文庫の新刊出てるー!と、何も考えずに手に取って、読み始めてから気付いたんだけど(こらこら😅)、『夜の底は柔らかな幻』のスピンオフ、というか前日譚だったんだ。
ストーリー:
僕たちは、同じ種族だ。
永遠に終わらない夜を生きていく種族。のちに何件もの大規模テロ事件を起こし、
犯罪者たちの王として君臨する男、神山。
市民に紛れて生きていた彼を追う雑誌記者が見たものとは――。
強力な特殊能力を持って生まれてきた少年たちは、
いかにして残虐な殺人者となったのか。
『夜の底は柔らかな幻』で凄絶な殺し合いを演じた男たちの過去が
今、明らかになる。
(文春文庫『終りなき夜に生れつく』恩田 陸 | 文庫)
『夜の底は~』も世界観は好きで終盤まで夢中に読んだほど。(最後は「え?」って感じだったけどね)「イロ」と呼ばれる特殊能力を持つ「在色者」たちが繰り広げた闘いの描写が、割とハードボイルド寄りだった本編に比べて、こちらは人物描写とかがメインな感じ。グロいシーンも無くはないけど。
一番意外な過去は、葛城かしら。本編では感情も読めずただ怖いし嫌な感じの人だったんだけど、大学生の頃はもう少し普通だったんだね…それを知れただけで、本編のストーリーにも深みが増すってもんで。葛城に限らないか。んー、でも、神山の過去だけは相変わらず謎めいていたな~。読めないし不気味。
短編じゃなくて、長編で読みたかった感はある。また続きもあるのかな?その前に、本編のほうでも忘れているところがあるので、読み直してみようか。