は大前宿禰の家で自死しました。
(一書では、伊予国に流したと)

12月14日、
穴穂皇子は天皇位に即きました。皇后を尊び皇太后としました。

都を石上(いそのかみ)に遷しました。これを穴穂宮といいます。

この時、大泊瀬皇子(おおはつせのみこ)は、反正天皇の娘等を娶りたいと思いました。
しかし、皇女等は、「君王は恒に荒く強(こわ)いです。また、私たちは、顔が秀でておらず、人となりは拙いです。もし、威儀(ふるまい)や言語(ことば)がわずかでも王の意にかなわなかったら、どうして親しくできるでしょうか。ですから命に従うことはできません」と答え、逃れました。

安康天皇元年2月1日
天皇は大泊瀬皇子の為に、大草香皇子の妹・幡梭皇女(はたびのひめみこ)を招き迎えたいと思っていました。

そこで根使主を大草香皇子の処へ遣わせました。

大草香皇子は病を患っており、いつ死んでも天命であるから悔いはないが、妹・幡梭皇女が、独りになり拠り所がないことを心配していました。

そこで、天皇の命を大変喜び、命を受け入れ、真の心を示したいと、宝・押木玉縵(おしきのたまかずら)を献上しました。

しかし、その宝を見た、根使主はその美しさに魅せられ自分の物にしたいと思いました。

そこで天皇に大草香皇子が命を拒んだと讒言しました。安康天皇はそれを信じて、大草香皇子を殺しました。

この時、難波日香蚊(なにわのひかか)、父子が、大草香皇子に仕えていました。共に、その君に罪がないのに死んだのを傷み、殉死しました。

大草香皇子の妻・中蒂姫(なかしひめ)を宮中に納(めしい)れ、妃としました。

また、遂に幡梭皇女をよび、大泊瀬皇子に配偶しました。

安康天皇2年1月17日
中蒂姫命を立てて皇后としました。
中蒂姫命は、大草香皇子とのあいだに眉輪王(まよわのおおきみ)を生んでいました。眉輪王は母によって免罪され、常に宮中で養いました。

安康天皇3年8月9日
天皇は眉輪王によって殺されました。

三年の後、菅原伏見陵に葬りました。


日本書紀




皇居


石上穴穂宮
(いそのかみのあなほのみや)




菅原伏見西陵
(すがわらのふしみのにしのみささぎ)


そのほか


・中国の『宋書』に記される「倭の五王」の中の倭王興に比定されています。

・安康天皇の石上之穴穂宮があった場所には穴穂神社があります。


祀る神社


蔵王神社(千葉県千葉市)


天皇・年表

401年履中天皇2年(0歳?)


誕生?


453年允恭天皇42年(52歳?)


1月
天皇が崩御

10月
葬禮が終わる

兄・木梨軽皇子は暴虐な行いをし、群臣は悉く従わず、穴穂皇子に従う
木梨軽皇子、自害する
(伊予に流されたとも伝わる)

12月14日
穴穂皇子が即位
皇后を尊び皇太后とする
石上穴穂宮に遷都する


454年安康天皇元年(53歳?)


2月1日
根使主の讒言を信じ、大草香皇子を殺す

大草香皇子の妻・中蒂姫を召し入れ妃とする


455年安康天皇2年(54歳?)


1月17日
中蒂姫命を立てて皇后とする


456年安康天皇3年(55歳?)


8月9日
眉輪王によって殺害される


459年雄略天皇3年


菅原伏見陵に葬られる

略歴・年表は
日本書紀をお参考に作りました。



新しい知識を得た場合
随時更新予定です。


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