怖ろしき問題

　様々なニュースが駆け巡る中、ずっと私の心に引っかかっている怖ろしい問題。　それはアフリカにおけるエボラ出血熱の蔓延である。
「そんなの誰でも怖いしぃ」
　とか
「私等が考えてもどうしようもないでしょ」
　と言うのは、わが耳には全く意味を持たぬ言葉だから無駄ですヨ。

　アフリカのシエラレオネでエボラ出血熱患者の治療にあたっていたイタリア人医師がエボラウイルスに感染し、治療のため帰国したという。　医師はイタリア人としては初のエボラ感染者となった。　24日夜から25日朝の間にローマ市内の国立感染症研究所に移送される予定だ。
　国境なき医師団をはじめとして各国の医師と看護師が危険に身を曝しつつ、現地で治療にあたっていることに頭が下がる。
　病気を理解しない人や誤った考えを持つ人も多い状況で、なんとか治療を試みて感染拡大を防ごうとしながら不覚にも自らが感染してしまった医療従事者たちの心情や如何ばかりか。

　先月14日、国連のエボラ緊急対応チームを率いるアンソニー・バンバリー氏が
「エボラ出血熱を今止められなかったら、世界は完全に未曽有の事態になる」
「12月までの60日間が闘いになる」
　と訴えていた。　さらに西アフリカなどの現場で複雑な対策が必要とされており
「そのうち1つにでも失敗すれば、我々は敗北する」
　とさえ語っていた。
　そのバンバリー氏が一部地域では目標を達成する見通しだとしつつも、シエラレオネでの感染者増加を受け、期日目標の完全達成は困難と発表した。

　少し前に日本のTVにおいて、感染症の専門家でも何でもないコメンテーターがエボラに関する意見を求められて
「まー、“正しく怖がる”のが重要なんじゃないでしょうか」
　などと、この場合完全に的外れな説で締め括っていたのを見た時にはズッコケた。
　軽い情報番組の製作陣は適当な話でお茶を濁しておくのもいいかもしれない。
　しかし、日本政府全体の危機感欠如は尻を叩かねばならぬ次元である。　当該問題に関して政府とコンタクトを取る方法はあるので、日本が置かれている状況を憂う方は是非調べて行動して頂きたい。

　世界保健機関が発表したデータによれば、現時点でエボラ熱の死者数は5459人、感染者数は1万5351人に達している。

【速報】 長野で震度６弱

　２２時０８分頃、長野県を中心とした強い地震が発生した。　最大震度は長野県北部で震度６弱。
　広範囲で揺れた模様だが、津波の心配はない。

　追記：２２時３７分頃、長野県北部で最大震度５弱。

【速報】 高倉健さん 死去

　映画俳優の高倉健さんが、１１月１０日午前３時４９分に悪性リンパ腫のため東京都内の病院で死去していたことがわかった。　８３歳だった。

「不器用ですから……」
　近年、年齢のせいかもと思っていたけれど声に張りが無く、少し気になっていた。
　ストイックに生き切った俳優人生だったかもしれない。

　昭和がまた遠くなってしまった。

　心よりご冥福をお祈りいたします。

ブログの方向性

　このブログ【夢の人】の方向性について、ここしばらく迷っていた。

　今迄あまり政治的な内容とか時事問題について書くとヘヴィーになりそうで、そもそもの当ブログの志向から外れてゆく懸念があった為に、極力無難な話を書いてきた。
　しかし、来年２月で丸１０年目を迎える【夢の人】。　過去記事を振り返れば、毎年の同じ月に似たような記事ばかりが並び始めた。
　もちろん旅行先の画像やらイベントの感想といった軽い話題は今後もアップする。　ただ、歓びや愉しさ中心の記事を書くのみでは本当に伝えたい事をブログ発信できないままである。
　疎らな更新にもかかわらず、お蔭様で読者も増えた。　これからは題名から著しく外れぬ範囲で、もっと筆者の主張を打ち出してゆきたい。
　もしかすると、此処に癒しを求めていた人を裏切るかもしれないが御容赦頂ければ幸いである。

　さて、先日ＮＨＫ・Ｅテレで放送された『ＳＷＩＴＣＨインタビュー　達人達』は非常に興味深いものであった。　エッセイストの阿川佐和子さんが、千葉県船橋市の非公認キャラである、かの超人気者ふなっしーにインタビューを試みたのだ。
「内角ストレートをガンガン投げ込んでくるなっしー！　危険なっしー！」
　とインタビュー達人の阿川さんを相手にして、これまた頭の回転が速いふなっしーは警戒していたが、やがて過去の自分についてや人生観（梨生観？）の深い部分まで話していたのが印象的だった。

とても素敵な選ＴＡＸＩ （※ややネタバレ）

　『素敵な選ＴＡＸＩ』というドラマ、回を重ねる毎に面白くなっている。

　じわじわとネット上でも人気が出ているようだから、御存知の方が多いかもしれないので、知っているヨという人向けに此処は書いてみる。
　バカリズムの脚本が毎回楽しませてくれる。　荒唐無稽といえる内容を役者の力量で引っ張っているかと思いきや、第３話以降ではストーリーに説得力が加わってきた。　“バカリズム節”ともいえる着想と台詞回しを駆使し、普段は自分のコントで演じる世界観を自由闊達に脚本に活かしている。　つまり、この人のコントが合わないと思う場合は、ご覧にならぬほうが時間の無駄にならず済むであろう。
　竹野内豊が演じる「枝分（えだわかれ）」だが、ごく普通の人間なのにやや浮世離れした不思議な狂言回しというのも適役だ。　竹野内が勿体無いとの意見があるけれど、真面目な役やカッコいい役が多いイケメンだからこそ、摩訶不思議なタクシーを操る二枚目半の運転手が面白くなる。
　このコメディ完成度の高さは近年の日本のＴＶでは５本の指に入るだろう。　『世にも奇妙な物語』とか他の　“もしも物”に似過ぎているという批判は当たらない。　何故ならば、題名どおりに限りなく「素敵な～」を貫く楽天性を死守しているところ及び、過去に戻ってやり直すことにより本来変えてはいけない筈の未来を変える「歴史改変ＳＦ」を大上段に振りかぶらず、さらっとやってのけているからである。
　しかも、シーンによって救い様の無いチャチさが漂うのは、たぶん織り込み済み。　そう、あくまで「これはお笑い」なのだから。