『ありがち日記』

友麻碧『鳥居の向こうは、知らない世界でした。5』

鳥居の向こうシリーズ第5巻で最終巻。


ストーリー
異界「千国」で第三王子・透李の妃となり、薬師としても働く千歳に娘が生まれた。
恩師の零先生に玉蘭と名付けられた娘は、好奇心旺盛でお転婆に育ち、物語を読んでは地球への憧れを募らせる。
千歳はその成長を日記に綴りながら、自分の母への思いも巡らせていた。
玉蘭が成長し十五歳になったある日、関係が悪化する大国から縁談が舞い込み……。 

台湾のような雰囲気を感じさせる異界「千国」へ鳥居をくぐって迷い込んだ千歳。見た目は若いけどおじいちゃん(らしい)零先生のもとで薬師として成長し、ついに第三王子・透李(とうり)の妃となる。この5巻は、千歳と透李との間に生れた娘・玉蘭の成長と旅立ちが描かれていて、あっという間に月日が経っていたのには驚いたわ😲

この5巻だけで10年以上、20年近く経過しちゃってたもんね。

千歳もすっかりお母さん。玉蘭の成長とともに、親としての成長や子離れっていう面もあったと思う。悲しいけど、前向きな明るい希望も見えたかな。

一方で。親子の別れもいわゆる政略結婚のようなもの。優しいファンタジーだけど、異界の高度な技術が戦闘にも使われ、さらに流行り病をきっかけにした戦争が始まっていく不穏な予感。まさに今の世相をそのまま反映したかのようなストーリーだし、どの時代にもそういうことが繰り返し行われてきたってことなのか。

私たち、全然成長していないんだな。。。

私は零先生が好きなので、すっかり出番が少なくなっていたのは残念。玉蘭の物語色が強かったから仕方ないけど、1~4巻のような、薬師ならではの活躍のお話がもっと読みたかった。

あとがきを読むと、もしかしたらスピンオフとか番外編が期待できそう?それがあるのかないのか、いつになるのかもわからないけれど。それぞれの登場人物視点で描かれる物語も読んでみたいなー。その時はもちろん零先生も!

これからも新刊をチェックしていかねばだね😉


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