『ありがち日記』

伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード<新装版>』

さすが、うまいなーーー!


ストーリー
星野一彦の最後の願いは、何者かに〈あのバス〉で連れていかれる前に、五人の恋人たちに別れを告げること。そんな彼の見張り役は「常識」「愛想」「悩み」「色気「上品」──これらの単語を黒く塗り潰したマイ辞書を持つ粗暴な大女、繭美。ふたりのなんとも不思議な数週間を描く、おかしみに彩られた「グッド・バイ」ストーリー。

〈あのバス〉とは一体何なのか、どこへ連れて行かれるのか。
星野くんは同時に5人の女性と付き合っていたので〈あのバス〉で連れて行かれる前に1人ずつ別れを告げに行くわけだけども、いったい、そんな恐ろしいところへ連れて行かれるくらいの、どんなすごいことをしでかしてしまったのだろう…借金をしたことはわかるけれど。

この作品で一番のキャラは、星野くんの見張り役であり、190cmの身長、200kgの体重、国籍も不明な繭美。

常識にはとらわれない繭美はとにかくインパクト大。最初はいまいち好きになれる気がしなかったんだけど、だんだんと彼女の行動・言動に慣れてきてしまう不思議。まあね、繭美だけじゃなく別れに行く女性たちも個性的なんだよな。そんな人たちと付き合える星野くんも大概だけど。そう考えると、まともな人が一人もいなかったなぁ…

結局、星野くんは〈あのバス〉に乗っていくんだけど、行先はわからぬまま。繭美が所属しているだろう組織?も、繭美自身も何者なのかわからぬまま終わっちゃった。余韻すごい!

最後の繭美視点からのストーリーにはグッときました…はちゃめちゃな繭美だったけど、少しずつ星野くんと何らかの関係が進展していたんだなぁと。バスを追いかけて間に合っているといいなぁ。んで、星野くんと繭美コンビでもう少しいろんな話を読んでみたい。

伊坂さんの本は久しぶりに読んだけど、やっぱり面白い。
この話はWOWOWだったかな?でドラマ化してたけど見てなかったので、いつかチャンスがあったら見てみよう。

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