前回のデジカメネタはコンパクト機のお話だったけれども、実はボクの主力デジカメはキヤノンEOS20D。デジタル一眼レフだ。
一眼レフといえばレンズ交換を楽しむのが本筋。そして実際それがメチャ楽しいわけなんだが、そうは言っても人間たまには楽をしたいときもある。そこで登場するのがレンズ交換でズボラができる高倍率のズームレンズだ。
銀塩(フィルム用)一眼レフの世界で高倍率ズームの代名詞になっているのが、タムロンの28-300mm、通称ウルトラズーム。このレンズ、ボクも愛用しているが、その小ささ軽さと守備範囲の広さは正に驚異的。しかも写りがいいと来ているのだから素晴らしい。開放F値の暗さだけが泣き所だが、それを補って余りある素晴らしい1本だ。
ところがこのレンズ、35mmフィルムよりもサイズの小さい撮像素子を持ったデジタル一眼レフでは換算焦点距離が44.8-480mmと、本来の広角~望遠レンズから標準~超望遠レンズに変身してしまう。
もちろんそれはメリットでもあって、例えば被写体までの距離が遠目の動物園などでは、正しくこれ一本でOKという万能さを発揮できるのだが、スナップを含む普段使いのレンズとしては、やはり広角側が物足りないという結果になる。
シグマから発売されたデジタル専用ズーム18-125mmは、このあたりをうまく突いたレンズで、換算28.8-200mmというなかなかおいしい焦点距離をカバーしていた。
ところがこの手の高倍率ズームでは、正直シグマよりもタムロンの方がいいものを出してくるのがこれまでの例。まさに十八番なジャンルなのだ。
というわけで待望久しかったタムロン製のデジタル一眼用高倍率ズームだが、それが本日ついに発売された。速攻入手したので、そのファーストインプレをお届けしよう。
このレンズの正式名称は「TAMRON AF18-200mm F/3.5-6.3 XR LD ASPHERICAL (IF) MACRO」だ。長い……(^^;)
外観は冒頭の写真の通り、並べて置いた銀塩併用の28-300mmウルトラズームと酷似している。前玉外周のレタリングがなくなったり、ズームリングゴムのデザインが変わったりはしているものの、遠目にはほとんど区別がつかないほど。
レンズマウント部は従来モデル通り、エンジニアリングプラスチックと金属パーツとのハイブリッド構造となっている。見た目はチープだが必要十分な剛性と耐久性を持ち、なにより軽量化に大きく寄与するので、個人的には肯定的に評価しているポイントだ。
あいにくの曇天だが、さっそく試写。愛想も何もない写真なのはご勘弁願いたい。
開放時のワイド端画像では、まずそのシャープさに驚く。この点は28-300mmより大きく進化しているように感じた。また、日の傾いた夕方の撮影にもかかわらず、心配された周辺光量落ちもほとんど気にならない。さすがタムロンだ。
一方、同日朝に撮影したF8のワイド端画像と比べると、やはり開放時には周辺光量が落ちていたことが分かる。とはいえこれなら十分に許容範囲だろう。十分な解像感とあわせて、ワイド側では無理に絞って使うよりも、明るさ重視で使って良さそうに思う。
F8のテレ端画像でも同様に高い解像感が確認できた。10倍を超える高倍率ズームというハンデを抜きにしても納得のいく画質だと言えるだろう。
とにかく時間がないので、本格的に使えるのは4月の声を聞いてからになりそうなのが残念。
近日登場予定のシグマ製18-200mmも、このレンズが相手ではかなり苦戦するんじゃないだろうか。
ビミョーに低く設定された希望小売価格にも、シグマの言外の弱気が見て取れる(笑)。
(※追記:コメントで、シグマの価格表示は税込みのため、高い安いが逆ではとのご指摘をいただきました。調査不足で済みません。m(__)m でもそうなると、いっそう苦戦しそうだなぁ……(^^;)>シグマ)
断言しよう。これは最強のデジタル一眼用ズボラレンズの登場だ。
※3/20追記……オリジナルの試写画像をご覧いただけるようにしました。おひまならこちらへどうぞ。
| TAMRON AF18-200mm F/3.5-6.3 XR Di II LD ASPHERICAL [IF] MACRO A14E キヤノンマウントタムロンこのアイテムの詳細を見る |
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文中のシグマの方が微妙に安い、とありますが、シグマは税別の希望価格表示ですから、むしろシグマの方が1000円ほど高いのでは?
それはそうと、私もこのレンズを早く手に入れたいです。人気で品薄らしいですね…
ちょっと気になっています。純正の普通のレンズ(非L)と比べて画質はどちらがいいと思われますか? (^^;)
ご指摘ありがとうございます。仕事の合間に走り書きしたエントリなので調査不足がありありですね。お恥ずかしいです。(^^;)
>miyackさん
私はEFの28-200とかは使ったことがないので直接の比較は難しいですが、過去に使った28-135ISなどと比べれば、明らかにこちらの方がシャープですし、十分に寄れるという意味でもいいレンズだと思いますよ。純正でこの焦点距離をカバーしたレンズは現時点で存在しないわけですし、それだけでも買いでしょう!(^^)
サンプル画像を見る限り、ピシッとした良いレンズみたいですね。
タムロンはどちらかというと、ソフトな描写というイメージがあるのですが(特に高倍率ズーム)、これだったら欲しいですね。
http://www.linkerbell.com/tam/_MG_1574.JPG
http://www.linkerbell.com/tam/_MG_1579.JPG
の3点をアップしました。RAWと同時記録のJPEGそのままです。カラースペースはAdobeRGBなので、通常の画面上ではくすんで見えるかもしれません。
パラメーター的には20Dの標準設定ということで、改めて等倍で見るとそれほどシャープには見えないかも知れませんが、文中でご覧いただいたように、リサイズや各種現像処理においても破綻しない画質を確保していることは確かだと思います。
シャッタースピードはそれなりに稼げていますが、強風曇天下の手持ち撮影であることも斟酌願えれば幸いです。
念のため、私個人は熱烈なシグマ愛好家でして、手持ちレンズの半数以上はシグマ製です。
よってことさらタムロンに加担する意図はないことをご理解下さいませ。(^^;)
ってTrackbackの意味がよくわかってないのですが(^^;;
使ってますかぁー(笑)
えー使ってます使ってます。ほそぼそと……。(^^;)
でもこういうレンズが一番威力を発揮するのって、旅行に出掛けたときとかだと思うんですよね。
撮影目的の旅でもない限り、機材が多いのはイヤですし、第一旅先ではいつなんどきシャッターチャンスが訪れるか分かりませんから。
で、何が言いたいかというと、旅行に行くヒマがないんですよ~ん(T-T)