※ネタばれあります。
やってくれましたね、パク・チャヌク監督。
韓国映画の、見ていて不快感、血生臭い空気感がまとわりついてくるような、
そんな雰囲気って、ハリウッドに行って表現できるのかな?なんて疑問だったけど、
何と言うか独特の雰囲気はそのままで、そこに映像美(これ韓国映画との違い?)もあり、
私は、これ、すごくイイ!!って思いました。はい。
逆に、この世界観にどっぷりハマって観ていた自分は危ないかも…とさえ、思うけどね。
どっぷり浸かり過ぎて、息苦しいったら!
いや、でも作品として、これはいろいろ綿密に作られているなぁと感じたし、
ミア・ワシコウスカ、ニコール・キッドマン、マシュー・グッドが、これまた良い味を出しまくってて。
ミア演じるインディア・ストーカー。無口で感情を露わにしない少女。
18歳のお誕生日を前に父が急死、そりの合わない母親(ニコール・キッドマン)と
2人の暮らしが始まると思っていた矢先に、会ったことのない叔父チャーリー(マシュー)が現れる。
どうも、ただならぬ雰囲気をかもし出しているチャーリー。
ただ話をするにも料理をするにも、とにかく「この人ぜったいヤバい…」と本能的に感じてしまう。
インディアもそれを感じつつ、でも惹かれて行くのだけど…
このチャーリーが来てからというもの、自分の身の回りで、人が消えていなくなってしまうなど、
不可解な出来事が起こり始める。
インディアは、何が起きたのか気付くんだけど、これ、チャーリーの誘導だね明らかに。
この不可解な出来事をきっかけに、彼女の内面も変化していく。
少女と大人の女性との狭間で、微妙な心の変化を表現するのは、すごく難しいだろうなぁ…
ただね、やっぱりチャーリーの手紙でも出てたけど、彼女は叔父さんに似てしまった。
それを父親は気付いていたのかなぁ。
銃の撃ち方を教えていたようだし、かなりの腕前と見たけど、危ないとは思わなかったのかな。
結局、彼女の何かが開花したのは、叔父であるチャーリーの影響が大きいのだけど、
それまでの境遇でそういう片鱗というか、危なっかしい面を見抜けなかったのかな。
そういう過去のインディアについては、気になるところだった。
それにしても、誕生日プレゼントや、チャーリーがかけている父と同じサングラスとか、
後から思い出せば、伏線になりそうなものはいっぱい出てきていたのに、
見事に最後まで気付かないくらいどっぷり浸かってしまったんだな~。
最初のシーンと最後のシーンはつながっていて、
そういうことなのかぁと納得しつつ、どこか冷やっとした空気に包まれるというか。
インディアが完全に吹っ切れた感じだったなー。
母親は、あの後、どうなってしまうんでしょうね。一人では何もできない人だよね。
鑑賞後、息苦しさとかが抜けきらず、しばらく具合が悪かった(笑)
でもすごい充実した90分強の時間を過ごした気分で、満足でもある。
しばらくは、マシュー・グッドを見ると、Uncle Charlieを思い浮かべてしまいそうで、
まともに見られない気がする。目が怖いもん。
ショッキングなシーンもあるので、苦手な方はご注意。