話題になっていた理由がわかりました。
ストーリー
大御所ミステリ作家の宮内彰吾が死去した。宮内は妻帯者ながら多くの女性と交際し、そのうちの一人と子供までつくっていた。それが僕だ。「親父が『世界でいちばん透きとおった物語』という小説を死ぬ間際に書いていたらしい。何か知らないか」宮内の長男からの連絡をきっかけに始まった遺稿探し。編集者の霧子さんの助言をもとに調べるのだが――。予測不能の結末が待つ、衝撃の物語。
多くの愛人をもつ大御所ミステリ作家である宮内彰吾が亡くなり、その愛人の1人である母親をも亡くした主人公。父親である宮内彰吾が死ぬ直前まで書いていたという『世界でいちばん透きとおった物語』という小説の原稿を探すことになる。探すと言っても、家をガサゴソするだけではなく、かつて父親と関係のあった女性たちや、推協の人を訪ねて話を聞いていく。
何で会った事もない父親のためにそこまでする必要があるのかというと、もとはと言えば正妻の長男からお金を出すからと半ば強引に持ち掛けられた話なのだが、何だかんだ文句を言いながらも探し続ける。母親が生きていた頃から編集者として家に出入りのある霧子さんが様々に手助けしてくれるのと、彼女のためにという気持ちもあるようだけど…。
正直、ずっと面白味というか捻りも何もない話だな…って思ってまして。終わりに近づいたところで、この本の仕掛けに気付くと同時にタイトルの意味が回収されてビックリ！そういうことだったのかーと、最初からまた読み返してしまいました。凄いわ…
これは確かに電子書籍は無理ですね。
というわけで、あまりネタバレすることも書けないし、気になる人にはまずは読んでみてよって言うしかないですな。
どうやら続編が出るらしいです。この主人公は、結局のところ父親のようなミステリ作家の資質があるんじゃないか？と思わなくもないです。続編はそういう駆け出しのミステリ作家としてのストーリーなのか、1作目以上の驚きの仕掛けがあるのか…いずれにせよ、ちょっと気になるので、そのうち読んでみようと思っています。
