我が家で久しぶりに鉄板焼きを食した。
鉄板焼きと言っても、実質はホットプレート焼き。
食材は牛肉、キャベツ、ピーマン、とうもろこし、じゃがいも、人参、玉ねぎ、椎茸等。
これを始めると何故だか食べ方が「それっ!」になる。
別に誰かに取られそうだから急ぐなんてわけでもないのに、次々とホイホイ焼いては、せわしない食べ方になってしまう。
今日などは敢えて「ちょっと、ゆっくり食べよう!」と自ら宣言する始末である。
食べ物にまつわる思い出は様々あるものだが、鉄板(ホットプレート)焼きには楽しくない記憶が残っている。
或る冬の夜、実家で両親とホットプレートを囲んで「いただきます」となった途端、電話が鳴った。
電話の内容は、父親が当時勤めていた小企業の会長が急逝したというものだった。
しかも、病院でも会社でもない場所での突然死に近い状況で、何をどうすれば良いものやら他の従業員は途方に暮れていた。
親戚でも何でもないけれど公私共に会長の右腕だった父は、即座に寒空の下を大急ぎで出て行った。
残された母と私は、かなり興奮した頭で言葉を交わしながら、父からの連絡を待った。
現在のように携帯も無い時代、固定電話が鳴るのを待つしかなかったのである。
時間が過ぎ、“程よく焼けて冷えた”肉や野菜をボソリボソリと食べ終わって暫く経った頃、ようやく電話がかかってきた。
会長の逝去に事件性はなかったものの、後々の事を差配せねばならず、まだ時間が掛かるとのこと。
結局、朝方まで父は空腹を抱えて奔走する破目になった。
その父も泉下の人となって4年近くになる。
これまた事件性が全くない病没だったにも拘らず、傍らの警察の人達に監察医と間違われた私は外科医の孫であります。
鉄板焼きと言っても、実質はホットプレート焼き。
食材は牛肉、キャベツ、ピーマン、とうもろこし、じゃがいも、人参、玉ねぎ、椎茸等。
これを始めると何故だか食べ方が「それっ!」になる。
別に誰かに取られそうだから急ぐなんてわけでもないのに、次々とホイホイ焼いては、せわしない食べ方になってしまう。
今日などは敢えて「ちょっと、ゆっくり食べよう!」と自ら宣言する始末である。
食べ物にまつわる思い出は様々あるものだが、鉄板(ホットプレート)焼きには楽しくない記憶が残っている。
或る冬の夜、実家で両親とホットプレートを囲んで「いただきます」となった途端、電話が鳴った。
電話の内容は、父親が当時勤めていた小企業の会長が急逝したというものだった。
しかも、病院でも会社でもない場所での突然死に近い状況で、何をどうすれば良いものやら他の従業員は途方に暮れていた。
親戚でも何でもないけれど公私共に会長の右腕だった父は、即座に寒空の下を大急ぎで出て行った。
残された母と私は、かなり興奮した頭で言葉を交わしながら、父からの連絡を待った。
現在のように携帯も無い時代、固定電話が鳴るのを待つしかなかったのである。
時間が過ぎ、“程よく焼けて冷えた”肉や野菜をボソリボソリと食べ終わって暫く経った頃、ようやく電話がかかってきた。
会長の逝去に事件性はなかったものの、後々の事を差配せねばならず、まだ時間が掛かるとのこと。
結局、朝方まで父は空腹を抱えて奔走する破目になった。
その父も泉下の人となって4年近くになる。
これまた事件性が全くない病没だったにも拘らず、傍らの警察の人達に監察医と間違われた私は外科医の孫であります。