リートリンの覚書

日本の神様・倉稲魂命



日本の神様

倉稲魂命
(うかのみたまのみこと)


日本の代表的な食物神「お稲荷さん」
 
普段は稲荷神として活躍し、俗に「お稲荷さん」と呼ばれて親しまれています。
 

別名

 
宇迦之御魂神
(うかのみたまのかみ)

稲荷大明神

三狐神
(さぐじ)

御食津神
(みけつかみ)など
 
名前の「宇迦」は、穀物・食物の意味で穀物の神です。
 

神格

 
稲荷社に祀られる稲の神

食物の神
 

「日本書紀」では


日本書紀 巻第一 神代上 
第五段の第六の一書では、
このように、登場しています。
 
また、空服の時に生まれた子を、倉稲魂命と名付けました。
 
伊弉諾尊・伊弉冉尊が大八洲を生んだあと、飢えを感じて倉稲魂命を生んだと記され、食物との関係が明らかに示されています。
 

「古事記」では

 
本文では、このように登場しています。

また、大山津見神の娘、名を神大市比売と結婚して、生まれた子が、大年神。次に宇迦之御魂神。二柱です。

素戔嗚尊と神大市比売に生まれた子どもとされていますが、詳しい詳細は示されていません。
 

そのほか

 
・稲荷信仰は、奈良時代に発生したものと考えられます。伏見稲荷大社の社伝には、和銅四(711)年に稲荷山三ケ峰に稲荷神が鎮座したとあります。現在の伏見稲荷大社のとるところです。この稲荷信仰のルーツは当時山城国一帯に住んでいた渡来系の豪族・秦(はた)氏が、自分達の氏神として祀った穀霊神、農耕神です。稲荷は「稲生る」が転訛したという説があるように、その信仰の核は、「百穀の首座にある稲霊(穀霊)」にほかなりません。それは倉稲魂命の性格とも一致します。秦氏の勢力拡大にともなって稲荷神の信仰圏が次第に拡大します。その家庭で古くから信仰されてきた穀霊神の倉稲魂命と結び付いたものと考えられます。のちに稲荷神は、仏教と習合したり、さまざまな民間信仰を巻き込みながらやがて日本の民俗宗教のなかにおける代表的な霊威神の位置を獲得しました。やがて商業・工業の発展と社会変化のなかで、稲荷信仰は仏教的な現世利益の思想を取り入れ、人々の新たな欲求に自在に対応するようになりました。現在、この神様を祀る全国の稲荷神社・稲荷社は三万二千社、名もない小社を含めると四万とも五万とも言われています。
 
・稲荷神は、神仏習合の思想で荼枳尼天(だきにてん)と同一化され、豊川稲荷(愛知県)、最上稲荷(岡山県)などの寺院でも祀られています。仏教の神・荼枳尼天は人を選ばずに願いを成就するとされ、階層を問わず人々から信仰を集めました。
 

神徳

 
五穀豊穣
産業興隆
商売繁盛
家内安全
芸能上達
百貨店の神
麻雀の神
煙草屋の神など
 

祀る神社


 豊川稲荷
(愛知県豊川市)

笠間稲荷神社
(茨城県笠間市)

祐徳稲荷神社
(佐賀県鹿島市)
 
伏見稲荷大社
(京都府京都市)

根津神社 摂末社 乙女神社
(東京都文京区)

根津神社 摂末社 駒込稲荷神社
(東京都文京区)

熊野神社 境内末祠 稲荷神社
(東京都葛飾区)

天祖神社 境内末社 豊受稲荷神社
(東京都葛飾区)

亀戸浅間神社 境内社 稲荷神社
(東京都江東区)

猿江神社
(東京都江東区)

吾嬬神社 境内社 福神稲荷神社
(東京都墨田区)

江東天祖神社 境内社 太郎稲荷大神
(東京都江東区)

三囲神社
(東京都墨田区)

王子稲荷神社
(東京都北区)



新しい知識を得た場合
随時更新予定です。



参考
PHP文庫 「日本の神様」がよくわかる本 戸部民夫




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