演目は「伊賀越道中双六」。第一部、第二部と通しだったのだけど、
予算と時間の関係で、第二部のストーリー的には途中からの観劇。
実際の敵討ち事件を題材に、親の敵討ちを果たすお話。
鎌倉から西へ向かいながらの道中に、様々な出来事が待ち受けていて、
途中、「こ、これは本当に敵討ちの話なのか…?」と思わなくもないけども(^_^;)
舞台は室町時代の設定。岡山藩士の和田志津馬が、姉婿の唐木政右衛門とともに、
親の敵である沢井股五郎を討つという話。たぶん。ざっくり言うと。複雑すぎてさー
第二部は、藤川新関の段、竹藪の段、岡崎の段、伏見北国屋の段、伊賀上野敵討の段。
席は床に近いところで、今回もばっちり浄瑠璃を堪能しつつ、人形も近くで観られて幸せ。
藤川~は、三輪大夫さん、始大夫さん、咲甫大夫さんの三人と、
喜一朗さん、清𠀋(せいじょう)さん、龍爾さんの三人が並んでスタート。
さっそくデレ…舞台には、助平の代役として勘十郎さんも出てらして、
どこ見たらいいのかわからない状態!目がたくさん欲しいと本気で思った瞬間…
写真展も拝見した龍爾さんは、やはりシュッとして素敵でしたー
音楽が印象的で、なんか残る感じ。
助平のコミカルな動きもさすが勘十郎さんで、そういう役を遣られているのを初めて見たのが嬉しかった。
竹藪の段は、政右衛門が関所破りを決行するのだけど、刀で顔をスパーっと切る例のヤツが出た(笑)
これ本当に面白いのね。いや、切られていて「うへぇ」ってシーンだとは思うんだけどさ。
岡崎の段は、二時間の長丁場。
芳穂大夫さん→呂勢大夫さん→嶋大夫さん(脇に芳穂大夫さん)→千歳大夫さんの流れは豪華。
芳穂大夫さんの声は会場によく響き渡っていて、役によって声色を変えるのはもちろんのこと、
声の高低だけじゃない奥行き、深みがあって素敵でした。本当に。
ここの見せ場は、政右衛門と幸兵衛との師弟が偶然に会いながらも、
政右衛門は身分を明かすことができない身であること、そして乳飲み子である我が子を
敵の倅として自らの手で殺めなければならないという苦しみ。
いくた敵討ちのためとはいえ、我が子まで…
それに、女性目線で言うと、お谷やお袖など女性陣があまりに不憫でならない…
敵討ちは男の闘いかもしれないけれど、その陰で涙を呑んでいる女性がいることを忘れちゃいかん…
そんなことを思いながら見ていたので、余計に疲労感が(笑)
嶋大夫さんの体全体で力強く語っていらっしゃるご様子が印象的だった。
岡崎の段が、濃厚なストーリーで重たかったので、
この後の30分休憩はありがたかった~。それと3時間くらい座りっぱなしだったからね。
そっからの伏見~と伊賀上野~は、クライマックスに向けて盛り上がる展開。
志津馬で芳穂大夫さん再登場。わーい
いやいや、これまでの長い行程に比べてそんなに簡単に股五郎を討てちゃうの~!?
っていうくらいのスピード感を持って敵討ち成功。最後の決めポーズ
おわり。
いやー、敵討ちの話だけに、流血が多かったなー。
とかいうどうでもいい感想ばかりが頭に思い浮かぶ私。
後からじっくり思い出して、あそこはそういうことだったか…と気付くことも多かったかな。
たぶん観てから床本を読んでみると、また分かることも多いんだろう。
まだ読めてないので、いつか読まなくちゃとは思ってる。
これ通しで観た方は、すごいですねー。私、自信ないやー^^;
東京近郊に住んでいれば、日にちを変えて観るのも可能だと思うけど、さすがに何度も通えないわ。
あとお金の問題ね…
さてと、終わって「しゅん…」としたのもつかの間、お次は地方公演ですよ!
私は仙台公演の夜の部に参ります。ふふ
こちらも初めての演目なので楽しみだし、また勉強していかないと!
きっと岩手からも観に行く方いらっしゃるんだろうなぁー。
今日たまたま、盛岡劇場100周年の記事を目にして、「昔の建物が残っていて、文楽呼べたら良かったのに…」
と思いながら読んでました。雰囲気もあって素敵だったはず…
ま、今の盛劇に文楽を招いてくださっても良いんですけどね。ちょうど良いキャパだと思うんだけど。
ちょっとした願望でした。
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