『ありがち日記』

友麻碧『鳥居の向こうは、知らない世界でした。4 花ざかりの王宮の妃たち』

シリーズ4作目。

ストーリー
異界「千国」に迷い込んで二年。千歳は仙人の薬師・零の弟子として働き、初恋の相手・透李王子との結婚を控えていた。居心地のよい零の側を離れることを躊躇う千歳だが、王宮の妃たちからは「千国の女性の未来を、共に切り開きたい」と頼られていく。そんな中、国王から、謀反の罪で幽閉中の前王妃・香華の最後の願いを叶えるよう命ぜられて……。 

千歳が異世界へ迷い込んで来てから2年が経過。
薬師として修業しながらも、王の弟である透李王子との結婚も控えている。

なかなか零先生の元から離れる決心がつかないところに、様々な形で千国の現正王妃や新たに嫁いでくる妃、憎き前正王妃と関わることに。千歳にとってその関わりが、千国の妃となることへの覚悟へとつながる。

さらに、妹弟子である蓮蓮の存在も大きい。
千歳を「先生」と呼び、薬師になりたいという将来の大きな可能性を秘めた妹弟子を零先生のもとに置くことができた。(もちろん彼女もいずれは独り立ちするだろうけれど…)

やっぱね、前正王妃を許すことはできないし、受ける罰については自業自得なのだけれど、彼女がどうしてあんなに酷いことをし続けたのかという理由が分かり、ちょっと切なかった。誰も最初から悪人なわけではないのだね…。でも間違った方向に行ってしまった。自分はそうはならないと誓う千歳。

そして、やっと千歳妃が誕生…!というところで4巻が終わってしまって、早くも次の巻が楽しみなところ。どんな妃になるのかな。相変わらず、日本のようでもあり、台湾のようでもある千国という異界の空気感が良い。薬膳料理の描写にもとても惹かれるわー。

4作目もさくさくっと読めて楽しめました!

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